テレワークしてなかった人、テレワークしてみた。
この記事は、以前に私が書いた「緊急事態宣言が解除された今だからこそ、テレワークとコミュニケーションについて考える」
https://note.com/miyabi099/n/nc5865de22c80
https://note.com/miyabi099/n/nabc90bcb9347
上記記事の現時点における振り返り的な内容となります。
上記記事の中で、私は「セキュリティと開発環境の確保という都合で、この状況下にもかかわらずほぼ毎日出勤していたエンジニアであった私が、テレワークについて考えてみることにしました」と書きました。
そこから数ヶ月が経つ中で、私の担当するお客様がかわり、そしてまた蔓延防止措置や緊急事態宣言など経る中で、テレワークをすることになりました。
現在でも、私は(直接的なコミュニケーションを目的にした)弊社が規定する週一回の出社をする以外はテレワークをしている状況です。
こう言ったことから、先の記事中で取り上げた「テレワークで良く問題視されていること」として挙げた以下3つの事柄について、私が実際にテレワークを実施して直面したこと、感じたこと、考えたことを私なりに整理してみました。
チームのコミュニケーションを良くしようと思い、ライトコミュニケーションを取ろうと思ったら、相手は集中タイムに入っていて気まずくなる
ライトコミュニケーションの割にはやけに堅苦しい口調や文面で気軽に参加する気になれない
「余計な連絡は相手に負担をかけるから」と問題がない時の連絡を控えていたらリーダーやマネージャからの無用なフォローが大量に来てウザい
コミュニケーションの取り方について
どんな話題でも、音声・ビデオでの通話を要求されることは、かなり負担に感じました。特に回数が増えることは誰もが気になるところだと思います。
チャットやメールといった文字ベースの問いかけであれば、自分のタイミングで何かの合間といった隙間時間での対応も可能です。しかし、音声・ビデオ通話の要求が突然舞い込んできた時、どうしても進行中の業務を中断させることを余儀なくされ、通話中もそのコミュニケーションに集中せざるを得ません。
チャットによる音声・ビデオの要求もそうですね。受ける側はどの程度の緊急度・重要度かは推測しかねる場合があります。そういった場合において、緊急性・重要性が感じられない場合にはストレスを感じると思います。
例えばドキュメントの所在や操作方法などといった簡単かつ基本的な質問であれば、まずメールやチャットで何について確認したいかを連絡し、相手の回答を待った方が良いかと思います。
文字ベースであればログも残るので、同じ件で何度も連絡が来ると言うことも防げます。
実際、振り返って考えると、通話での対応を強く求める人に限って、同じことを何度も問い合わせるケースがあるように感じます。私の実体験でもあまりにも目に余るケースがあり、繰り返し問い合わせを受けた際に一度説明したことをチャットで回答した内容をまとめて記載して、同様な問い合わせが再度来たとき、過去の回答のまとめを過去に送信した日付と共に投げ返すことをしてから、通話の連絡が劇的に減り、かつチャットベースに移行したことがあり、負担が減ったケースがあります。(相当な荒療治であるためお勧めはできませんが。)
最近はTeamsに返信という機能追加され、過去のチャット履歴へのリンクする機能が実装されたり、通話の音声を認識して文字起こしするようなサービスも開始されたりもするようなので、多分このような不満は多いのではないかと思います。
チャット時の口調について
顔をあわせてのコミュニケーションではなく、場合によっては文字ベースとなるため、空気感の共有が難しいのは私も感じました。そして、空気感とともに普段通りの口調でも多少固く、冷たい印象を与えるケースがあります。
この場合は上司や先輩が率先して柔らかな語り口、時には冗談を交えながら笑顔のトーンでコミュニケーションを心がけるべきかな?と思いました。
あまりに突然カジュアルすぎるコミュニケーションはハラスメントになる可能性を孕んでいる可能性があるので、そのようなことがないように日頃からオープンな環境を整える必要はあるかな?と思います。
私の場合は、軽い自虐ネタや失敗談を挟めるようにと心がけています。自虐ネタであれば基本的には他人を傷つける可能性が低くなるためです。
程度の問題はありますが、多少は同僚や後輩のイジりを許容できると思わせられるくらいの方がいいのかもしれません。
進捗確認の頻度が増えているように感じることについて
進捗確認などがストレスに感じる原因も、不定期に突然フォローがやってくることにストレスを感じていることが多いのではないかと感じました。
急を要するものであれば「それも致し方ないかな?」と理解できますが、そうでもないレベルの確認が何度もやってくると、その数にもよりますが「信用されてないのか?」や「他にやることないのか?」という無用な不信感を感じがちです。
そうは言っても、出社での業務と違い、活動を把握したいときに把握できる範囲に本人が居ないことは確かです。
