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若手弁護士「ホンネ調査」Vol.9:“M&P新卒1期生”の74期がホンネで語る「三浦法律事務所」を選んだ理由とそれぞれの現在地(後編)

2019年創業の三浦法律事務所は2020年に新人弁護士採用を開始し、2022年に初の新卒となる74期が入所しました。以降、毎年継続して新人弁護士の採用活動を実施しています。

“三浦法律事務所の新卒1期生”として入所した74期5名も弁護士になって丸2年が経過しました。そんな5名の目には、当時の三浦法律事務所(以下、M&P)がどう映っていたのか、そして弁護士になって2年間、どのような選択をして今に至るのか、それぞれのホンネを聞きました。後編では、入所後に感じたM&Pの良さや弁護士になって経験してきたこと、そしてそれぞれが見据える少し先の将来について聞きました。

(左から)芝上 理弁護士、渡邊 隆之弁護士、新岡 美波弁護士、中村 朋暉弁護士、豊島 諒弁護士

――ここに入所2日目に撮った写真があるのですが、覚えていますか?2年前はやはりフレッシュで、やや緊張している感じがありますね(笑)

入所2日目に撮影した74期集合写真(2022年4月撮影)

中村:懐かしいですね!弁護士会に弁護士バッジを取りに行って、お昼を食べた後ですね(笑)。

新岡:私は、入所初日に豊島弁護士と初めて対面で会いました(笑)。入所前には、みんなそれぞれたまに対面で会ったりしていました。

――74期はコロナ禍での採用だったので、内定者懇親会をなかなか開催できずでしたよね。でも、74期は入所前から仲が良かった印象があります。

新岡:仲は良いと思います。内定者時代は月イチでオンライン飲み会をしていました。

渡邊:最近は予定も合わなくてなかなか集まれないですが、それでも年2回くらいは5人だけで集まっていますね。

新岡:最初は同期が私を除いて男性4人だったことが不安でしたけど、今では同期に恵まれたなと思っています。同期一人一人が個性的ではありながらよい性格であるというのもありますが、先輩弁護士が平等に接して育てようとしてくれる点も、同期同士が仲良くできている要因かなと思います。内部で競争してギスギスするのではなく、みんなで頑張ろう、という外に向けたエネルギーを感じるのがM&Pの良いところだと思います。これは74期だけではなく、75期、76期にも共通することかなと。

――新卒として入所した74期から見て、どんな人がM&Pに向いていると思いますか?

中村:コミュニケーションをとることを厭わない人じゃないでしょうか。性格が明るい・暗いとか、テンションが高い・低いの話ではなくて、仕事をする上でコミュニケーションをしっかりとれる人であることが大切だと思います。

仕事がうまくいっているときのコミュニケーションは問題なくても、ミスをしたときや、仕事がうまくいかないときにこそ、周りに助けを求めたり、報連相をしっかりしたりと、自分からコミュニケーションを取りに行く姿勢が大切だなと最近よく思いますし、未だに自分にも言い聞かせています。社会人として必要なスキルではありますが、新人のうちから広く深く仕事を任されて、新人でも仕事に支障が出ない範囲でリモートワークができるなど働く環境の自由を尊重してくれるM&Pでは、ことさらにコミュニケーションが重要になってくると思います。

――アソシエイトでも働く環境などが尊重されているという話が出ましたが、そこもM&Pの特徴でしょうか。

新岡 美波弁護士

新岡:私はリモートワークで働くことも多いですね。必要があれば週5で事務所に行きますが、作業中心の週は、週2~3くらいの頻度でリモートワークをする週もあります。女性は外出すること自体、化粧が手間であったり体調を理由に負担となることもありますので、集中して作業する場合はリモートワークできるとありがたいですよね。

芝上:私は毎日事務所に来たい派ですね(笑)。スーツを着て事務所に来ることで気持ちを仕事モードに切り替えられるので。あとは将来的に広島オフィスに異動すると東京オフィスの弁護士と対面で話す機会がどうしても減ってしまうので、それまではしっかりと対面で話し、お互いを知りたいなという思いもあります。

――M&Pは“コミュニケーション”を重視しているようですが、リモートワークだとコミュニケーションの頻度は減らないですか?

新岡:事務所にいるときと比べたら減るのは事実ですが、所内のコミュニケーションツールはTeamsを利用しているので、メールや電話よりも報連相のハードルは低いと思います。先輩弁護士もこまめにチャットで連絡をくれたりしますし、事務所のカルチャーとして、前置きなく話しかけたりしても嫌がられないということが分かってきたので、「ここ分からないな」と思ったら、すぐに自宅から電話で相談しています。普通は「先輩に今電話して大丈夫かな」とか躊躇することもあると思いますが、そうした変な遠慮をしなくていいところがM&Pだなと思います。

――採用面接や説明会では事務所のカルチャーや雰囲気に関する質問が多く出ますが、どんな事務所ですか?

