君の事は忘れない。
この年末年始の華やかな雰囲気の裏で、大事な友人を亡くした。
小学校からの同級生で中学校から仲良くなり、大人になってからも「中学校友の会」というLINEグループのような感じの数人の集まりで、2年に1度ぐらいは集まれていた。
最後はいつだったか。
もう4年前ぐらいになるのだが、その集まりの席で「こないだ救急車で運ばれたのよ。そしたら癌で、ステージ4だって。でも手術は成功したっていうから、後は早く体調が戻ればいいけど。」
「だから今ね、アルコールも冷たい物も飲めないのよ。冷えるから」と寂しそうに温かいココアを飲んでいた。
本人の話だから、実際、家族に病院側がなんと告げたかはわからない。
そしてその間に彼女の母親が乳ガンで亡くなってしまっていた。
…遺伝はやっぱりあるものなのか…
そう考えたくはないけれど、彼女の母親だってまだ若かった。
同級生メンバーの中でも元々そこまで頻繁に連絡を取り合う仲でもなかったので、亡くなるまでの2年ぐらいは会ってなかったかもしれない。
どうしてるかな?と思っても、なんか現実を知るのが怖くて連絡をしないでいた。きっと元気に回復してるだろうと。連絡が誰からもないのはそーゆーことだろうと思い込むようにした。
そして去年のクリスマス。
彼女と一番仲の良かった子からLINEが入った。
「○○が今日の午前9時頃亡くなりました。早すぎるよね」
とポツリ書かれていた。
…もしかしたらそんな日が来るかもしれない。それはわかっていた。けれど。
同級生だよ?同じ歳だよ?こんなに若いのに?癌ってやっぱり若いと進行も早いのか?それにしても早すぎだよ…本当…
いろんな思いが巡った。
オシャレでメイクとかが大好きだった彼女。
ほわぁ~んとした可愛い声で喋るのに、芯はしっかりしていた彼女。
最後まで「あたしは生きる」って言ってたみたい。
一生懸命「遊びに行きたい」って言ってたって。でも今のコロナ下じゃリスクが高過ぎてなかなか外出もままならなかったみたい。
「最後の最後まで自分は死なないと思ってたみたいです。看護師さん達も気力だけで生きてるよねってよく言ってました。強い子です。それでもこうして次々友達が来てくれて…この子も嬉しく思ってると思います」と叔母さまがお悔やみに行った時に教えてくれた。
最後に顔を見せて貰ったら、あたしの知ってる彼女とはかけはなれたぐらい、骨と皮だけになってた。
…そうだよね。こんな年齢で亡くなるぐらいなんだもん。こんなんになるよね。
一緒に遊んだの、楽しかったよね
いつも誘えば一つ返事で来てくれたよね
また集まろうねって約束したのに…
人ってやっぱり死ぬんだね
癌ってやっぱり狂暴だな
今あたし、仕事忙しくて灰になるの、見送ってあげられないけど。ごめんなさいね。
その前に顔…見れて良かったよ
お母さんと2人で旅行するのが夢だって言ってたよね
ちょっと悲しいけど、お母さんとこれからゆっくり旅行…行けるかもね
人はいつか死ぬ。
だからこそやっぱり悔いのないように生きたい。
彼女はあたしにそう強く思わせてくれた。思い出させてくれた。
ありがとう。
頑張ったね。
あなたと過ごした時間は忘れない。
どうか安らかにお眠りね
ここまで読んでくれてありがとうございます。
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