ですから、例えば始業と終業直前(コアタイムの最後)の二回程度とか、予め予定を確定させた状態で行い、状況に応じて個別に連絡・報告を受ける旨の調整や合意をとるような対応が必要かと思います。
そうすることで、それに応じた業務ルーティーンが組めるので、連絡や報告がリフレッシュの役目を果たす場合があると私は思います。
その他感じたこと
周りに同僚がいないことについて
これはメリット、デメリットがあると思います。
雑談が減ったと言う状況は確かにあり、これがデメリットだという主張も理解はできます。
しかし、過去を振り返って考えると、雑談が別の価値を生み出すことに大きく寄与しているか?というと、私は言うほど体感していないと思います。
むしろ、相手の気晴らしに付き合わされて無駄に時間を消費していたケースの方が多かったのではないか?と感じる部分もありました。
「他愛のない時事ネタから思わぬアイデアが生まれたり、課題解決に寄与したりする」といったケースはないとは言いません。しかし、その割合は決して高いとも思いません。
逆に、これは私の性格上の問題なのかもしれませんが、オフィスでの業務では周りに人がいるという状況ゆえ、余計に他人に話しかけることで集中力を切らしていることが多々あるように感じます。
チーム外の同僚という組織的な面で距離感を感じる相手とコミュニケーションしたい状況はあるでしょう。そのような場合、昼休みや業務時間外などに返事を期待せずに送信して、反応があれば軽くチャットするみたいな方法でどうにでもなるのではないかと私は思いますし、実際にそうしています。
そして、その中で何か発見があれば、ちょっと時間とって話す機会を設定することでメリハリがつくのではないかと思います。
思った以上に集中する&やり過ぎの懸念
「在宅だと自己管理が疎かになり、サボりがちになる」といった懸念が言われたり、実際に自分もそのような懸念をしたりしていました。
ただ、実際のところ、在宅でも職場でも最終的に締切までに何をしないといけないのかは同じです。そこまで大きな差は出ていないですし、前述の通り、思った以上に気が散っているのは職場の方だとも感じています。
「家事など想定外のものが入り込んでくる」とは言いますが、そういうものもやはり区切りをつけた上で「仕事中は家族とはいえ機密保持の観点から接触の機会を断つ」という姿勢も必要かと思います。
要するにメリハリのつけ方がとても重要で、切り替え出来ないことが原因で、ズルズルと仕事をしたり、業務外のことをしてしまったりすることがあると思います。
職場だとトイレに行くついでに気晴らしで売店や自販機に立ち寄ったり、周辺を歩いたりして途中であった同僚と雑談するようなケースは、在宅ではありません。
その結果、淡々と業務が進行し、気がついたらお昼だったとか、定時間を超えていたというケースがたまにあります。
組織によってはPCの電源のオンオフで業務実績を記録しているようです。このような対策で働きすぎや不正な勤務申請を抑止する必要はあると思います。
環境音(ノイズ)
これも良し悪しのように思いました。
出社した場合は現場によって静かな場合と騒がしい場合があり、それが個人の好みに合うかどうか次第な部分もありますが、在宅とオフィスではその内容がだいぶ異なる印象です。
在宅では近隣の生活音の割合が増え、また例えば幹線道路沿いであると交通や道路工事によるノイズの割合が増えるので、それが気になるケースはあ想定されます。
実際に近隣で何度か大きな工事と事故があり騒がしいことがありました。
また相当なレアケースだと思いますが、オンラインミーティング中に相手側自宅前の道路で事故があり、パトカーや救急車、野次馬が集まり大騒ぎとなってミーティングを中断したケースがありました。
そういった環境音が気になるか気にならないかは人それぞれですし、あまりにも静かすぎるのも気になると言う人もいると思います。
このように気になる場合は落ち着いたテンポでヴォーカルのないインストゥルメンタルサウンドを小音量でかける位の対策があってもいいと思います。
ストリーミング音楽配信サービスにはカフェ・バーサウンドと称した落ち着いた感じのクラシックやジャズ音楽のプレイリストが用意されているものもあります。そのようなサービスのサブスクリプション契約を活用するのも手かな?と私は思います。
ビデオ、音声ミーティング環境
ネットワーク環境が最重要なのはもちろんですが、その次に音声と映像のどちらを優先すべきかということです。
この件については、私はオンライン面接する就職活動中の方やオンライン握手会・サイン会を業務としているような場合を除けば、音声の環境をまず整えるべきだと思います。
聞き取りやすいこと、確実に音声を取り込んでくれること、不要な時に音声が入り込まないことを確実にすることがストレスのないテレワーク環境作りの肝であると私は思います。
表情や顔色を見せたい、アピールしたいということでもなければ、延々とプレゼンテーション資料や打ち合わせのアジェンダのファイルを画面共有しておけばいいので、とにかく音声の環境を優先して整えるべきというのが私の考えです。
