見出し画像

若手弁護士「ホンネ調査」Vol.7:若手リクルーター5人が語る「三浦法律事務所のリクルート活動最前線」

2019年創業の三浦法律事務所は2020年に新人弁護士採用を開始し、2022年に初の新卒となる74期が入所しました。以降、毎年継続して新人弁護士の採用活動を実施しています。今年からはサマー・プログラムをはじめとする、”本採用前に三浦法律事務所を知ってもらうためのイベント”を本格的に始動させました。

三浦法律事務所は全員が一丸となって物事に取り組むことを重視している事務所です。何事においてもパートナーが全てを決めるわけではなく、アソシエイトやスタッフを巻き込み、全体で議論しながら方針を決めていきます。このカルチャーは採用活動の場においても同様で、リクルート活動に関心のあるアソシエイトはイベントの企画から応募者の選考作業に至るまで、パートナーと同じ土俵で議論し、主体的に運営に携わります。

年間を通じて何らかのイベントが発生するリクルート活動は、弁護士業と両立するにはかなり骨の折れる仕事です。それでも率先してリクルート活動に関わるのは、ひとえに「法律事務所にとって”人”は原動力であり財産だから」

今回は、そんな思いを持った若手リクルーターに三浦法律事務所の採用活動について聞きました。

(左から)金井 悠太弁護士(72期)、渡辺 駿弁護士(73期)、岩崎 啓太弁護士(72期)、小味 真人弁護士(70期)、所 悠人弁護士(70期)

ーー三浦法律事務所(以下、M&P)では、選考プロセスはもちろん、リクルート活動の方針決めや企画会議など、希望するアソシエイトには一貫して関与してもらう点が他事務所との大きな違いですよね。自分たちで考えて決めていくのは大変ではないですか。

金井 悠太弁護士(以下、金井):大変な側面もありますが、アソシエイトだからこそ発揮できる価値があると思って頑張っています。
本選考においては応募いただいた皆さまの人生における重要な局面に関わることになり、また、説明会・インターンシップなど本採用前の情報収集の段階で参加される皆さまにも学生時代の貴重な時間を割いていただくことになるので、お会いする皆さまにとって少しでも意味のある時間になればよいなと思っています。最近まで就活生だったアソシエイトの声を取りこみ、情報や感覚を常にアップデートしていくことによって、より参加される方の思いに寄り添ったリクルート活動ができると考えており、この意味でアソシエイトが発揮できる価値はたくさんあると感じています。

小味 真人弁護士(以下、小味):リクルート活動にアソシエイトが関与する事務所は多いですが、サマー・プログラムなどの企画立案、書類選考や最終的なオファー対象者の選考にアソシエイトが積極的に関与する事務所は少ないように思います。パートナーが若手弁護士の意見を積極的に取り入れてくれるので、若手弁護士が積極的に意見を出しやすい雰囲気が当事務所の特徴ですね。就活時代にいろいろな事務所を見てきており、出身事務所もさまざまなので、自分たちの経験を踏まえて、応募者目線に立ったより良いプログラムを作っていきたいと若手の間でよく話しています。

ーーリクルート活動で特に大変だと感じることはありますか。

所 悠人弁護士(以下、所):うれしい悲鳴なんですが、大量のエントリーシートを読むのは大変ですね(笑)。

渡辺 駿弁護士(以下、渡辺):一般的なエントリーシートだと、どうしても応募者の個性が出にくいものとなっていました。そのような問題意識から、今年のサマー・プログラムではエントリーシートに少し変わった設問を取り入れ、応募者の個性をより引き出せるような内容にしてみました。そうしたところ、バラエティに富んだ回答が出てきて、1つずつ楽しみながら読ませてもらっていますが、みなさん力作を送ってきてくれるので、その分読む時間も増えました。自己PR動画を提出してくれた人もいましたよね。

渡辺 駿弁護士(73期)

