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物理標問 1日1題 標問6

🐬2022/05/22(日) 更新しました(解答例PDF追加、記事全面リファイン)🐬

受験生の皆さまこんにちは。2020年8月7日(金曜日)、本日も物理標問 1日1題のお時間がやってまいりました。本日は標問6となります。


✅ 当ページはnote記事によるオンライン指導「物理標問1日1題シリーズ」のコンテンツページとなります。標問1~標問10は記事見本として無償としています。
✅ 物理標問1日1題シリーズは全ての記事を改訂していく予定です(全問題に対して私のオリジナル解答例PDF追加、記事全面リファイン)。

⚠️ ご利用を考えていらっしゃる方は必ず親御さんとよくご相談ください。
⚠️ ご不明な点などございましたらご遠慮なくお問い合わせください。

🌟 シリーズと謳っておりますが、ご利用方法は皆さまの完全な自由です。
・ペースメーカーとして最初からすべて通して利用する
・興味のある特定テーマだけを利用する
・気になる問題だけを利用する
といったように、さまざまなご利用方法がございます。


【はじめに】

当連載を楽しむにあたっては物理標問六訂版が必須です。まだの方はこちらからご購入ください。重要問題が厳選された素晴らしい問題集です。


【標問6】

【教材】私のオリジナル解答例です

🌟 入試問題原題に対する解答例ですので設問番号が標問の番号とは異なっていることをご了承ください(適宜読み替えてください)。


✅ 教材は印刷してコクヨフラットファイルにファイリングしていってください。物理標問の特別解答集が徐々に出来上がっていきます!


■ 出典について
2004年度(前期) 東京大学 第1問 です。


■ 出題テーマについて
「斜面を滑りおりる三角台上の物体の運動」です。昔からよく出題されている古典的有名問題です。
今回の東大の問題では三角台の上にBさん(勝手に擬人化)が乗っていますが、Bさんと三角台との間に体重計が挟み込まれている設定となっているものもございます。機会があれば後日取り扱いますが今回は割愛します。

🌟 2020/9/15 追記
下記note記事で取り扱いましたのでご参考ください。


■ Ⅰ(1)について
AとBを一体と考えます。

問題文でx軸とy軸が明確に定義されているので力のつり合いの式はx方向とy方向で立てました。

もちろん斜面方向で立てても構いません。
その場合は
(m+M)g/√2=F/√2 ∴ F=(m+M)g
となります。
🌟 垂直抗力Nが入ってこないので斜面方向で立てた方が簡単ではありますが、基本に忠実に、x方向とy方向でも立てられるようにしておきましょう。


■ Ⅰ(2)について
Bはx方向に力を受けないので真下に落ちていきます。y=dです。思考実験をすればすぐに分かります。


■ Ⅰ(3)について
① 運動方程式を立ててシコシコ計算する方法
② 保存則(今回はエネルギー保存則)を用いてサラッと処理する方法
の2通りの方針が思い浮かびます。

どちらの方針でもいいですが、時間追跡等を要求されない限りは保存則を用いて解いた方が一般的にはラクです。

束縛条件よりBの速さがvのときのAの速さは√2vであることが分かります。詳細は補足資料をご参考ください。


■ Ⅱ(1)について
AとBを一体と考えます。

問題文でx軸とy軸が明確に定義されているので運動方程式はx方向とy方向で立てました(Ⅰ(1)と同じです)。

もちろん斜面方向で立てても構いません。詳細は補足資料をご参考ください。
🌟 垂直抗力Nが入ってこないので斜面方向で立てた方が簡単ではありますが、基本に忠実に、x方向とy方向でも立てられるようにしておきましょう。


■ Ⅱ(2)について
すべらない条件です。

等号は入れても入れなくてもどちらでもよいですが、
受験定説(=多数派)は
一物体の場合: f≦μNのように等号を入れる
二物体以上が絡む場合: f<μNのように等号を入れない

となっておりますので、二物体が絡む本問において、解答例では受験定説に従って等号は入れずに「f<μN'」としておきました。
また、問題文の「μがある値μ0より大きければBはA上面を滑り出さず」という言い回しからも、本問の作題者はすべらない条件として等号を入れずに考えていることも読み取れます。
🌟 そうはいっても等号を入れて「f≦μN'」としても構いません。どちらでもよいです。
🌟 一物体の場合とは、床の上に物体Aが1個置かれている場合などです。
🌟 二物体以上が絡む場合とは、床の上に物体Aが置かれておりその物体Aの上に物体Bが置かれている場合などです。
🌟 東大物理では一物体の場合でも二物体以上が絡む場合でも等号を入れない立場で作題されていることが多いですが、いつもそうなっているとも限らず、二物体以上が絡む場合で等号を入れる立場で作題されていることもあります。
🌟 つまり結局は「一物体の場合でも二物体以上が絡む場合でも等号は入れても入れなくてもどちらでもよい」となります。状況に応じて便宜な立場をとればよいですし、問題文から作題者の意向を都度忖度してそれに従ってもよいでしょう。
🌟 あるいはもうこの際「一物体でも二物体以上が絡む場合でも等号は入れる!」と統一的に覚えてしまってもよいでしょう。


等号を入れるか入れないかどちらが正しいかについて必要以上に固執する人が非常に多いですので最後にもう一度だけ申し上げておきます。
等号は入れても入れなくてもどちらでもよいです。
等号の議論には意味がないというのが物理描像に合った正しい考え方です。
悩むくらいならとりあえずどんな場合でも等号は入れておけばよいです。


<結論>
等号は入れても入れなくてもどちらでもよい(どちらも正解として採点される)。迷うくらいなら受験定説に従っておけばよい。
🌟 郷に入れば郷に従え
🌟 赤信号🚥 みんなで渡れば 怖くない

あるいは等号を入れるか入れないかでゴチャゴチャと悩むくらいなら
「すべらない条件は一物体でも二物体以上が絡む場合でも等号を入れる」
と統一的に覚えてしまっておけばよい。
つまり結局のところ、
「そんなのどっちでもよい。悩むくらいなら等号を入れておけば問題ない」
です。


■ Ⅱ(3)について
Q1~Q2はx方向y方向ともに初速0の等加速度運動なのでBの軌跡は直線です。
Q2~Q3はx方向は等速運動、y方向は等加速度運動なのでBの軌跡は放物線です。
よってグラフは(イ)となります。


■ 総評
斜面を滑りおりる三角台上の物体の運動の問題でした。よく見かける古典的有名問題です。特に難しいところもありません。本当に分かっている人であれば普通に満点取れたはずです。

《今回の演習を通して学んで頂きたいポイント及びアクションプラン》
① 少なくともおうちでの演習では図を描いて考えるようにする。
② 束縛条件を書き下せるようにする。
③ 力をx成分とy成分に分解してそれぞれの方向で運動方程式を立てられるようにする。
④ 摩擦力(静止摩擦力、動摩擦力)の向きを正確に判断できるようにする。
⑤ すべらない条件はf≦μN。(
🌟 等号を入れるか入れないかでゴチャゴチャと悩むくらいなら「すべらない条件は等号を入れる」と統一的に覚えてしまっておけばよいでしょう)



今回の記事は以上となります。
ご意見・ご感想・ご要望等ございましたら、noteの「クリエイターへのお問い合わせ」からお願いします。今後の記事改善の参考にさせて頂きます。

このたびは当記事をご支援頂きまして誠にありがとうございました。

ー 物理標問 1日1題 6日目 完 ー


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