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本屋イトマイ「プリン全部のせ」/その体験から生まれたプリン柄

布・生地の通販サイトnunocotofabricさんより発売中のプリン柄生地「プリン・ホイップ・さくらんぼ」は、
可愛くて愛おしい、愛着を感じるテキスタイルがコンセプト。
ホイップとさくらんぼが、まるで幼子が跳び跳ねるように可愛らしく、
プリンの上にちょこんとのっかる様子を平面的に表現しました。

プリン・ホイップ・さくらんぼ(スカイグレー)

プリン柄制作にあたり参考にしました書籍、その名も「プリン本」(昭文社)。こちらはプリンを扱う都内の店舗を紹介したガイドブックです。
関西方面を対象とした「プリン本 大阪・京都・神戸」もあります。
どちらもプリンの表紙がとっても可愛いですよね。

プリン本(旺文社)

「本の情報だけでは得られない、
現場でのリアルな体験を生地のデザインに反映させねば!!」
と意を決してプリンの取材へ行くことにしました。
(美味しそうなプリン食べてみたい、というのが本音ですけどね!)

プリン本に掲載されていたお店から、チョイスさせていただいたのが
本屋イトマイ」です。なぜって以前から気になっていたブックカフェなのです。
こちらのSNSを一度目にすれば、
あなたもきっと足を踏み入れたくなるでしょう。
本1冊1冊への愛とこだわりを感じる入荷情報、
人気メニューの1つ・バスク風チーズケーキの焼き立て画像、
店内の写真からは観葉植物とモダンな椅子がちらほらと伺えます。
それに本と自分と、静かに向き合えるブックカフェ、
そんな空間ならプリンを奥深く観察できそうです。

到着しました。念願の「本屋イトマイ」です。
HPにも掲載されている階段。これかー!と喜びを噛みしめながら一段一段のぼっていきます。

階段をのぼり切ると右手に書店、左手に喫茶スペース。
画像で見ていた椅子は形も様々、木製のテーブルもなんだか見ているだけで心が安らぎます。耳心地の良いBGM、次第に心の喧騒が静まっていくのを感じます。

本と過ごす時間を尊重するかのように配慮されたスペース、
お席料は一律50円。1500円以上の飲食で席料は無しとなるそうです。
(詳細はこちら→How to use)
どこに座ろうか迷いつつも、少し次元の高そうな?ロフトスペースに身を投じることにしました。秘密基地に来たかのようです。

カフェスペースにも本が充実しています
クリームとさくらんぼがのったプリン「全部のせ」をお願いしました

口運びの良い柳宗理のスプーンが添えられたプリン全部のせ。
手をつけるのがもったいないほど、可愛らしくて品の良い形です。
鮮やかなさくらんぼの赤はまるで幼い子供のような愛らしさ。
ひょろっとした柄が宙を舞うかのよう、チャーミングな動きを感じます。

食べる前に描きます。絵も言葉もメモします。

「幼子のような」「ひょろっと」「宙を舞う」
いくつかのキーワードが導き出されたのち「もう食べても良いですよ」と
自分に許可を出して、はいそれではいただきます。
クリームもプリンも可愛いだけじゃない、しっかり者の印象です。
併せて注文した珈琲もこんなにたっぷり、これは来て良かった。
次回はチーズケーキを注文したい。

さてさてデザインの制作に入ります。
動きを持つさくらんぼの形、これはデザインの鍵となりそうです。
今一度観察するために、改めてスーパーでさくらんぼを購入し、
様々な角度からスケッチしてみます。

スケッチは自分が今まで気づかなかった価値観との出会いでもあります
こうして5種類の形ができました
全部のせプリンは幼子のイメージで、プチプリンチョコ(カバヤ)を参考にデフォルメしました
クリームはショートケーキのホイップを参考に、別途2種類の形をつくりました
それぞれの形をデータ上に配置します

本屋イトマイのプリンを前に感じた、幼子のような愛らしさを前提として、
ホイップとさくらんぼが、ホップ、ステップ、ジャンプと飛び跳ねて、
プリン全部のせになるよう、元気な気持ちでデザインしました。

プリン・ホイップ・さくらんぼ(フェアリーピンク)

本から得た情報、実際にその対象を見て感じたこと、発見したこと。
全ての過程はそのままデザインのエッセンスとなり、
色と形といった姿で現れ、生地のデザインへと織り成されることに、
私は面白さと同時に敬意を感じます。
出会うもの・人・出来事…全てが私のデザインの先生です。
本屋イトマイとプリン本、こちらに携わる皆さんが今回のデザインを導いてくださいました。ご縁に感謝申し上げます。

最後までお読みいただきありがとうございました。
これからも生活の中に存在する全ての事象が生地のデザインへと変化することをnoteを通して発信したいと思っております。
また次回のデザインでお会いできますように!

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