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言葉で私にささやかな幸せを


人から言って欲しい言葉、これ言われたら嬉しいっていうやつ、こういうの考える時って大体安直なことしか言えない私。「可愛い」とか「若い」とか。あ、そうそう、私は動物占いでいうと“ネアカな狼”で狼グループの人っていうのは「変わってるね」と言われたら喜ぶ、らしい。変わってるねが正解かどうかは個人差があると思うけど、人と同じはイヤかも。


長女の結婚式当日、長女の職場の方から言われた言葉、

世界一面白いお母さん、上手に子育てしましたね

これは嬉しかった。私のことと長女のこと、一気に両方を褒めてくれている。“世界一面白い”の部分も、なかなか気に入っている。結婚式の中で私が世界一面白いお母さんだという設定がなされ、それを使ってくださったわけだが、なかなかおいしい。


バレンタインデーに同僚男性にチョコをあげた。といっても、逆に気を使われない程度の気軽なモノにしたくて、素敵なパッケージに入ってるようなチョコではなく、無印良品の袋入りのトリュフチョコレート。長女が「これ美味しいよ」と教えてくれて一つもらって食べたらホントに美味しかったから、自分が美味しいと思ったものを誰かにプレゼントするのは正解だと思ってそれにした。翌日その人からお礼を言われた。


「昨日のチョコ、めちゃくちゃ美味しかったです。」
「でしょ、でしょ。あれ、ホントに美味しいのよ」
「ホントうまかったです。あれ、どこに売ってるんですか?」
「無印良品だけど」
「あーやっぱり無印良品まで行かないと買えないんですね。いや、一つ食べて『うまっ』ってなって、で、娘も食べて『うまっ』ってなって、そのまま袋ごと何処かに持って行かれてしまって」
「あ、取られたんだ」
「そうなんですよ。だから買いたくて。そっか、無印良品なんですね」


私は無印良品の回し者ではないけれど、褒められて嬉しかった。やっぱりみとんさんは美味しいモノをよく知ってますね、って思ってもらえたかなってとこが私のプライドをくすぐったのだ。無印良品よ、ありがとう。


年明けにかつての同僚からLINEが来た。彼女とは“スキなもの”が似ていて、私がスキなもののどこをどう好きかを語るのが好きで、彼女のスキなものの話を聞くのも好きで、とにかく彼女と話すのがとても楽しかった。彼女は私の娘でもおかしくないような若い人で、友達と呼ぶのはおこがましいような年齢差だったけど、私にとってはスキの同志だった。だけど、彼女が転職をしたので同僚ではなくなって、たまにものすごくスキなドラマや本のことをLINEしたりして、年に一度か二度くらいご飯を食べに行ったりもして、でもやっぱりそれもコロナ禍も手伝ってだんだん疎遠になっていった。その彼女から先月、今臨月で里帰りをしていますーとLINEが来た。昨年の年明けに私からLINEをした時に、実は入籍しましたと聞いて驚いた。連絡してみて良かったと思った。彼女もどうやら私に知らせるタイミングを模索していたようで、伝えることが出来て良かったと言ってくれた。そして今年は妊娠の報告。後日、無事産まれましたの連絡をもらい、私はお祝いを送った。包みだけでは味気ないので手紙を添えて送った。毎年年明けに幸せのお裾分けをありがとう、と手紙に書いた。


数日後お礼のLINEが来た。そしてそこに、

『蜷川実花の便箋、可愛い』

とあった。それは、数年前に蜷川実花展を観に行った時に買った展覧会グッズの便箋で、鮮やかなお花のデザインの端っこに小さく蜷川実花さんのロゴが入っているだけ。そこによく気付いたなって思って、あぁ、こういう小さなこだわりにちゃんと気付いてくれるとこが私と彼女を繋いでたんだなと思って嬉しくなった。そのことを伝えると、

『そういう、自分の好きなものに囲まれる喜びを分かち合えるのが、石元さんなのですよ』

と返ってきた。彼女も同じ想いだと分かって嬉しかった。
彼女は県外にお嫁に行って、お母さんになって、嫁ぎ先はハンバーグ屋さんを営んでいるからお店の手伝いもやって、まだまだこれからいろんな経験をしなくちゃいけなくてその経験が人間の年輪になって。そういう、身内じゃない人が成長(なんていうと少し上から目線だけど)していくのを時々でも見られて、励ましたり褒めたり出来るのが今は楽しみだ。そして私は次に会った時の、彼女からの言葉のプレゼントに期待をしているのかも知れない。


▼おまけ

彼女が内祝に送ってきてくれた
クッキー缶
ここのとこ、私が可愛いクッキー缶を
検索していたのを知っていたのかな?
て思えるくらいなタイミング



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