豊島:一言でいうと、やはりコミュニケーションが多い事務所かなと思います。執務スペースはワンフロアで個室もなく、パーテーションも低いので、パートナーの席にアソシエイトが相談しに行くのは日常茶飯事ですし、そこから派生して雑談をすることも多いです。雑談も含めてコミュニケーションが多いからこそ、それぞれの性格や働き方のリズム、繁忙状況なども把握できますし、お互いのパーソナリティを理解しているからこそ、仕事もスムーズに進められます。この規模でこのようなカルチャーを維持している事務所はあまりないのではないかなと思います。

――入所してからの教育や研修制度は、1期生のみなさんのときの内容をベースに毎年改良されていると思いますが、当時はどうでしたか。

入所してすぐに実施される導入研修の様子(2022年4月撮影)

豊島:今も基本的には変わっていませんが、5日に分けて導入的な研修があり、その後はOJTとなります。個人的には座学よりも実際に案件に入って経験を積む方が効果的だと感じているので、今でも私はこのスタイルに賛成です。

中村:座学では、訴訟担当の弁護士から「訴訟の心得」に関する話をしてもらって、「勝てば官軍負ければ賊軍」という言葉が印象に残っています。入所してすぐに入った訴訟案件の尋問が先日あったのですが、尋問の前にこのときの資料をもう一度読み直しましたね。

――どれくらいの時期に最初の案件が割り振られるのでしょう?また、突然案件に投入されて、右も左もわからないと思いますが、一歩目はどう踏み出しましたか?

豊島:74期はゴールデンウィーク直前に入所して、ゴールデンウィーク明けには案件が待っていました(笑)。私が初めて入った案件は、その年の賞レースで受賞した案件だったので、思い出深いです。一歩目は、とにかく一緒に入っている先輩弁護士に逐一聞きながらですね。先輩の席に直接聞きに行ったり、画面共有をしてもらいながらリサーチの仕方を教わったり、本当に手取り足取りイチから教えてもらいました。短い研修でいきなり案件に入るのは不安でしたが、近い期の先輩が親身になって教えてくれたので、乗り切ることができました。

――この2年、色々な仕事に携わったと思いますが、印象に残ったものはありますか?案件自体でも良いですし、仕事をするうえで印象に残った出来事でもいいですし。

中村 朋暉弁護士

中村:大きくて緊急度の高い案件に入ったときに、三浦弁護士はじめ、パートナー陣がフルスロットルで手を動かしている様子を間近で見れたことはすごく勉強になりました。クライアントに対する回答の内容や、緊急案件における決断の速さなどは本当に学びが多かったです。あとは、膨大にあるタスクをどう割り振ってどう対応するかなどを学べたことも大きな財産になっています。それに加えて、1年生でもリサーチや議事録作成だけではなく、本質的な仕事にも参加させてもらえるところがこの事務所の良さですね。

渡邊:私はとある案件で何十人もの人にヒアリングをしたことが印象に残っています。こういった案件の若手の仕事といえば、膨大な量の会議調整や議事録作成に追われることになりがちです。しかし、案件の立ち上げから全体の方針決めにも深く関与できましたし、もちろんパートナーに相談しながらではありますが、議事録作成にとどまらず、ヒアリングや処理の判断まで一貫して責任をもって担当することができました。当時はまだ社会に出たばかりでしたが、それまでなかなか出会わないような年齢や役職の高い方と対峙する機会も多く、弁護士としての胆力も付いたような気がします。信頼を受けて成果を出すことに集中できる環境はありがたいと思っています。

新岡:私は、パートナーと一緒にセミナーの講師を務めた案件が印象に残っています。セミナー自体は録画だったのでうまく話せなければやり直せるとはいえ、かなり念入りに準備をして、事前にパートナーの前で練習させてもらったりして臨みました。入所当時の自分を思えばセミナーの講師なんて無理だと思っていたのですが、セミナーが終わった後は、少しだけ自分の成長を感じられて。それを何度も繰り返すことで、弁護士として成長していくのだなと思いました。

――次の2年、こうしていきたい、こうありたい、といった目標はありますか?

豊島:私はM&Aを柱にしたいと考えているので、M&Aの経験をさらに増やし、留学にも行きたいと考えています。

中村:私も留学志望です!

渡邊:私は留学にも興味がありますし、独禁法をより強い柱にしたいので公正取引委員会への出向に行きたいなと思っています。

新岡:私はあらゆる可能性をこの2~3年で考えていきたいですが、留学、官公庁への出向だけでなく、企業への出向にも興味があります。企業の担当者の方の目線を持てるようになりたいなと最近考えることがよくあるので。

芝上:私はおそらく広島オフィスに異動していると思うので、いよいよ地元で働けることを楽しみにしています。今のところ、事務所から「東京の案件もやれ」とか、何か方針を強制されることはなく、自分の考えや思いを尊重してもらえると思ってはいますが、現在携わっている案件は最後までやり切りたいので広島に行っても引き続き担当しつつも、広島の案件にもかかわっていければと思います。私の最終的な目標としては、広島全体の法的支援体制の向上に少しでも貢献するというところですので、クライアントに対してクオリティの高いサービスを提供し続けることはもちろんのこと、他にも法教育などにも携わって、将来的な法曹関係者の育成に尽力できたらと思います。

INTERVIEW & TEXT:YU HIRAKAWA
PHOTO:SHUHEI SHINE

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