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like a vintage 人生はビンテージに仕上げていこう

25歳のとき

欲しくて欲しくて
カタログを切り取って
腕に乗せてイメトレ

このデザインだったら
40代になっても
50代になっても
寄り添っていける気がした

よし、今月から月々貯金したら
5年後に、30歳の記念に買おう

そう決めた私に
当時の上司が

5年後になったら欲しくないかもしれない
他にお金が必要かもしれない。

欲しい欲しいと思って5年を過ごすなら
多少無理してでも。
今、手に入れて30歳までの5年間を楽しめ。

いらなくなったりお金が必要になったら
売ればいい。そらくらいの価値はある。と

買うために5年がんばることしか
考えてなかった私には衝撃的なひとこと

そして私はちょっと無理して
そのROLEXを手に入れた

それから今年で22年の付き合い

しばらくは私よりも時計の方が
主張が強く存在感もあったけど

はじめて手にした
あの愛しい感覚は
毎日アップデートされている

そして時を重ねるごとに
だんだんとしっくり
私に馴染むようになってきた

私が時計を使い始めた同じ頃
母の友人から譲り受けた
ルイヴィトンの鞄がやってきた

当時はこの鞄が流行っていて
誰もがみんな同じように持っていた

試しに手に持ってみたけれど
なんだか私には似合わない

誰かのを借りてきたような違和感
以来、ずっと使わずにいた

そして今年、ふと
使ってみようかなと思い
手にとってみたところ

あれ、なんかしっぽりくる

当時はみんなが持ってた鞄だけど
今では持ってる人は少なく
ビンテージバッグになっているらしい

人も物も、時が経つにつれ
調子の悪いところが出てきたり
くたびれる感じは否めないけれど

職人達が作り上げた作品は
メンテナンスしながら大事に使うと
持ち主の雰囲気に馴染んでくる

使うたびに使う人の
人生に寄り添い一部となっていく

ヴィンテージとは
古くなることでなく
今でも十分に適応する
価値が高い年代物のこと

ROLEXは私の人生に寄り添い
ルイヴィトンは私が鞄に追いついた

私がやっとこの物たちが持ってる
歴史と価値と存在感と波長が合い
対等に向き合える時がきた

そんなふうに物を選び招き入れると
大切に物を扱うようになり
物たちが私の一部となって
私らしさを作り出してくれるようにる

新品でお招きしたものを
ビンテージに仕上げるのも
私次第

私だけが知っている
私と物との物語

せめて私だけは私もひっくるめて
その価値をわかってあげる
一番の存在でありたい

私たち
これからも
いい感じ


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