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家族の呼び名


私の家(実家)では、家族を呼ぶ時、お父さん、お母さん、おじいちゃん、おばあちゃん以外は名前で呼んでいた。私は長女だが、兄弟の誰からも“お姉ちゃん”と呼ばれた事が無い。ずっと名前にちゃん付けで呼ばれていた。逆に私も、妹や弟のことを呼び捨てにはせず、○○ちゃん、○○くんとちゃん付け、くん付けで呼んでいた。私が小さい頃は、父の弟や妹、つまり私の叔父や叔母にあたる人も同居していたが、私はその人たちのことをおじさん、おばさんなんて呼んだ事は無く、やはり○○ちゃん、○○さんと名前で呼んでいたのだ。おかしなもので、大人になって叔父に会った時に、(私はその人をちゃん付けで呼んでいたのだが)何となく呼びづらくて、初めて“おじちゃん”て呼んでみた。慣れないためか、何故かちょっと呼ぶのが恥ずかしかったことを思い出す。


結婚して私には初めて兄と姉(ちゃまの兄と兄嫁)が出来て、普通にお兄さん、お姉さんと呼んでいる。甥っ子たちに初めて会った時には私はまだ結婚前の若いお姉さんだったので、“みとん姉ちゃん”と名前に姉ちゃんを付けて呼ばれるようになり、それは今も続いている。ちゃまは甥っ子たちからは“おっちゃん”と呼ばれるのに対し、私は“(お)姉ちゃん”。これに関してはいつもいじられる。義母なんかは、「もう姉ちゃんじゃなく、おばちゃんでしょう」と言うのだが、甥っ子たちは長年呼び慣れた呼び方を変えずにいてくれる。ありがたいことだ。


その義母は、家族からは“○○ばあちゃん”と、名前にばあちゃんを付けて呼ばれる。何故、ただのばあちゃんじゃないのかと言うと、かつて家には義母の母親、つまり甥っ子からしたらひいばあちゃん、ちゃまからしたらおばあちゃんがいた。その人との区別で、義母は名前にばあちゃん、その母親である人は“ちいばあちゃん”と呼ばれていた。ちいばあちゃんと言うと、若い、小さい、というイメージなので、本来なら曽祖母ではなく義母がちいばあちゃんでも良いはずだが、義母は大柄、曽祖母は小柄だったため、見た目から曽祖母が“ちいばあちゃん”と呼ばれるようになったらしい。私の弟が結婚した時に、そのお嫁さんになった人から私は人生で初めて“お姉さん”と呼ばれた。私は弟や妹が生まれた時からずっとお姉さんだったけど、そう呼ばれた事が無くて、耳慣れない“お姉さん”という呼び方がとてもこそばゆかった。


さて、今年の秋、私はいよいよおばあちゃんになるらしい。うちの旦那さんは家族から“ちゃま”と呼ばれていて、それは旦那ちゃまであり、お父ちゃまであり、おじいちゃまでも通用するから、きっと孫からも“ちゃま”と呼ばれる事になるのではないかと思っている。だったら私はなんと呼ばせるか?ちゃまがちゃまで、私だけがおばあちゃんだなんて、許せない。私は今、その呼び方、いや呼ばせ方を模索中である。



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