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MIURA流 登山塾「ippo」

ミウラ・ドルフィンズでは鹿屋体育大学の山本正嘉教授をはじめ三浦雄一郎・豪太親子とともに、より快適に、より安全な登山を行うためのデータを測定し、登山者のための実践的なトレーニング方… もっと読む
毎週月・水・金曜日の12時に更新!このippoマガジンでは、科学的な根拠のあるMIURA流のトレー… もっと詳しく
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#ミウラドルフィンズ

バランスは着地面の状態で変化する

1. バランス力と年齢、着地面との関係若い頃と比べ、加齢とともに筋力が低下しますが、それ以上に加齢により低下してしまうのが、バランス力です。バランスを司るのは「視覚器」「体性感覚器」「筋紡錘感覚器」の3つの感覚器です。その感覚器が人間の重心のズレを感知し、補正しようと運動神経を介して筋肉に伝え、多くの筋肉でバランスを保っています。この能力は40歳を過ぎると急速に低下し、60歳になると20歳のときの30%くらいにまで低下してしまうと言われています。また、加齢とともに視覚でしかバ

呼吸筋のケアとトレーニング方法

1. 呼吸筋のケア 呼吸筋のストレッチを行う前に、筋をほぐすところから開始します。安静時も運動時も働いている肋間筋ですが、肋間筋はその名の通り、左右の肋骨の間にある筋です。肋骨は片側に12本ありますが、その全てに筋があるのです(呼吸筋のイラストはこちら)。肋間筋に沿って、指でほぐすことで筋肉の緊張が和らぎます(図1)。 ほぐした後は、呼吸筋を伸ばすストレッチを行いましょう。ボールなどを使うと、簡単に気持ちよく呼吸筋を伸ばすことができます(図2)。 2. 呼吸筋のトレーニン

競技スポーツを行なっていた頃

毎週月、水、金曜日に更新している、登山塾「ippo」。水曜日は私(安藤真由子)のトレーニングなどについてお伝えしています。最近、自分自身が行なってきたことについて、振り返るきっかけがありました。日頃から過去を振り返ることはよくあるのですが、登山のことや、仕事のことが中心でした。それが、今回の振り返りは、私が学生だった頃に自転車(ロードレース)を競技として行なっていた時のことについてでした。 私は鹿屋体育大学の自転車競技部に所属していて、ロードレースとトラックレース(3kmと

大活躍の呼吸筋

私たちが普段から無意識に行っている「呼吸」。しかし、呼吸を継続するためには呼吸筋が活動しているのをご存知でしょうか。登山を行うときだけでなく、日常生活さらには睡眠中にも働いている呼吸筋。そのトレーニングとケアをすると、パフォーマンスアップだけでなく、ストレス解消にもつながります。 1. 呼吸筋ってなに? 私たちは呼吸することによって、酸素を身体に取り入れ、二酸化炭素を体外に排出することで生活しています。呼吸は無意識で行っていることがほとんどですが、1日あたり何回くらい行って

自分の持久力トレーニングを見つけよう

前回、「私なり」の持久力トレーニングをお伝えしました。「え〜?こんなにできない(>_<)」「あれ?意外とできる(^^)」などそれぞれ感想があるだろうな、と思います。それぞれ、自分に合ったトレーニング法を見つけて行うことが重要なのですが、今回は様々な持久力トレーニングの紹介と、行う上で大切な「強さ(きつさ)」の基準をお伝えします。 1.トレーニングの強さ(きつさ)の指標持久力トレーニングを行う際に、その強度(きつさ)を決めることは重要なことです。持久力を決める要素は3つありま

持久力トレーニングの実践(安藤真由子編)

実際に、持久力を上げるためにどのようなトレーニングがあるでしょうか。今までも「トレーニングが大事」「目的を持ってトレーニングしましょう」とお伝えしてきましたが、実は私、計画を立ててトレーニングをすることはあまり得意ではありません(何を今さら・・・という感じですよね)。以前、旅行会社さん主催「登山のための体づくり」講習会で、参加されている方に「トレーニングというとどんなことを思い浮かべますか?」と聞いたことがあります。みなさんとても正直な方々で、「きつい、つらい、しんどい」と回

