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2021東大物理対策シリーズ 問題演習39

受験生の皆さま、こんにちは。2020年12月24日(木曜日)、本日も私と一緒に物理を勉強する楽しいお時間がやってまいりました。
本日はクリスマスイブ🎅ですがそんなどーでもいいことに浮かれているようでは申し訳ないけどお話になりません。n数増えるだけです。


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≪問題演習39≫

【教材】問題と私のオリジナル解答例です。


【出典】
1979年度 共通一次試験(本試験)


【テーマ】
① 力学(弾性力による位置エネルギー、運動量保存則、エネルギー保存則、動摩擦力による仕事、はねかえりの式)
② 波動(音波干渉、ドップラー効果)
③ 電気(電位、クーロン力)


【コメント】
2021年度入試から大学入学共通テストが新たに施行されます。東大では共通テストの配点比率が低いので共通テスト対策を疎かにしている人もいるかもしれませんが、共通テストの点数がアレですと精神衛生上極めてよろしくありませんのでそれなりの点数確保は必要です(理一志望なら目標は9割)。

大学入試におけるマーク式試験の原点は1979年1月に施行された共通一次試験です。全国一斉のマーク式試験の導入にあたっては当時相当揉めたようですが見切り発車されました。そのため当然のごとく課題は噴出しまして、その課題解決を目的として1990年1月にセンター試験に姿を変えました。これで丸く収まったかといえば実はそうでもなく、センター試験にも様々な課題がありました(皆さまご承知の通り)。そんなわけで2021年1月から心機一転、共通テストに再度姿を変える運びとなりました。歴史は繰り返すものです。

というわけで今回は1979年1月施行の第1回共通一次試験(本試験)の問題を演習して頂くことにしました。第1回共通テストの対策には第1回共通一次試験の問題を検討しておくことが有用と考えたからです。歴史は繰り返すものです。(※ 大事なことなので2回言いました)

近年のセンター試験の過去問に触れている方ならすぐに気づきますように、第1回共通一次試験の問題量は極めて少ないです(全3題、60分)。しかし安心してはいけません。問題量が少ないということは1問あたりの配点が高いのでケアレスミスが即詰みとなる諸刃の剣です。

今回の演習を通してマーク式試験での1問の重みを痛感して頂ければ幸いです。60分と時間をしっかり測って真剣勝負で挑んでみてください。


■ Ⅰについて
【問1】
ばねの弾性エネルギー1/2・k・a^2の知識問題です。問題文にも書かれていますように「ばねの弾性エネルギー」のことを「ばねの弾性力による位置エネルギー」とも言います。「ばねの弾性力による位置エネルギー」と言うほうが本質的なのですが「ばねの弾性エネルギー」のほうで慣れ親しんでいる人のほうが多いようでして、これが位置エネルギーであることを知らない人もかなりいるようです。困ったものです。


【問2】
運動量保存則とエネルギー保存則の連立です。
問題構成(Aの速さvA、Bの運動量の大きさpBと定義している)から忖度して、解答例ではBの速さvBとして運動量保存則を立式しました。この問ではBは明らかに左向きに動くので速さvBとしてもいいとは思います。しかし一般的には符号含めて速度として立式するほうが汎用性があります。
ちなみに本問でBの速度vBとして運動量保存則を立式するのであれば、
0=mAvA+mBvB、vB<0
となります。運動量保存則の立式においては速度(速度成分)を未知数として立式することが基本ですので留意しておきましょう(→【問5】へ続く)。


【問3】
解答例で示したようにpB=mBvBから求めてもいいですし、別解として運動量保存則から pB=mAvA として求めてもいいでしょう。


【問4】
エネルギーの原理:力学的エネルギー変化=非保存力がした仕事
を適用します。動摩擦力がした仕事は負となります。


【問5】
この問では改めて左向きを正と設定したほうが分かりやすいです。運動量保存則の立式においてvB'およびvc'は速さではなく速度でおきます。
衝突後においてCは左向きに動く(vc'>0)のは明らかですが、Bは左右どちら向きに動くのか不明です。実際、mB、mC、eの大小関係でBは左向きにも右向きにも動き得ます。ですので速さvB'とおくのはナンセンスです。

はねかえりの式はいろいろな表現の仕方があるために迷う人も多いようですが、分母を払った形で書くのがおすすめです。すなわち
(衝突後の相対速度)=-e・(衝突前の相対速度)   
となります。
相対速度はどちらからどちらを引いても構いませんが、衝突前後で揃える必要はあります。
はねかえりの式の分数形の表現はおすすめしません。計算過程で分母を払うことになって結局は二度手間になるだけですし、計算ミスや符号ミスもしやすいです。


■ ⅡAについて
【問1】
二つの音波の位相が一致するので強め合います。


【問2】
干渉条件は
強め合う条件:経路差=半波長の偶数倍 (波長の整数倍)
弱め合う条件:経路差=半波長の奇数倍

ですので、Pでは S2P-S1P=λ (1波長) です。
このとき位相差は2πとなります。


【問3】
Qでも強め合っているのでd=λ、波の基本式v=fλよりv=fdとなります。
よってv/dを作ればf(振動数)とわかります。


■ ⅡBについて
ドップラー効果の問題ですが、音源の振動数f0が不明ですので皆さまおなじみの f=V-u/V-v・f0 だけでは処理できません。脳みそを使ってよく考える必要があります。意味も考えずに脳死で f=V-u/V-v・f 0 のみを丸暗記していた輩どもは散っていただく運命となります。合掌🙏。


【問1】
まずは音源の振動数f0を出しておくと便宜です。壁が受ける振動数fを求めて、次に壁を振動数fの音源と考えます。


【問2】
こちらも壁を振動数fの音源と考えます。部屋の中の音速がv2であることに注意です。


【問3】
問1と同じです。音源が動くと波長が変化します。


■ Ⅲについて
【問1】
電荷の大きさが同じで符号が逆、電荷の位置はy軸対称です。非常にシンプルな状況です。④の図(等電位線)の3Dイメージを瞬時に思い浮かべることができればしめたものです。


【問2】
電位が最も高い点を考えます。問1で選んだ④の図で考えればすぐにわかります。(1,0)で電位が最も高くなります。


【問3】
クーロン力 f=k・qq'/r^2 は世界の常識です。


【問4】
横着せずにベクトル図を描いて考えましょう。横着するとケアレスミスをしでかします。


【問5】
図形的考察も交えながら合力Fの大きさを計算します。


■ 総評
1979年度 第1回共通一次試験(本試験)の問題を演習して頂きました。全3題、60分です。問題量が少ないからこそ1問あたりの配点が大きく、ケアレスミスが許されない状況です。近年のセンター試験のように問題量が多すぎるのも辛いですが、逆に少なすぎるのも怖いです。

Ⅰは問5ができなかった人は多いでしょう。立式にあたって符号をどのようにするかで悩んでしまって時間が過ぎていき焦ってしまって詰むパターンが多いです。
ⅡAは全問正解がデフォルトです。
ⅡBは公式丸暗記主義者は音源の振動数f0が分からずに頭が真っ白になって散ったはずです。
Ⅲは全問正解がデフォルトです。

差が付いた問題はやはりⅡBのドップラー効果の問題でしょう。ドップラー効果は公式丸暗記主義者が多いので試験では常に狙われます。
今回ドップラー効果の問題が出来なかった人はこれが最後の機会と考えてしっかりと復習しておいてください。



🌟 2020/12/26 追記🌟
第1回共通一次試験 追試験 もアップしました。



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