mitsuyo

#水瓶座AB型 #陰陽論 #アート #フランス語 #元フランス被れ #香り全般 #猫 …

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#水瓶座AB型 #陰陽論 #アート #フランス語 #元フランス被れ #香り全般 #猫 #昔のフランス映画好き #元インポートブランド販売員 #人生七転び八起き #一人旅 #温泉 #神社 #本屋好き #大器晩成型(多分)

最近の記事

長い夏の終わり

「mitsuyo,気をつけろ。日焼けは日本でmodeじゃないぞ」 太陽を顔に浴びて、仰向けに芝に寝転ぶ私にピノさんが声をかける。  「いいの、日焼けしたいの」 日曜日の午後、ヴァンセンヌの森の木陰で寝そべったりおしゃべりしたり、皆思い思いに寛いでいた。 JAZZフェスティバルは始まっていたが、暑いのに押し合ってまで観たくないという事で、ステージから少し離れた木陰に退避し、微かに流れてくる音楽を聴きながらダラダラすることにしたのだ。 泣くだけ泣いて少しくたびれた私に、皆が

    • 長い日曜日

      日曜日、本がそこかしこに積み重ねられた部屋のベッドで目が覚めた。 キャロルのアパルトマンはバスルームを挟んで両脇に二部屋寝室がある。  私は普段彼女のルームメイトが使っている静かな通り側の部屋を使わせて貰った。 茶色い長毛の仔猫がベッド周りをウロチョロしている。 シャワーを浴びたくて反対側の部屋に近付くと、うっすらと開いたドア越しにマットレスでスヤスヤと眠るキャロルとBFの背中が見えた…素っ裸だった。 さすがに声を掛けづらいので...バスルームのドアをそっと閉めると

      • パリの優しいひとたち

        モンペリエからパリに向かうTGVでグシャグシャに泣いたあと(アビィニョン辺りでは泣き止んでいたと思うが…)隣合わせたドイツ人の女の子に慰められているうちに、バカンス客でごった返すパリ・リヨン駅に到着した。 ドイツ人学生はヨレヨレに泣き腫らした私に、パリで知人がやっているヨガクラスに一緒に行かないか?としきりに誘って来たが、私が日本では大学生ではなくブティックの販売員だと知ると、急に手のひらを返し、サッサと列車から降りて行った(職業差別反対…) どのみち週末は時間が限られて

        • さよならモンペリエ

          酷い二日酔いで起き上がれなかったその日は3回目の遠足だった。 カルカッソンヌの要塞を観に行くことになっていたが、こんな状態で長距離バスは無理だな…と初めて学校をサボった。 パスカルが「mitsuyo、学校に行かないのか?」と事務的に起こしに来たが、今日は授業じゃないし頭が痛いから行かないと言うと、 「…C'est pas bien」良くないね、と頭を振って部屋から出て行った。 その日の午後だったか次の日だったか… パスカルはPCを持っていない私に、ネットを使いたい時はオ

        長い夏の終わり

          それぞれの日常、それぞれの人生

          モンペリエ到着後、最初の一週間は余りに濃くて骨が折れたが、テラスに集う地元民と遊びに行ったり、学校の仲間と街を探索してワイワイしてる内に7月もどんどん過ぎて行った。 学校は私立でこじんまりしていたが、様々なアクティビティーがあった。 放課後、ワインのデギュスタション(ティスティング)に参加して、香り表現を学びながら試飲したのは面白かった(燻した煙のようなとか…実際に使う機会は無いに等しいが 笑) クラス3週間目にイエメンから来た中東男子も参加して、(宗教的理由で)飲めない

          それぞれの日常、それぞれの人生

          ビリー

          結局パスカルのアパートに戻ることになった私は、何事もなかったかのように月曜日は語学学校に行った。学生寮を勧めた校長先生に寮には入らないことを報告すると、猛反対されるかと思ったが(決めるのはアナタだから)とアッサリしたものだった。 中級クラスには日本人の女の子が二人いた。 地方の大学に留学中のK子ちゃんと、英語がペラペラ、小柄でしっかり者のAYAさん。 AYAさんは英語が話せるので、同じ寮の英語圏の生徒たちとストレス無く交流していた。 (AYAさんが使い捨て2week用のコン

