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3つの好きな映画|たまにはタイトルで選んでみる?[チョコレートドーナツ、ピーナッツバター、カフェ・ド・フロール]編

“やすい” より “たい”

食べやすい より 食べたい
行きやすい より 行きたい

人の心をつかむには、欲望に火をつける

どこかで見かけた言葉だったと思うんだけど、その通りだよなぁ、と。便利だったり、機能的だったり、合理的だったり、「理性」に働きかけることも重要だけど、人々を一瞬で惹きつけるのはやっぱり「感情」。

映画を選ぶ時にも、まず目にするのはタイトル。そこに機能性も、合理性も必要ない。ただ、一瞬で惹きつけ、心動かされる“コトバ”がそこにあるかどうか、だけ。

なので、たまには“タイトル”で映画を選んでみる?という話。


ちなみに、ジャケットで映画を選ぶならこちら


個人的には好きだけど、、、

例えばビジネスの場面。

感情」は「理性」の主張にすぐ負ける。意思決定の理由が説明できるのは「理性」だから。根拠は?理由は?といった議論になった時に、「だって“いい”と感じたんだもん」と言う主張は、とても弱い。。

でも、「誰もが悪くない」という判断を積み重ねたところで、出来上がるものは結局「誰も良いと思わない」だったりする。

みんな言う。『個人的には好きだけど…』

その素直な気持ちに応えたい。

橋本夕紀夫 設計のチョコ専門店ROZILLAは感性に訴えかける、とてもいいところ


スイーツではなく、ダウン症

チョコレートドーナツ
ピーナッツバター
カフェ・ド・フロール

なんだか口の中が甘くなってしまうけど、すべて歴とした映画のタイトル。でも、タイトルから想像できることと、映画の中身は全然違う、というパターン。

3つともダウン症に関する物語

タイトルの意味がわからなければ観客が減るかもしれない。
もう少し映画の内容が伝わるタイトルがいいのではないか。

タイトルを決める時に、いろんな人にいろいろ言われたんじゃないかと、勝手に想像できるほど、タイトルだけではわけがわからない。

それでも、映画を見れば納得のタイトル。
とてもいい、これしかないと思えるタイトル。

スイートでビターなダウン症に関する傑作映画 3選。


チョコレートドーナツ|2014

実話から生まれた魂を震わす物語

育児放棄されたダウン症の少年と、ゲイカップルがひょんなことから一緒に暮らすことになる。時代は1979年、ゲイであることの差別と偏見がありながらも、奇跡的な出会いが深い愛情で結ばれていく。

心にぽっかりと空いた穴が、愛で満たされていく
(ドーナツだけに、、)

少年が大好きなドーナッツをタイトルとして、まったくタイトルからは想像できないストーリー。そして、幸せな時間はそう長くは続かない、、、さて、どうなるか?


ザ・ピーナッツバター・ファルコン|2019

ひとつの夢が奇跡を起こす

擁護施設を脱走したダウン症の青年と、孤独に暮らす漁師のロードムービー。青年の目的はプロレス養成学校に行き、レスラーになること。ひょんなことから漁師と出会い、逃亡の旅に出る。

携帯も車のなく、移動手段は徒歩か、ボートか、いかだのみ。そんな光景がなんとものどかで、幻想的。その上、ダウン症であることを殊更取り上げる映画でもない。あくまでも、青年と漁師の友情物語。

友達とは、自分で選べる家族だ

映画の中の印象的な言葉。でも、映画タイトルは、旅の途中になけなしのお金で購入したピーナッツバター

その理由は、映画を観てからのお楽しみということで、、、


カフェ・ド・フロール|2011

時代を越えて紡がれる親子の絆と男女の愛の物語

過去と現在、2つの物語が同時進行する

1969年のパリに生きたダウン症の息子をもつ母親と、現代のモントリオールに生きる人気DJが、時を超え惹かれあう。

映画のタイトルは、映画で流れる音楽

1969年パリでも、現代のモントリオールでも流れる音楽。一見、何の接点もないはずの二つの物語は、ひとつの楽曲をキーに時空を超え、やがてひとつになる。


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