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シャーロックが溢れてる


世界中で愛され、世界中で映像化され、世界中で演じられているキャラクター、それがシャーロック・ホームズだ。正直言うと、原作小説を読んだことはない。それなのに名前を聞くだけでなんだかワクワクしてしまうのは何故だろう。

そもそもシャーロック・ホームズってどんな人?
私の個人的なイメージだけど、外見は背が高くて細身、パイプをくわえて長いコートを着ている。女性が嫌いで自分の知識をひけらかしがち、とにかく推理が得意。初めて会った人でもその服装や癖、手の形や靴の傷み方などの小さな情報からその人となりを言い当てる。辛辣なもの言いは人付き合いが苦手な人のそれ、素直じゃないし空気も読めないし、他者への配慮なんてものは無い。エキセントリックなイメージ。いや、拗らせてるイメージ。
これ、実はある映像化作品のシャーロックのイメージ。私の中のシャーロックはいつも『SHERLOCK』(BBC)のベネディクト・カンバーバッチだ。

一時期娘2人が家を出てマンション暮らしをしていた。不動産屋さんでその部屋に決めた時、マンションの玄関ドアロックの番号を聞いて家族全員歓喜した。


4869



一見覚えにくそうな番号だけどよぅく見て語呂合わせして読んでみて。

4869→シヤロク→シャーロック

ね。これなら絶対忘れない。


少し前Netflixでアニメを観るのにハマっていた。いろいろ観てたらいろいろおすすめが出てきて、マッチ度90%以上なら間違いない。そんな中『アンデッドガール・マーダーファルス』というアニメに出会った。原作は『ノッキンオン・ロックドドア』『地雷グリコ』の青崎有吾さん。主人公は少女探偵なのだけど、なんとこの子は生首なの。体を盗まれてそれを取り返すためにヨーロッパへ旅する。生首は鳥籠に入れられて、それを持ち運ぶのはメイドの格好をしたアシスタントと、人間と鬼のハーフという男。まあとにかく設定が不思議すぎる。その旅の途中に出会うのが吸血鬼男爵だったりアルセーヌ・ルパンだったり、オペラ座のファントムだったり。小説やエンタメ界の有名人がわんさか出てくる。そしてイギリスでついにシャーロック・ホームズが登場。もちろんワトソンもレストレード警部も、シャーロックの兄マイクロフトまで登場してものすごく得した気分だった。


森見登美彦さんの新作、タイトルはズバリ『シャーロック・ホームズの凱旋』。森見さんらしく、舞台はロンドンではなく京都。住んでるのはベイカー街ではなく、“寺町221B”。それでも街中には辻馬車が走り、男性はシルクハットにパイプを咥えてる。レストレード警部の勤め先は京都府警と書いて、スコットランドヤードと読ませる設定。いやいや面白すぎるでしょ。こちらにはアイリーン・アドラーや、モリアーティ教授、大家のハドソン夫人やワトソンの奥さん・メアリまで登場。
凱旋っていうからには“帰ってくる”わけで、それは“スランプからの復活”なのだけど、拗らせ方がハンパ無かった。それでも森見さんのシャーロック愛、というよりワトソン愛?とにかく愛が溢れていた。ワトソンなくしてシャーロックなし。それをあのシャーロックに言われ感無量になってるワトソン先生が可愛いすぎた。


同僚が神戸に遊びに行ったお土産をくれた。神戸にまつわる絵がプリントされたクッキー。“うろこの家”、“メリケンパーク”、神戸を一周できるバス“シティーループ”などのデザインの中に見つけたシャーロック(トップ画像)。別に不思議ではない。北野の英国館にはシャーロックの部屋が再現されているのだから。


でも今回のように予期せぬタイミングでこんな感じに、私の日常生活にシャーロックがちょいちょい絡んでくる。


そんなわけで、先週末は随分前に録画していた映画『シャーロック・ホームズ シャドウゲーム』を観賞した。ドラマ観賞で時間を取られがちな私が、休日にポッカリ時間が出来てしまったので思い出したように観た。全くもう、シャーロックはいつ誰が演じても頭が切れてセクシーで、ちょっとムカつく。





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