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漫画の感想

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昭和生まれの私が読んだ漫画の感想。古いのも多いけれども新しいものもあります。
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2021年9月の記事一覧

メッシュ (萩尾望都)

メッシュ (萩尾望都)

「親に見捨てられた子ども、親と離別した子どもの、自己救済を求めての彷徨」

これが、この作品の主題だ。・・・と、まんが評論家の村上知彦氏が語っていた。

その通りだと思う。もうそれ以上いう事はない。

・・・と書いてしまったら、書く事はなくなってしまうので、別の観点で感想を書かせて頂く。

この作者は上記のテーマで、繰り返し繰り返し、数々の名作を描いてきたわけだ。
私はかなり初期からのファンなので

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夜廻り猫 (深谷かほる)

夜廻り猫 (深谷かほる)

以下の文章は2017年6月にブログに書いてたものです。当初本屋で何度も目にしながら私の好みの絵柄じゃないし・・・と買うのを躊躇していたのです。でも読んでみるとすごくいい!温かいものが溢れてくるような作品でした。あれから4年。ネットでも読むし、新刊が出るたびに欠かさず買ってます。(原則として)たった1ページで登場人物の今まで生きてきた背景までも読者に想像させるなんてどうしてこんなことが出来るのか不思

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萩尾望都 (半神)

萩尾望都 (半神)

この作品はたったの16ページしかない。
・・・にも拘らず、その何倍もの内容が込められている。

体の一部分が結びついている双子の姉妹、ユージーとユーシー。
知性は姉のユージーに。
美貌は妹のユーシーに。
やがて二人は13歳になり、ドクターがある決断を下した。
それは二人を切り離すことだった。
勿論、そうすると自分で養分を作れないユーシーは死んでしまう。
しかし、何もしなければ、二人とも死んでしまう

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竹光侍 (松本大洋)(作:永福一成)

竹光侍 (松本大洋)(作:永福一成)

これは凄い!
文句なしに凄い作品だと思います。

絵、ストーリー、キャラの魅力、どれをとっても素晴らしいの一言に尽きます。
これだけ三拍子揃っていいと思える作品にはなかなかお目にかかることが少ないんですよね。

実は・・・この作者の絵は私にとって苦手な部類に入るのです。
だから、「ZERO」と「ピンポン 」は読んだけど、その後読んでないんですよね。
頭では良い作品だと理解出来るけれども、感覚的には

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恋のめまい愛の傷 (一条ゆかり)

恋のめまい愛の傷 (一条ゆかり)

婚約者・亮とともに3年ぶりに帰国した更紗を空港で出迎えたのは、3年前、愛し合いながら仲を裂かれた年下の恋人・琳だった。
亮と琳は両親の離婚で苗字の変わった実の兄弟だったのだ。
更紗の心は激しく揺れる・・・。

年下趣味だという作者の願望がモロに出ている作品?(笑)
結構、内容的にはドロドロ系だと思うのだが、
憎しみが渦巻くとかいう感じではないせいか、案外あっさりと読めた。
ラストが一応ハッピーエン

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