「猫男」
猫みたいな男と 付き合った
居座られたと いっていい
転がり込んできて、
三日居たと思ったら
五日は家を空ける
そんな だらし無さが
心地よいだなんて
夢追い人が好きだったハズが
彼は まるで夢の中の住人だ
「綺麗だよ。可愛いね。」
気持ちがいいとか 痛いとか
でも確かに私を 満たしてくれる
隙さえあれば
ふところに入るから
温かい
なにも伝える必要はなかった
一度だけ 我儘いった
崩してほしい と
いつも される側も 今日だけは
秋色の私の肌は もう
少しの火傷でも
簡単には修復しないけれど
それなりに手をかけてやれば
傷跡は目立たなくなるのよ
いつになく甘え、
私の名を呼んだ
死に際は見せない という
まさかね。
猫男
最後まで 心は見えなかった
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