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手のひらの恋【青ブラ文学部】

ずっと憧れている人がいた
近くに住む彼女は幼稚園から高校まで同じ学校だったから、よく一緒に過ごした

その彼女が幼稚園の頃「私大きくなったらアッくんのお嫁さんになるの」と言ってくれたのは覚えてないだろうな

彼女とはいうもののはっきり付き合ってるということはなく、本当に近しい異性の友人という位置付けだろうとなんとなく思ってた

高校卒業後は大学も就職先も別々になり、大学が遠いという理由で彼女は一人暮らしを始めたと近くに住む彼女のお母さんから聞かされた


接点がなくなっちゃったなぁ


それが今年、久し振りに年賀状が届いて新しい住所を知った

僕は懐かしさのあまり彼女に手紙を書いた
近況報告とともに幼稚園の頃の話を面白おかしく、最後に覚えてる?って書いて

数日後、彼女から返信が届いた


いつ迎えに来るのかなって
   ずっと待ってるんだけど


僕は手のひらの恋文を握りしめて急いで会いに行った

そこから先は言わなくても分かるよね

彼女と一緒になって来年で45年だそうだ
考えれば幼稚園入園前と大学時代と就職してからの数年以外はずっと一緒にいる

最近はよく飽きないねって笑い合ってるよ

どう 羨ましい?

このお話はフィクションです

青ブラ文学部 手のひらの恋に参加させていただきます
山根さま よろしくお願いいたします


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