登山のペースを決める要因

同じルートを登っているのに、人と比べた時に“きつさ”が違うことってありますよね?Aさんは息も切れずにスタスタ登っているのに、自分は大汗をかきながらゼーゼー言いながら登っている。「あ〜、体力がないな・・・」と感じることがあると思います。登山中のトラブルを聞いたアンケートでも「のぼりでの息切れ」は回答の上位にありました。 そもそも、「体力」とか「持久力」とはどういうことなのでしょうか。今日は登山のペースを決める要因の一つである「持久力」についてお伝えします。 1.持久力ってな

登山中の筋肉の働き

1. 筋肉の動き方私たち人間の筋肉は約650個あり、そのうち約400個が運動に携わる筋肉と言われています。日常生活を送っている時も、平地を歩いている時も、山を歩いている時も、様々な筋肉が連動しながら動きを支えているのです。その筋肉は、大きく分けると3種類の動きがあります。 【筋肉の収縮様式】 短縮性収縮・・・筋肉が縮むことで力を出す  登山中の登りでの太ももの前面(大腿四頭筋)の動きが短縮性収縮 伸張性収縮・・・筋肉が伸びることで力を出す  登山中の下りでの太ももの前面

登山のためのトレーニング(安藤真由子の基準編)

前回、「トレーニングは、何のためにどこを鍛えているのかを意識して行うことが重要」だとお伝えしました(前回の記事はこちら)。私も登山を通してたくさんの景色を見たい、そして色々なルートからも登りたい、と思っています。そのために、何が重要かを私自身も考えてトレーニングを行うようにしています。今回は私の現状と目標、それに向けての私の取り組みについて、書いてみたいと思います。 登山の特徴は平地でのウォーキングと違い、登り下りのある不整地、そして時間は数時間〜数日にわたる縦走の場合もあ

トレーニングの原則

トレーニングを行う際は、「何のために、どこの部位を鍛えているのか」という意識が重要です。 “登山のためのトレーニングが知りたい!”と思っても、実際に、登山中の何を不安と思っているのか、どういう場面できついと感じるのか、を具体的に思い出し、そこを効果的にトレーニングすることが重要です!そう、まずは自分の弱点を知ることが大事なのです。弱点を知る方法は、先週までの「チェック」でもお伝えしましたが、今週はトレーニングの重要性と意識について改めてお伝えいたします。 【ポイント】 ①「

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山チカラチェック④腹筋力

今日は最後のチェック、体幹の筋力「腹筋」を調べていきましょう!登山では脚を上げる動作の連続のため、腹直筋の下部の筋力が必要となります。意外と知られていないのは、腹筋は登りに比べて下りの方がより優位に働くこと。体幹を安定させ姿勢を維持するために重要な筋です。急な下りの斜面や歩行速度が速くなると負担が増えますので、下りのスピードが気になる方は要チェック! 《必要な物》なし 《チェック方法》①仰向けで頭からお尻までを床につけ、脚を曲げた状態からスタートします。 ②両脚同時に伸ば

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ミウラ・ドルフィンズと私

私がミウラ・ドルフィンズに入社したのは2005年です。有名な登山家でもない私を、なぜ三浦雄一郎・豪太率いるミウラ・ドルフィンズの一員にしていただいたのか。それは出身大学である、鹿屋体育大学の山本正嘉先生の存在があります。 私は学生の頃、自転車競技(ロードレース)に取り組んでいました。長い時で1日200km、時間で言うと8時間ほど自転車の上にいる生活。(登山でもそれくらいの時間、歩くこともありますね!)それと同時に、身体の仕組みに興味があったので、運動生理学が専門だった山本正

新しい挑戦

こんにちは。ミウラ・ドルフィンズの安藤真由子です。MIURA流登山塾「ippo」のコラムとして、私の新しい挑戦も書いてみようかな、と思います。 今日、登山ガイド資格取得のための検定試験過去問題集や、ガイドの教本が届きました。そう、登山ガイド資格の取得を目標に頑張ってみようと決意しました。決意したのはこんなにコロナウイルスによって、生活が大きく変わってしまったのが影響している訳ではなくて、昨年末ぐらいから思っていたこと。そして年明けに決意しました。 山に関わる仕事をしている