誰とともに同じ時間を共有するか。
自分にとっては、数年ぶりだが、悪い麻雀仲間にとっては30年ぶり。そんな友人から先週水曜日メールが突然届いた。
相談したいことがあるから、電話が欲しい。
普段は、何のやり取りもしなくて、COVID19のおかげで今年会うこともなかなか実現しなかった友人からの相談事。
なんだろう?
俺がそんなに豊かじゃないことを知っているから、金の話ではないだろう。じゃ、仕事か?いや、俺の仕事を詳しく知っているはずであれば、まるで仕事はマッチしないこともわかるだろう。
ん?アイツとけんかしたか?それとも子育ての相談?離婚の仕方?
とりあえず、電話してみた。
「あ、突然ごめん。急遽、息子の進学の関係で大学の下見に週末にそっち行くことにしたんだけど、ゴルフ一緒にできないか⁇」
なになになに?そういうこと?
「相談」なんて、書いてくるもんだから。。
この年になると相談なんて言葉の中身は、たいていろくなことがない。そして俺もまともなときには使わない。
そこで、もう一人の友人に連絡を電話をし、(もちろん、相談があるんだけど。。。って切り出す。)、無理やりヤツの仕事を休ませ、週末のゴルフ場の予約をしてもらい、再会の日を迎えた。
ゴルフはそこそこやるが、好きではない。自分にとってコスパが悪いのだ。うまくならないし。練習も好きじゃない。「努力は裏切らないっていうけど、簡単に裏切るよ。」といったのはダルビッシュか?
若い時にその言葉を聞いていたら、ここまでずるずるとゴルフはしなかったよ。
当日。まるで遠足の日の低学年の子供の様に、無駄に早くめがさめた。朝の2時30分。
これから控えている長丁場を考えると少しでも休んでおきたい。だが、眠れない。
仕方がないから朝風呂にゆっくり入ることにした。ここでトラブル発生。近所で大火事が発生したからだろうか?数分の停電に見舞われた。
突如、湯沸かし器の電源が切れ、冷たいシャワーを浴びることになったひどい朝を経て、友人が迎えに来た。
突然の誘いに、昔話も重ねながらのクレームも交え、道中からゴルフは楽しく、最後は地元のアイスクリームをごちそうして握手をして別れた。
突然の相談を持ち掛けた友人からLINEが入る。
「こんなに笑ったゴルフははじめてだ。スコアはいつも通りだったけど。またくるよ。」
そう。おれはゴルフが嫌いではなかったのだ。つまらない相手がいやだっただけだった。考えてみるとずっと気を使い、勝手に決められた時間に言いなりになり、どうでもいいアドバイスをうけ、右へ左へ駆けずり回る。そんなゴルフ。楽しいわけがない。
食事もそう。どんなに高級な店に行っても、味を覚えていないときがある。素晴らしいサービスをうけても、店の名前すら覚えないときもある。
残念な店だったとしても、そのときいた人が心が許せる間柄で、その時の会話、相手の笑顔や仕草まで、そして残念なことすら楽しい思い出になることだってある。
あたりまえのこと。その時に誰と過ごしているか。
いつまでも、長く長く生きて、いろんなこと見てみたい。体験してみたいと思うつもりでも、たぶん無理だろう。
年齢的には折り返した人生。つまらない時間は少しだけでも減らしたい。
心地よい相手と一緒に過ごす時を大切に積み重ねたい。
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