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IQテスト(WAIS)の結果からゲームの適正・不適正を考える

WAISってなんぞや?


 先日私が受けたWAIS Ⅳ という知能検査の結果から、私が日夜明け暮れている様々なゲームの適正・不適正を考えてみることにした。
 本題に入る前に、知能検査ってどんなん?WAISって何?と言った方のために、その簡単な概要を示しておこう。

 知能検査とは、いわゆるIQと呼ばれるものを測定するもので、WAISはその一種である。WAISで測定できるIQは四つの項目に分かれており、その各項目ごとの偏りを調べることがこの検査の大きな目的である。項目ごとの偏りが大きければ大きいほど、その人の困りごとが大きくなるという傾向にあり、一部では30点差以上の偏りがあるとかなり日常生活に支障があると言われることも。
 ちなみにWikipediaよりIQの人口分布を記しておくと、IQ85ー115の間に人口の68%が収まり、IQ70ー85間とIQ115ー130間の割合は双方約14%である。

 WAISで測定できる四つの項目は、それぞれ以下の通りである。

①言語理解
 言語を理解・使用する能力や、情報を集めて概念化したり推理したりする能力のことである。
②作動記憶
 いわゆるワーキングメモリー。意味のないことや数字を短い間覚えている能力のことである。
③知覚推理
 視覚的・非言語的情報を理解・使用する能力のこと。空気を読む力や、状況を見て何をすれば良いのか判断する力に繋がる。
④処理速度
 字面の通り、物事を処理する速さのことである。視覚的なワーキングメモリーにも繋がる。

 私自身(ADHD・ASD診断済み)の受検時の感想を述べると、まあ言語理解はちょっとマズったけど知覚推理・処理速度はいけただろ〜、作動記憶は低そうだけど〜と言ったところだが、いざ実際の結果を聞くと、
言語理解130
作動記憶110
知覚推理85
処理速度85
であった。なんと全く逆である。
 凸項目の言語理解と凹項目の処理速度の点差はなんと45。ネット上の先人達の検査結果を色々見た感じ、このぐらいの点差の人もいるにはいるが「お前大変だな、、、」と言われる側の数値なので、自分もここまでの偏りがあることに正直驚きを隠せない。

 私が相対的に凸している言語理解・作動記憶の二つの項目は、現在では使われていない概念で表すと、言語性IQと呼ばれていたものである。相対的に凹の知覚推理・処理速度は同様に二つで動作性IQと呼ばれていた。
 この二つの概念はWAIS Ⅲ まで使われていたものであり、現在のWAIS Ⅳ では廃止されているのだが、私が典型的な言語性凸・動作性凹タイプなので便宜上以降の本文で使うことがあるかも知れないのでご注意願いたい。

 本題に入る前にもう一つ注意点があるのだが、実質的にはどんなゲームであっても4つの項目全てを多かれ少なかれ使用しているであろう事と、各考察は私のような能力に偏りのある人間の愚見であるという事は念頭に置いておいてほしい。

 それでは本題に入ろうと思う。最初に取り扱うゲームはこちら。

スプラトゥーン2

 私が現在最も時間を費やしているゲームである。発売から5年経つのになぜ今?と思う人もいるだろうが、なんせ来る2022年9月、スプラトゥーン3が発売されるのだ。それに向けて「一応2ではウデマエXだったんだけど〜」とか言いたいと言う邪な気持ちからだ、、、。という建前はさておき、個人的にADHDの処方薬・ストラテラの効果を実感してからスプラトゥーンがやりやすくなったと言うのが大きな理由である。(2で出来るだけ練習して3でいいスタートを切りたいという気持ちも当然あるが、、、)

 前置きが長くなったが、私がスプラトゥーンに特に関連すると考えるWAISの項目とその理由は、以下の通りである。(優先度で降順)
・知覚推理
 スプラトゥーンは味方4人、敵4人のチームで戦うゲームである。ルールは色々あれど、結局は4人の敵を倒して前線を上げるというのが勝利するために必要になってくる。
 なので、4人の敵の位置や武器、ギア、どちらを向いて何をしていたか、はたまた味方3人のそれらをよく理解することが必要になってくるが、それらは全て非言語的情報である。
 また、そもそもこのゲームはそのような状況理解と自分が何をすべきかの判断の連続であることから、この能力は必要不可欠と言っても良いだろう。マップの理解も重要になってくる。
・作動記憶
 上記のような敵味方の情報をマルチに覚えておくことが必要になってくる。
・処理速度
 アクション要素のあるゲーム全てに言えることだが、画面上の動きをよく見てタイミング良く操作し作業を行うことが必要である。
 次々に変わる戦局を素早く理解するのも重要である。

