敬老の日を祝われる

先週末、長女一家が泊まりかげでやって来た。あ、そうか、世の中は連休だからね。連休にジジババの所に遊びに行こうかって人、多いよね。遠くに住んでて普段はなかなか顔を見に行けないからって、連休くらいはゆっくり帰ろうかなって、そりゃなるよね。

‥って、おいおい。
長女は我が家から歩いて行けるとこに住んでるし、普段も何かと行き来してるからわざわざ泊まりに来なくてもいいのに。泊まりに来るとなると、まず、食事を提供しなきゃだし、夜寝るお布団の準備もしなきゃだし。お布団は出すだけじゃなくて昼間のうちにちょっと干しておきたいし、お掃除だって何でもお口に入れるお孫ちゃんが来るからいつもより念入りに。

「あーあ、もう、大変。食事はいいけど泊まりはちょっと面倒くさいんだけど‥」
「あ、別にそっちが泊まるなって言うなら泊まらなくてもいいんだけど」

だって？
うーん、そう言われると「あ、そう？ラッキー」とかじゃなくて、なんだかやっぱり泊まって欲しい、みたいな気持ちになるんだよね。結局はりきって朝からお掃除しちゃったさ。あーあ、暑いし面倒くさいし、もう嫌になる。一人でカリカリしちゃってさ。そんなにストレスなんだったら断わりゃ良かったじゃん。とは言うものの、‥‥


「いらっしゃーーい！」

お孫ちゃんがやって来た。パパとママが、
「ほら、おじいちゃんとおばあちゃんに渡して」
とお孫ちゃんを促してる。お孫ちゃんはそんなことには全く興味がないので、いつも遊んでる部屋へ一目散。

「〇〇（お孫ちゃん）からプレゼントがあるよ」と長女。
「え？！何かもらえるの？！」嬉しい。ママから渡されたのは画用紙で作った、鶴の絵のメダルと、亀の絵のメダル。おじいちゃんとおばあちゃんに一つずつってことらしい。

トップ画像は亀、こちらは鶴

「敬老の日だから。子ども園で作ったみたいよ」
もちろんお孫ちゃんが一人で作れるわけがない。よく見ると鶴や亀の胴体がお孫ちゃんの手形になってた。お孫ちゃんの手に絵の具を塗ってここに手形を押させる。それだけの作業がどんだけ大変だったか、私は想像して、保育士さんたちのお仕事の大変さを想う。さぞ大変だったでしょう。ありがとうございます。しかもこれ、パパの実家の分もあるって。お気遣いいただきありがとうございます。


え、待って待って。何のプレゼントかと思ったら、そっか、今日は敬老の日だったんだね。自分にはあんまり関係ないと思ってたけど、いつの間にか私、敬老の日にお祝いされる側になっちゃってたんだね。そっか、そっか。敬老の日だから皆で来てくれたのか。え、違う？ママが飲み会で遅くなるから、パパとお孫ちゃんのご飯を食べさせてほしいってことなの？寝かしつけ役はパパだけど、朝はいつも5時すぎから起きて、朝ごはん食べるんだって？早っ。辛つらっ。
お昼寝をあんまりしてなかったから夜は思ってたよりすんなり寝たみたい。いつもはママが寝かしつけの係だけどママがいなくても大丈夫だった。パパ、お手柄だね。

翌朝6時半に起きたらお孫ちゃんはとっくに朝ごはんを済ませて遊んでた。私が起きたら「やっと起きたか。じゃ、交代ね」と、ママは二度寝に突入。そうだね、昨日は夜帰るのが遅かったからね。寝不足だよね‥っておい。私が迎えに行きましたけど。眠いのは私もなんですけど。

お孫ちゃん、元気だね。もしかしてお外で遊びたいかな？頼まれてもないのに、ちょっとだけお外で遊ばせて来ようか？なんて口が勝手に言っちゃった。そんなにお孫ちゃんに好かれたいのか？どんだけサービスするつもりだ？

パパが「え、良いんですか？」いいの、いいの。お孫ちゃんが喜んでくれるのなら。頑張ってみるよ。我が家の、狭い狭い植え込みの砂で砂遊び。前より上手にスコップが使えてる。たったこれっぽっちの砂でもお孫ちゃんにとっては恰好の遊び場。砂を掘ったり投げたりご機嫌だ。時計を見るとまだ朝の7時半。こりゃ１日が長いぞ。お向かいの旦那さんが表に出て来て毎朝のルーティン、お庭の水やりを始めた。お孫ちゃんに見つかったらお水を触りたがるかも。それは避けたい。だってお孫ちゃん、着替えを持って来てないらしい。遊び始めた時はまだ少し涼しかったけど、だんだん陽が照りだして、あぁ、喉が渇いた。ちょっとのつもりだったから飲み物も用意せずに、あぁ、私としたことが。あぁ、お茶飲みたい。お孫ちゃんにも飲ませたい。でもお孫ちゃんが植え込みから離れてくれないよ。ちょっとだけなら良いかとか言ってお孫ちゃんを一人で置いとくわけにはいかん。何があっても目と手を離すわけにはいかん。嫌がるお孫ちゃんを抱きかかえて玄関から叫ぶ。「喉かわいたーお茶とってーー」

お孫ちゃんと一緒にゴクゴク喉を鳴らす。子守りは重労働だ。毎日やってるママを少し休ませてあげたい。そう思って頑張ったけどもうこっちが倒れそう。もうこのままお家の中で遊んで欲しい。すかさずお孫ちゃんのお気に入りの物を並べて気を逸らす。

はあ、朝から疲れた。張り切っちゃって、頑張りすぎだってば。でもま、いっか。皆が喜んでくれたみたいだから。

お布団を片付けなきゃいけない、なんてことはまた後で考えよう。