岩崎 啓太弁護士(以下、岩崎):個性が書類からも伝わってきたので、実際にその人とお会いした際に話すネタやきっかけが格段に増えた気がします。

ーーみなさんは採用活動にあたり、応募者のどんな点を評価し、どんな人に来てほしいと思いますか。

岩崎:私は「自分の考えを自分の言葉で伝えられる人」、この点にかなり比重を置いています。奇をてらった内容である必要は全くなく、内容自体はありきたりでもいいので、そのとき投げられたボールをしっかり受け取って、自分の頭で考えて、その人ならではの言葉で返してくれる人だと、一緒に働いてみたいなと思います。
また、一緒に仕事をする人は、人生の時間の多くを一緒に過ごす人でもあります。なので、お互い刺激し合える関係を築きたいですし、「平日の大半をM&Pのメンバーと一緒に過ごしてもいいな」と思ってもらえる人にうちを選んでほしいですね。

小味:私は、弁護士の仕事を楽しいと思える人、色々なことに興味関心がある好奇心旺盛な人などがいいですね。弁護士になるまでに、相応の労力を要しますので、時間を掛けた分、弁護士として色んな世界を見て、自分が好きなことをみつけて、人生を楽しんでほしいです。自分がこの人と一緒に働いて楽しそうかという点も重視しています。

小味 真人弁護士(70期)

渡辺:私は、その人がこれまでにどのように物事に夢中になって取り組んで来られたのかを知りたいと思っています。どんなに些細なことでも、その人が現在熱中していること、これまでに熱中してきた体験というのは、必ずその人の糧になっているはずです。
普段執務にあたっていると、難しい問題や誰も考えたことのない問題を前にすることがたくさんあると思いますが、そのようなときでも夢中になって、楽しんで取り組んでいただけるような方であれば、一緒に仕事をしていて楽しいと思いますし、強い事務所を作っていく仲間として頼もしいなと思いますね。

所:私は、後輩であっても自分が尊敬できる人と一緒に働きたいと思っているので、尊敬できるエピソードを持っている方や、聞いていてワクワクするような経験をしてきた人を高く評価します。

金井:私個人としては、人に対して思いやりがあるか、利他性があるか、組織の中でリーダーシップをとれるか、といった点に着目している気がします。
もちろんダイバーシティの重視が大前提にあるため、これらの点が必須とは思っていませんが、組織が今まさに作り上げられている段階であること、今あるカルチャーが今後も根付いていく可能性があることを踏まえると、周りの人や組織に対して思いやりを持てる人に入っていただきたいという思いは強いです。

ーーみなさんがM&Pに入ってよかったと感じていることは何かありますか。

所:たくさんあるのですが、特にいいなと感じているのはカルチャーですね。例えばこれは自分が子育てをしているから感じることですが、男女ともに子育てに理解があるところがうれしいです。
子どもの送迎の関係では、出勤・退勤時間について理解を得られる環境がありますし、子どもが突然体調を崩してしまい帰宅しなければいけないこともありますが、案件に携わっているチーム全体、事務所全体の問題としてとらえ、助け合うカルチャーがあるので、とても助けられています。ここまで理解のある事務所は珍しいのではないでしょうか。

所 悠人弁護士(70期)

渡辺:私は事務所としてアソシエイトの個人案件の受任を推奨する体制が整備されている点が成長につながると感じています。それも、「やりたかったらどうぞ」という放任主義ではなく、自分が主担当として対応しながら、必要があればパートナー弁護士にサポートしてもらい、M&Pとしてトップクオリティーのサービスをクライアントに提供できる体制になっています。
個人案件を受任する機会があっても、自分の専門分野とは異なる案件であれば受任をためらってしまいますが、M&Pにはどの分野にもその分野を専門とするパートナーが在籍しているので、そのようなパートナーの力を借りながら、前面に立って案件に取り組むことができます。今ではこの経験が自分の力になっているなと感じています。