 ここまで書いて諸賢はお分かりだと思うが、私はおそらく非常にスプラトゥーンが向いていない。凹項目である知覚推理・処理速度のポイントは約85。一般平均よりも低く、そもそもアクションゲーム界隈はこの2項目に申し分ない人がマジョリティだろうという愚見からも、おそらく相対的に私のスプラ能力はかなり低い。

 しかし、私は言語理解の能力で知覚推理はかなり補うことができると考えている。具体的にどのようにするかと言うと、まずは出来るだけ多くの他人のプレイ動画を見て、それを一つずつ言語化し学習する。それを使い自身でプレイし、振り返り言語化しまた学習する。うまく言語化しきれない時は他人のプレイを見る。学習する。この繰り返しである。処理の遅さも、試行・学習の回数で殴る。
 私自身こうして地道にウデマエを上げている実感がある。(現在A帯)言語理解で殴って突破するのだ。そのために他人のプレイ動画を見る集中力が必要で、その集中力はストラテラの恩恵なので、いやはやストラテラに感謝と言ったところだ。

 次に取り上げるゲームはこちらである。

ヒット&ブロー

 複数の色の組み合わせとその場所を数回の試行で当てることを目的とするゲームで、一度の試行でいくつ場所と色どちらもが合っているか(HIT)いくつ色のみ合っているか(BLOW)が示される。いずれもどれが合っているかは示されない。なお、色では無く数字で行うものもある。
 私がこのゲームを知ったのはswitchソフト『世界のアソビ大全51』からである。一応対戦モードもあるが、私は専ら1人で黙々と遊んでいる。友達がいないので、、、
 私がこのゲームに関連すると思われる項目は次の通りである。(これまた降順)
・言語理解
 情報を概念化して推理するというのがこのゲームの本質であると推測できるので、この能力は必要不可欠だと考えている。
・作動記憶
 上記のような筋道を頭の中で覚えておくことが必要だからである。
・知覚推理
 この項目が凹である立場だから言えることだが、ヒットとブローの見間違えや入力し間違えのケアレスミスに気づけないことが足枷になることが個人的にとても多いので、この能力も一定以上は必要になってくると考えている。
 また、これは推測にすぎないが、知覚推理の能力が高い方なら目で見て直感的にパターンを認識し瞬時にこれがここである、これは含まれていない、と判別しこのゲームを遊んでいる方が一定数いるのではないだろうか。

 以上が特に必要だと考える3つだが、これは1人で黙々と遊ぶ場合に限り、対戦形式(どちらがより少ないターンで相手の数字を当てるか。こちらはスマホのアプリでプレイしている)になると話が変わってくると考える。
 対戦形式になると上記の項目の優先順位がまるっきり逆転し、一番上か二番目に処理速度が入ることになると感じている。というのも、私がプレイしているアプリの都合で申し訳ないが、1ターンが60秒しかないのである。処理速度が凹の私には短すぎる時間である。さらに、ただでさえ知覚推理の低さで一人でゆっくり遊ぶ時にもケアレスミス・見間違えが起こるのに、秒数制限までされてしまったらそれらが倍増するどころの話ではない。
 しかし、楽しくて何度もプレイしている内に手順を完全にパターン化し丸暗記したことで、この問題は解決することができた。ケアレスミスや見間違えも、数百回の試合による「勘」や「慣れ」でかなり少なくなった。
 ただし、やはり私の動作性IQがここまで低くなかったらもう少し早くレートが上がっていたのだろうと思うと惜しい気持ちはある。言語性優位者は時間をかけ学習することで様々な分野で動作性優位者に追いつくことができるだろうが、時というものは平等なのでいかんせんやるせない気持ちになることは否めない、ということを思い知った。

 次に取り上げるゲームはこちらだ。

大乱闘スマッシュブラザーズ(などの格ゲー)

 最初に断っておきたいのが、本来私はこのゲームを語れるような人間ではない。なんせプレイ時間が5時間である。ここに書かれている事は、なぜ私がたった5時間でスマブラを諦めたのか、の言い訳にすぎないことを念頭に置きこの先は読んでほしい。

