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わたしの旦那さんは変だ。〜優しい彼と増殖する雑炊〜

私が家で食事ができる日には、彼は私の食事も一緒に用意してくれる。

そう、彼はよくできた旦那さんなのだ。


雑炊、出来上がりました!

冬のとある休日、我が家の夕食はキムチ鍋であった。

おいしくいただいた後、残った出汁を大事にそれをとっておいた。

次の日の夜、雑炊にすれば(明日は早く帰れそうな私が)夕食の手抜きができると考えたからだ。


次の日、家で夕食を食べても許させる時間には帰宅できるものの、想定していたよりは遅くなってしまうことになった。

私は、彼に

「申し訳ないんだけど、残業になっちゃった。ご飯は一緒に食べられそうだから、昨日の鍋の出汁で、雑炊してくれる?」

と伝え、彼は

「わかった。気を付けて帰ってきてね。」

と返事をした。



疲れて、帰ってきた私を待っていたのは、キムチのいい香りと、鍋いっぱい、そう言葉のとおり、昨日キムチ鍋をして食べた、その鍋いっぱいに出来上がった雑炊だったのである。


私は絶句した。

鍋いっぱいの雑炊て。

え、明日の分?でも雑炊なんて明日になったら水っぽくなってあんまりおいしくはないだろうし。

っていうか鍋いっぱいの雑炊て。


雑炊の作り方〜彼の常識編〜


私は彼に問うた。

「これ、どんだけお米入れたん?」


彼は、きょとんとして答えた。

「3合お米炊いて入れたよ。」


再度絶句。

突っ込みどころが満載過ぎて、もはや突っ込めない。

彼に悪気はない。まったくこれっぽっちも。

ただ、私の反応を見て自身の失敗に気づいたようだった。


「ちょっと味が薄くなっちゃって。」


そこじゃない。

いや、そこもだけど、そこじゃない。

私の常識からすれば、2人分の雑炊に3合のお米は多すぎるし、炊き立てのお米で作る雑炊は贅沢すぎるし、そもそも2人分の夕食に3合は多すぎるし、あの出汁の量にお米そんだけ入れたらそれは味も薄くなるだろうし、あとは、あとは・・・・。


しかし、突っ込めないし、怒れない。

彼は一生懸命に、私に言われたとおりに雑炊を作って待ってくれていた。


私は、優しく、

「雑炊にするとお米が水分を吸って増えるから、多くても1合半くらいでよかったかもね。あと炊き立てのご飯はもったいないから冷凍ご飯でもよかったかもね。」

とだけ伝えた。


とにかく私は、このキムチの香りがする味のない雑炊(鍋いっぱい)をおいしく食べられるようにしなくてはならない。

くたくたに疲れて帰ってきたご飯が味がしないのはちょっと辛い。


冷蔵庫にあった白だしやら醤油、キムチ(どうしても豚キムチが食べたくなって奇跡的に買っていた!)を鍋に注ぎ込み、なんとかリカバリーして、おいしく食事をした後、私は今日の教訓について考えた。

誰かに何かをお願いしたいときは、ゴールのイメージだけでなく、その手順が一致しているかの認識のすり合わせから始めるべきだわ。