岩崎:これは事務所案件においても感じることですが、M&Pでは若手が案件の前面に立つことをチーム全体でサポートしてくれます。このような事務所は経験上あまり多くないかなと思いますが、他方で、前に出してもらっても一人で放り出されれば、それはそれで不安しかありません。
その点、M&Pではパートナーや先輩弁護士が横でしっかりサポートしてくれるので、勇気をもって前面に立つことに挑戦できます。若手がどの程度前に出ることができて、先輩がどれくらいそれをサポートしてくれるのかというバランスがM&Pは非常に良いと感じます。

ーーみなさんがM&Pの採用活動に携わって印象的だったエピソードを教えてください。

 小味:弁護士からの認知度は上がってきており、中途採用の応募数は年々増えているのですが、学生からはM&Pのことを知っている人はまだまだ少ないと言われたことが印象的でした。まだ設立4年目なので当然ではあるのですが、事務所に関する発信を積極的に行い、事務所のことを知ってもらう機会を増やし、安心して参画できる事務所なんだということをもっと周知していきたいですね。

岩崎:私は応募者から、やりたいことや目標がまだ定まっていない中で、M&Pの一員になれるのか不安だと言われたことが印象的でした。たしかに積極性や自主性、その人が「何を達成したいのか」ということを大切にしたいと思っていますが、応募者は社会人経験がない学生が大半ですから、やりたいことが定まっていない人もいると思いますし、それが決してマイナスなわけでもないなと思いました。そういう人を合わないとみなしてしまうのは多様性の観点からよくないですし。

岩崎 啓太弁護士(72期)

所:目標に対する熱意や、事務所に対する思いを重視しすぎるところはたしかにあるかもしれないですね。悩んだり迷ったりしながらも、頑張る意思や熱意があるのであれば評価してきたいですね。

渡辺:私は弁護士になってから2年目にM&Pに移籍しましたが、その時点では明確な目標は定まっていませんでした。しかし移籍後、さまざまな分野の案件に取り組む中で、自分の強みをより発揮できそうな分野が見えてきて、まずはその道を極めたいなと思うようになりました。
個人的には、やりたいことや目標は弁護士になってから見えること、感じることによって変わってくると思うので、そこまで重要視していません。実際に私も、就職活動をしていた時期と今とで言っていることが全く違います(笑)。M&Pには本当にいろんな弁護士がいるので、入所してからさまざまな弁護士と仕事をして、理想の弁護士像を描いていけばいいのではないかと思います。

金井:具体的なエピソードとは異なりますが、74期(2022年就職の世代)の弁護士がリクルート活動に参加してくれたことには大きなインパクトがありました。
さきほどの話で、最近まで就活生だった世代の声について言及しましたが、72期の私にとって就活が「最近」ではなくなりつつあり、74期の弁護士のフレッシュな意見が大変参考になる場面が沢山ありました。リクルート活動が負担にならないよう先輩弁護士が配慮しつつ、1年目の弁護士に忌憚のない意見をいってもらえるような仕組みを今後も継続できればよいなと思っています。

金井 悠太弁護士(72期)

ーー採用活動は弁護士業務と両立しなければいけないので決して「ラクな仕事」ではないですし、上から強制される仕事でもないわけですが、なぜ採用活動に関与しようと思ったのでしょうか。

渡辺:採用においてミスマッチが生じることは、応募者と事務所、双方にとって不幸なことで、可能な限りそのようなことが生じないようにする必要があります。そのためには、双方ができるだけお互いのことを知った上で納得できる決断ができるようなリクルート活動のプロセスを作ることが重要になります。私は比較的、就活をしていたのが最近なのでその重要性を身に染みて感じており、ここは自分が力になれるポイントではないかと思い、リクルート活動に関与しています。

所:法律事務所は人がすべてなので、どんな人を採用するかという決定に関わることができるのは、大きなやりがいだと思っています。そして、自分がM&Pに転職して感じているM&Pの良さを、リクルートを通して伝えていきたいです。 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?