 私がこのゲームと関連すると考える項目、もといどのような項目の低さを言い訳にこのゲームを諦めたかと言うと、
・処理速度
 とにかく追いつけない。全てが速すぎる。相手が何をしているのか自分が何をすればいいのか、マジでわからない。−1.5倍速ぐらいでやっと追いつけるかも分からない。攻撃を避けたり防御したりしつつこちらも攻撃すると言うことはわかるのだが。
・知覚推理
 言わずもがな。1から10まで、全てが非言語情報である。
・言語性凸、動作性凹にありがちな、頭で考えている事と実際の動きのズレ
 もはや項目でもないが、言語性優位諸君には説明しなくても何を言わんとしてるか分かるだろう。ジャンプしようとしてもなんか攻撃してるんだけど?Lボタンって何指?これとこれを同時に入力?どうやって?なんか変なとこ飛んでくんだけど?となっている間に試合は終わっているのだ。
 要するに最低限必要とされるキャラコン能力が個人的にかなり高いと感じた。

 以上である。このゲームの楽しさを知る前に、以上のことからCPUと戦ってファイターを解放している時点で諦めてしまった。
 このゲームも前述のスプラトゥーンと同じように、何度も試行し言語化し続ければできるようになるのかもしれないが、ゲームの本質と言えるであろう部分に自分はミスマッチすぎて、その過程で心が折れてしまいそうである。スプラトゥーンは大局的な戦略が面白くて続けられている自覚があるが、一対一の瞬間勝負である格闘ゲームを私が楽しむには相当苦労が必要であろう。
 一大タイトルであるし機会があれば私も楽しめるぐらいにはなりたいと思っているが、すっかりトラウマになってしまいなかなか踏み出すことが出来ないでいる。

 スマブラプレイヤーの皆様に床を突き破るほどの土下座をしつつ次のゲームに移りたいと思う。本当に申し訳ございません。
 お次のゲームはこちら。

ピクミン3

 こちらも私が多くの時間を費やしたゲームである。通常のストーリーも幾度もプレイしたが、特に私は、小さめのマップで果物や宝石などを出来るだけ素早く全て回収するという、お宝集めにどハマりしていた。

 このゲームに関連する項目を考えるのは多少難航したが、以下の通りに結論を出したいと思う。
・作動記憶
 各キャラクターに何をさせているかを覚えておいて操作キャラ切り替えの時間を調節したり、決定した個々の道順を覚えておいたり、どの場所にどれだけピクミンがいるか覚えておいたり、高い水準は必要ないと思うが何かと使用場面が多い。
・言語理解
 言語理解能力に関連される論理的思考で、系統立てて各キャラクターの行動を決定するのが必要になってくる。というかそこが面白くてこのゲームをやっていた。

 使用する項目は以上の通りだが、私がこのゲームを好きな理由はおそらく、処理速度が求められていないというところが非常に重要であろう。
 上記二つの項目をよく使うゲームでも、その使用する速さを求められては元も子もない。ピクミンでは各キャラクターの行動を考えている間はマップを開くことで実質無制限に時間を止めることができる。アクション要素がないわけでは無く、動作性IQとされる2項目が必要ないわけではないが、優先度が低いと言うだけでここまでやりやすくなるというのは驚きだ。

終わりに

 今回取り扱うゲームは以上である。4つのゲームについて関連する項目を考え、つくづく自分は言語性優位なんだなということを実感した。また、言語理解で殴れるものは殴れ、と言うことも思い知った。ただ、処理速度に関してはそれだけではどうにもならない面が大きい。同じようなことを前述した気がするが、時間は皆等しく平等なので、処理速度が低い=人より多くの時間が必要なのは大きなディスアドバンテージだと感じる。
 ピクミン3で自然にそうしていたように、自分の能力が劣っていて苦痛なことはなるべく避けて、強みを活かし健康に生きていたいものだ。そう、赤ピクミンが火に強く、青ピクミンが泳げるように。
 心なしかいい感じに着地した気がするのでこの辺で終わろうと思う。ここまでお付き合い頂きありがとうございました。

 余談だが、これを書きながらスプラが向いてないことを非常に実感しかなりモチベが下がったので、X帯の大御神の皆様の動画を見てモチベを上げようと思う。さもなくば私はサーモンラン廃人となってしまうだろう。
 必要なキャラコンなどはガチマッチとサーモンランでさほど違わない気がするのに、サーモンランの方がまだ出来る気がするのはなぜだろうか。この辺の違いもいずれ考えてみたいものである。


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