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アタックスタート直前!親子対談!

本日はエクササイズ休養日。身体は休めつつ、明日から出発する山頂へのアタックに向けて気持ちを高めていきましょう。今日は、2013年の遠征を振り返った、三浦雄一郎・三浦豪太の親子対談をお楽しみください。

三浦豪太の遠征日記 −2013年5月15日−

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カメラバッテリー充電、酸素計算表作成、電気製品整理、パソコン 衛星アンテナパッキング、ダウンウェア修理、パルスドース用電池用意、栄養剤仕分け、手袋の紐付け、心電計用電池準備、パルスオキシメーター準備……。

以上が今朝起きたときに気づいた、今日出発前にやらなければいけないことのメモだ。これまでも準備をしていたので、おおむねアタック体制ができていると思ったが、以外に漏れていたことが多い。いろいろやらなければいけないことがある中でも、わがベースキャンプは大人気で訪問者が常に訪ねてくる。

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朝、ウエアの修理をしているとラッセル隊のガイド田村さんがやってきた。なんと彼は先ほどヘリコプターにてカトマンズから帰ってきたそうだ。先日、歯が急に痛くなった田村さんは、ちょうどラッセル隊のメンバーがヘリコプターをチャーターして降りるというので、それに乗りカトマンズの歯医者に行ってきたという。その後、ハイアットホテルに滞在し、プールサイド満喫&マッサージというセレブな3日間を過ごし、先日父のインタビューを行ったアルジャジーラがヘリコプターをチャーターして山から下りるというので、その迎え便に乗ってベースキャンプまで帰ってきたようだ。通常なら1万ドル以上する往復を結局タダで行き来したのだ。

昼食を食べ終わると、今度はアドベンチャーガイズの近藤さんとその御一行様、そしてさらに朝日新聞の近藤さんが来た。朝日の近藤さんは1週間以上前にルクラから歩きはじめ、今日ベースキャンプに到着した。彼はアドベンチャーガイズの近藤隊に身を寄せている。朝日の近藤さんは人一倍しゃべることで有名だ。その彼が、ルクラからここまで取材をしながらきたものの、日本人と話す機会がなく、ここにきてやっと日本語をしゃべれた嬉しさか、これまでに増してパワーアップしたしゃべりをしていた。近藤さんはここに来るあいだに、なんと僕達のライバルであるシェルチャンのガイド、ペンバドルジェと知り合う機会を得たという。これはちょうどいいということで、これから積極的にシェルチャンの動向を探ってもらうように頼んだ。

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朝日の近藤さん、アドベンチャーガイズの近藤さん、田村さんに加えて、わが隊の倉岡さん、貫田さん、お父さんや僕を交えて話は尽きなかったが、時計を見るとすでに午後4時だった。みんなとにこやかにさよならの手を振ったが、まだまだやり残していることがたくさんあった。とりあえず、時間のかかる充電関係を行いながら、リストを消化していくのだが、さらに大城先生とのメディカルミーティングや倉岡さんとの酸素確認を行わなければいけなかった。気が付いたら、日が暮れて夕食の時間である。どうにかテントの中で手袋に安全紐を通す程度の仕事を残してすべてやりきった。

今回でエベレストアタックは3回目。1度目は何もかも初めてで緊張しまくり、何が何だか分からないうちに始まってしまった。2度目はもともとチベット側からのアタックのはずが、北京五輪聖火騒動で国境が閉鎖。変更や延期に振り回されながらようやくスタートラインについた。そして今回はチームを新たにし、序盤の天候不順により多少の予定変更があったが、リズムよくここまで来れた。何より、チームみんな楽しい仲間達であり、みんなその道のプロばかりであり、その姿から学ぶことがとても多い。今回はいろいろ吸収しながら、着々と準備を進め、気が付いているとそれを楽しんでいる自分がいる。

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今回のエベレスト登山は。三浦雄一郎80歳のチャレンジである。これは人類史に残る挑戦となるだろう。僕はそのサポートとして精一杯のことをするつもりだが、それ以上のことをするつもりはない。自分にできることを全うすること。そのためには決して無理をしてはいけないということを前回学んだ。明日、頂上への長い道のりの第一歩を踏み出す。日本のみんなの思い、チームの思いを背負いながら、父と一緒に同じ景色を眺め、世界の最高峰に立てるよう着実に足を踏みしめていきたい。

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