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デザイン職のマネジメントがデザインするもの〜MIXI篇

こんにちは、MIXIデザイン本部本部長の横山です。

今日は社内共有したドキュメント『MIXIのデザインマネージャー/デザイン部室長/デザイン本部長がデザインするもの。』をより汎用的にしたものをシェアします。
デザイナーやディレクターからマネジメントもやるようになって明日から一体何すれば?のたたき台になるといいなと思っています。
※いわゆるマネジメント論ではなくより具体。マネジメントになって、あるいはこれからマネジメント目指すにあたって、具体の型があれば少しでも取り組みやすくなったり期待値もすり合わせやすいかなあと。あくまで事業会社のMIXI篇です、良きに応用下さい。
※2023年10月改訂


前提

マネジメントになると1on1や定例が増えるが、なぜやるかで言えば以下を実現するためで、なぜ以下を実現するかで言えば私たちは事業会社のデザイン組織に在籍しているから。
全デザイン職が組織のベクトルを意識しながらパフォーマンス(クオリティ)を向上させ続ければ、デザインが事業成果や組織成果につながり、私たちデザイン職はさらなるやりがい/良い仲間/クリエイティブな仕事の機会/お給料をたくさん手にするループ。マネジメントがうまく機能しているとき、きっとループがぐるぐるしている。

※以下、本部制組織に三層(ex.デザイン本部/デザイン部室/デザイングループ)マネジメントがいる想定。

デザイングループ:マネージャー

・部室目標に基づくグループ予算策定と戦術策定(人軸/物軸/金軸)を部室長と実行(1)
・上記をふまえたグループ目標(ゴール)と運営方針と実行計画(マイルストーン)を策定。部室長承認をとり、メンバーに共有(2)
・一次評価者としてグループ目標とメンバー個人目標を紐付け、成果につながるマネジメント(ナビゲーション)(3)
・成果をあげたメンバーの評価にコミットし、メンバーの仕事が事業や組織に対し、どう良いのか定性/定量で可視化し、部室長へ伝える(4)
・成果未達メンバーにどのようなフィードバックで訴えかけ、期待値をすり合わせていくか、部室長と相談し共に実行(5)
・リーダーを巻き込み、グループ成果/グループ生産性/モチベーティブな組織風土作りにコミット(6)
・デザインの現場で、事業成果や組織成果につながる最適な意思決定を心がける(ワークフロー/リビルド/リプレイス含む)(7)
・自らもプレイヤーとして、メンバーに背中を見せながらチームビルドする(8)
・デザインを学んできたのと同量、マネジメントについても学ぶ
・定例等でデザインの現場の詳細を報告。特にリスク等は早期共有しマネジメントチーム(マネージャー/部室長/本部長)を巻き込み解決に奔走する。早期報告が出来るよう、メンバーに対し常に傾聴姿勢を持ち信頼の関係構築をする
・DesRel(Designer Relations Group)をMIXI全デザイン職のハブにするための協力を惜しまない
・社外パートナー企業との良好な関係構築
・部室長の仕事を能動的にもらいにいく!
・楽しんでる顔してる

デザイン室:部室長

・上記(1)〜(8)までのレイヤーをアップデートし実行
・経営の優先度に基づく機動的アサインの実行と効果測定
・経営動向や他部室の動きを積極的にキャッチアップし、本部を超え、他部室長とリレーション構築
・事業成果や事業価値向上 × デザインの接続
・撮影スタジオとサウンドスタジオの効果的な設備投資の実行と可視化
・人事コミッティを開催し、Next人材の発掘/育成/抜擢の効果測定
・優秀な新しい仲間の獲得に最優先コミット
・社内へのデザインナレッジ共有及びデザイン啓発活動
・本部長の仕事を能動的にもらいにいく!
・めちゃくちゃ楽しんでる顔してる

デザイン本部:本部長

・上記(1)〜(8)までのレイヤーをアップデートし実行
・経営方針に基づく本部予算策定と、その予算(=デザインへの投資)を上回るリターンをどう出すかの戦術策定(人軸/物軸/金軸)。経営承認をとりマネジメントチームを巻き込み執行
・経営会議や本部長朝会や他本部月次報告等から適宜キャッチアップし、未来に向けデザインから起こすべきアクション、巻き込まれにいくべき事業や組織やプロジェクトを常に探索
・経営に対し、デザインの現場(社内)からデザイン業界動向等(社外)に至るまで、経営判断に直接/間接に関わる情報を適宜伝える
・マネジメントチームに対し、経営トピックや事業状況を翻訳し、経営や事業とデザインの現場をより直結させる
・マネジメントチームに対し、デザイン等に関する多角的なインプットを率先して行い、チームで議論しながらより高い視座、広い視野、ユニークな視角を獲得していく
・コーポレート活動をデザイン支援し企業価値向上につなげる
・デザイン本部並びに全デザイン組織の成果/マネジメント支援/エンゲージメントの高い組織風土作り/構築すべき新たなケイパビリティの模索/組織やプロジェクトの立ち上げ等にコミット
・全デザイン職がより能動的にアクションできるようドキュメント共有推進(DocBase)
・全デザイン組織強化のため中途採用/新卒採用と育成(新卒研修等)/DesRel(Designer Relations Group)と社内リレーション強化施策(Designer's Meeting)/デザイン業界への情報発信やナレッジ還元(cocodaMIXI DESIGN note)の推進
・Nextデザイン本部長やデザイン部室長の発掘/育成/抜擢の準備
・管掌取締役の仕事を能動的にもらいにいく!
・しれっとした顔してる

インターネット以降たくさんのIT事業会社が生まれ、デザイナーやディレクターが組織として集団として、IT領域のデザイン組織で働くケースが増えています。対してデザイン業界全体のマネジメント不足は、デザインがより活性化し、社会に価値を還元していくスピードを早める意味でも、解決していきたい課題だと僕はとらえています。

デザイン職のマネジメントの知見をもっともっとオープンにし、デザイン業界全体でシェアしあい、キャリアのロールとしてマネジメントのスペシャリティを磨いていくデザイナーやディレクターが増えていくといいなあと思います。他のデザイン組織はどんなマネジメントの型があるのか、とても興味があるので、ぜひ教えてください。

参考書籍
Googleのソフトウェアエンジニアリング ―持続可能なプログラミングを支える技術、文化、プロセス
プロダクトマネジメントのすべて 事業戦略・IT開発・UXデザイン・マーケティングからチーム・組織運営まで
ユニコーン企業のひみつ ―Spotifyで学んだソフトウェアづくりと働き方
デザインマネジメント研究の潮流2010-2019
エンジニアのためのマネジメントキャリアパス ―テックリードからCTOまでマネジメントスキル向上ガイド
エンジニアリングマネージャーのしごと ―チームが必要とするマネージャーになる方法
詳説デザインマネジメント ―組織論とマーケティング論からの探究 (デザインマネジメントシリーズ)
NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く
How Google Works: 私たちの働き方とマネジメント
※思いつくものは上記だがあらゆる本に影響されまくってる


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