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変身!


うちの義母はフルーツ好きだ。梨もリンゴもその他何でも箱で買う。そして我が家にもお裾分けしてくれる。貰い物も多い。この辺りは田舎なので、自宅でフルーツを作って出荷している人も少なくない。出荷できない、ちょっとキズがあるものや形の悪いものをいただくことも結構ある。幸せなことに、私は自分でスーパーでフルーツを買うということがほとんど無い。おみかんくらいか。桃もぶどうもいただき物で充分だ。フルーツの短所は個体差があること。同じスーパーで買った同じフルーツでも、美味しいものとそうでもないものが混ざっている。「だからフルーツは苦手」と言う人もいる。我が家の場合はほぼ貰い物なので、そんな贅沢は言わない。不味けりゃそっとゴミ箱に入れるだけだ。


先日も義母がリンゴを沢山くれた。どれもちょっと形が変だったり、打ち身みたいなのがあったりしたが、悪い所は切って捨てれば良い。食べたら普通に美味しい。ただ、我が家はフルーツの消費量がそれほど多くない。リンゴだったら一日一個。沢山あると日にちが経って美味しくなくなる。そこで職場で仲の良い女性にリンゴをあげた。


この辺りは田舎なので(本日2回目の田舎アピール)家で作った野菜を、家では食べきれないからと職場に持って来て「よかったらどうぞ」といわれて貰って帰ることも少なくない。野菜って、一度にどんどん出来てしまうから困るって。ありがたく頂戴すると、くれた人の方が「貰ってくれてありがとう」と喜ぶ。いえいえこちらこそ、だ。


そんな中、やっぱりフルーツは喜ばれる。リンゴをあげた人もすごく喜んでくれて、次の日になんと、私があげたリンゴを使ってリンゴのマフィンを焼いてきてくれた。マフィンの上にはミッキーマウスの型抜きをしたリンゴがのっていた。可愛い。大体私にはそういう発想がない。ただ切ってそのまま食べるのみ。だからリンゴを持て余してしまう。こんな風にマフィンにしたりジャムにしたりすれば貰ったリンゴも無駄にならないなぁ、とその時は思うのだが、なかなか実行するのは難しい。


そういえば、何年か前に自宅で獲れたキンカンを、それこそ持て余して職場に持ってきた人がいた。キンカン。ナマでそのまま食べれなくはないが、何しろ種が多い。喜んで持って帰る人も少ない。私は、せっかく持って来てくれたのに残ってしまうのは申し訳なく思い、残りを全部いただいて帰った。さぁ、どうする。キンカンといえば‥そう、甘露煮を作った。もう、ホントに大変だった。キンカンに切れ目を入れて竹串で種を出し、アクを取りながら茹で、お砂糖や蜂蜜を加えて煮る。特に種を取り除く作業は泣きそうだった。でも、キッチンが柑橘系の匂いでいっぱいになってちょっとだけ幸せな気持ちになった。


翌日職場へ甘露煮を持って行って、皆に「よかったらどうぞ」と配って周った。皆喜んでくれた。「美味しいから、もう一つ食べても良いですか?」なんて言われたら、種取りの苦労も吹っ飛ぶ。とは言うものの、「もう、これ大変だったんだから」と私の苦労話を話して聞かせることは忘れなかったけどね。

家で持て余した物でも、ちょっとだけ手を加えてあげると皆に喜ばれる物に変身する。自然の恵みをいただきます!


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