iPhoneやiPadなどは想像以上にリモート会議にも活用できるマイクとスピーカーが装備されていて、オンラインミーティングで不便を感じたことはありませんが、会社貸与のPCではそう言った部分に不安が残ります。
音声環境でまず思い浮かぶのはヘッドセットですが、マイクのついた高性能品はゲーミング系のものが多く、若干重量があります。
加えて装着時の締め付けや、音が耳の近くで鳴るという特性上、長時間の会議では装着疲れを起こす可能性があります。
こういった些細な原因でストレスを感じることはあまり良くないと私は感じました。ですから、自分に合ったデバイスを選んで使った方が良いと私は思います。
今回は実際に私が目にしたり手にしたりして「これはいいかも?」と思ったデバイスを紹介したいと思います。
・骨伝導式イヤホン
Shokz(AfterShokz)は骨伝導方式のイヤホンで、装着しても耳を塞がないため周囲の音もそのまま聞き取ることができます。
OpenCommというモデルはブームマイクという高指向性のマイクが装備されており、これが思いのほか話者の声を確実に拾ってくれている印象です。
オンラインミーティングやオンライン飲み会での愛好者も多く、マイク性能で欲しくなったことが何度かあったことを記憶しています。
Shokz OpenComm
AfterShokz OpenComm
※AfterShokzは現在ブランド名をShokzに変更しており、双方とも同じ製造元の製品になります。(同じ製品なのかも?)
・据え置き型スピーカーマイク。
会議室に据え置かれていることが多いスピーカーマイクもUSBやBluetooth接続に対応し、持ち運びもできるコンパクトサイズなものもあります。
据え置き型スピーカーマイクのメリットは、ヘッドホンのように締め付けがないこと、確実なマイクのミュートがしやすいことなど、ミーティング専用として使い勝手は良いと感じています。
元々が会議室で複数人数で使用することを目的にしているので、音量を上げてもスピーカーが音割れすることなくマイク性能も良く「聞こえにくい」と言った不満を聞いたことはありません。
次の2つはおおよそ12cmCDのケースを数枚積み重ねた位のサイズで、1万円以下で買えるもので個人での購入・利用しやすいと思います。
Anker PowerConf S3
AnkerのPowerConfは会社の小さい会議室の備品として置かれていました。そのため少人数でのリモート会議で使用する機会がありました。
会話が聞き取りやすいスピーカーで、マイクに関しても特に聞こえづらいというような話はなく、接続時のトラブルは比較的少なく使い勝手は良い印象でした。
eMeet Luna Lite :
個人用にAnkerの PowerConfを購入する予定でしたが、eMeetのLuna Liteの方が安価でアマゾンのクーポンが用意されていたので、購入し自宅で運用しています。
機能面はPowerConfとほぼ同等の機能を有しており、スピーカーやマイクも十分な性能で、不満らしい不満ほぼ有りません。
あえて不便と感じた点を挙げるとすれば、ステータス表示がカラーLEDしかないため、ミュートのON/OFF状態やBluetooth接続状態、マイクのノイズ抑制機能の作動状況が把握しにくいことがあげられると思います。
意外と忘れがちな事
オンラインミーティングでは議論が発散しがちになったり、発言を全くしないでやり過ごそうとしたり、後になって言った言わない問題が発生しがちです。
これについてもTeamsが自動録音・録画や、文字起こし機能が実装されていることから、同様の不満を抱えている人は多いのではないか?と予想しています。
私はこう言った問題に対して、あらかじめアジェンダの資料を用意しておき、そのアジェンダを提示しながら打ち合わせを開始します。
そして、打ち合わせ中に発生した議論をアジェンダ資料の中に記載し、アジェンダ兼議事録として活用する(ついでに参加メンバの合意をとる)方法で打ち合わせをしています。
さらに、アジェンダ(兼議事録)の中に参加メンバの意見記入欄などを記載するのもいいかもしれません。ただ、そういったことを苦痛に感じるメンバもいると思います。
ですから、それに合わせた独自のものを検討し、メンバの合意をもとに採用すれば良いのではないかと私は思います。
例えば、会議の参加人数が多いということで、考える時間などを与えた上でルーレットのようなものを回し、当たった人が答えるというようなシステムを採用している現場もあり、これは面白いなと思ったことがあります。
以上、実際に自分がテレワークを体験して感じたこと、考えたことをまとめてみました。
また違った観点で考えが溜まった時には改めて記事にしたいなと考えております。
何か疑問点やご意見などがございましたらレスポンスなどいただけると幸いです。参考にさせていただきたく思います。
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