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わたしが美顔器を買ったわけ


ある日突然旦那さんの兄嫁さんから電話がかかってきた。


「みとんさーん、明日ヒマ?一緒に行きたい所があるんだけど。良い事があるのよー」

   
‥怪しい。一緒に行きたい?良い事?何だ何だ?何事だ?「えーと..何処に?」「エステよ、エステ!無料で体験できるんよ。この前私もやってもらったんだけど、すごく気持ち良かったから一緒に行こう、行こう。お昼寝すぎに迎えに行くわ」なるほど、エステ。しかしエステには良い思い出が無かった。

以前記事に書いたが、私は若い時ニキビに悩まされていた。そんな時、同級生がエステサロンに就職した。施術の練習も兼ねてお友達を連れて来て体験させてあげて、と言われたらしく私に白羽の矢が立った。ニキビを治したいという弱味があったので断れず仕事帰りにサロンに行った。てっきり同級生が施術するものと思っていたが、行くとベテランっぽいエスティシャンが現れ、同級生は傍で見守るスタイル。嫌な予感‥。案の定施術後に言われた。

「出来るだけ日にちを空けずに続けたほうが良いよ。うちのサロンは来られたお客様に使うお化粧品はお客様がキープされた物を使わせていただくというシステムです。貴方のお手入れには、コレとコレと、あとコレもあったほうが良い‥」

‥やられた。今日お試しで使った化粧品も私専用としてキープされた。何点かのお化粧品と何回分かの施術料総額20万ほど。ローンを組んだ。結局効果が出る前に行くのは辞めた。そんな経験があったので、兄嫁からの誘いに私は警戒心剥き出しで、それでもちょっと好奇心もあって行ってみることにした。兄嫁と一緒なら万が一の場合も断り易い。断る気満々だった。

兄嫁が連れて行ってくれたのは、ホームエステのサロンだった。ホームエステとは、「美顔器を購入して毎日自宅で自分でお手入れする」というもの。施術してくださる方はとても感じの良い方で、3回無料で体験して、気に入ったら購入、気に入らなければ断ってください、と言われた。私は付け入る隙を与えまいと終始仏頂面をしていた。

するとその方に言われた。「大丈夫ですよ。お姉様もいらっしゃるし、無理に押し付けたりはしませんから」バレた。ちょっと恥ずかしい‥。しかしここで心を許すわけにはいかぬ。

お手入れそのものはとても気持ちが良かった。お家で毎日3分、それだけ。私は3回フルに無料体験した。3回目に兄嫁が言った。「私は良いと思ったから買ったけど、みとんさんは要らないと思ったら断ればいいからね。気を使わなくていいから。」兄嫁はこれを既に買ったのか。兄嫁とは4歳の年齢差がある。今はまだ若い分だけ私のほうが肌はキレイだけど、これから美顔器を使う兄嫁と使わない私、何年か後に兄嫁のほうが若くてキレイになっているかも知れない。

お姉さんだけキレイになったらイヤだ!
私が美顔器の購入を決意した理由だ。

あれから10何年。我が家のダイニングにドドンと置かれた美顔器。毎日のお手入れは‥出来ていない。それでも、ここぞという時、同窓会の前とか娘の結婚式の前とか、そういう時には1週間ほど前から美顔器が活躍する。それだけでもやるとやらないでは肌の調子が大きく違う。

だったら毎日やったら?なのだが家にあるというだけで、いつでもやろうと思えば出来るというだけで、何故か安心してしまうのだった。



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