          ビリー

          カマルグ

          日曜日、カマルグに出発する前に「サングラスを付けた方がいいよ」とフィリップ君に言われ、朝市で適当なUVカットのサングラスを買った。 午前中用事があったフィリップ君に合わせて、確か電車の隣の駅で待合せしたが、何も無い駅ロータリーでかなり待たされてしまい、ジリジリした記憶がある。 私がフランスでレンタル携帯を持っていれば良かったのかも知れないが…時代です…。 カマルグまで車で1時間前後かかった気もする。 ビーチにも行く予定だったので、タンクトップの下に水着も着て行った。 基本

          カマルグ

          誕生日の夜

          フィリップ君にラ・グランド=モットに連れて行って貰うことになり、待合せ場所の昨日のベンチに向かった。 グランド=モットがシックな海辺のリゾート地と聞いたので、自分なりにイメージしていた南仏風オシャレ着をスーツケースから引っ張り出した。 滞在中のお出掛け用にと、日本で買っておいたクローディ・ピエルロのちょっとオリエンタルなワンピースはその夏なかなか評判が良かった。 アパートから出掛ける時、お洒落した姿でパスカルの前を通り、気にかけて貰いたかったんだな…と思い出す。 先に

          誕生日の夜

          ちょっと休憩〜noteを書く理由 レゾンデートル(Raison d’etre)

          note書く理由なんて人それぞれ、 理由なんて無くても良いとも思う。 私も何かアウトプットしてみたくて始めた。 Twitterもそうだけど、SNSは得意な方でないので、最初は何を発信していいか分からなかった。(あ、mixiはブログ読んで貰えるのが楽しくてせっせとやってたな...) スピリチュアル的なモノが好きだったので、今年2020年が占星術的にも特別な年だという事をTwitterのTLで段々と見聞きし始め… 年末にやってくるグレート・コンジャンクションで、時代が否が

          ちょっと休憩〜noteを書く理由 レゾンデートル(Raison d’etre)

          アパルトマンと仲直り

          街外れのフィリップ君のアパートは新興住宅地にある近代的な造りの1LDKだった。 テーブルの上に大きなキスマークを付けたメモの走り書きが有った。 「これはリサだよ。先週別れたんだ」 派手な服装をした黒人女性と頬をくっ付けた写真を取り出した。真面目な優等生風の彼と彼女が並んだ姿はどうにも違和感が有ったが、他人の恋愛事情にはツッコミを入れぬことにした。 私もパスカルとの出逢いについて遅くまで蕩々と語り、フランスの鍵事情もフィリップ君に噛み砕いて教えて貰ってどうにか理解する事が出来

          アパルトマンと仲直り

          ベンチの青年

          公園内散歩道の並木沿いには、ベンチが等間隔に配置されていた。 木陰に風がそよそよ通って心地良かった。 向かいに広がる公園には広い芝生も池もあり、水遊びする親子連れや、芝生に寝そべる学生、本を読む老人など皆思い思いにリラックスして過ごしていた。 今思えば、全てその週末を乗り切る為に神様が仕組んでくれたようにも感じる。 座ったベンチでQuickのハンバーガーを持て余しながら食べていると、背中合わせのベンチにサラリーマン風の男性がいつの間にか座っていた。 ガサガサッと音が

          ベンチの青年

          新しいクラスになる

          鍵を持ってないパスカルが帰ってきたら困るだろうと、玄関の鍵を開けたまま、真っ暗なアパートで休んでいたが、防犯上の身の危険もあり、ほとんど眠れないまま朝が来た。 いつもパスカルが寝ている中二階のメゾネット部分を、梯子段を登りそっと覗いたが、ベッドは空っぽのまんまだった。 学校までの数分の道のりも、真っ青な明るい空とは真逆のどんよりとした暗い気持ちでとぼとぼと歩いた… とても楽しく授業を受けられる気持ちでなかったし、誰かと話さないとどうにかなってしまいそうだった。 自然と

          新しいクラスになる

          鍵をめぐる戦い_勃発編

          自分用の鍵を使えないのか?とパスカルに思い切って確認した次の日のこと。 管理人さんが鍵を準備する時間を想定して、学校近くの芝生の綺麗な公園で、遠足で仲良くなった日本女子たちとサンドイッチを食べ、時間を潰してからオリビエの家に行った。 木曜日だったと思う(様々なことから逆算して…) もしかしたら今日、自分用の鍵が貰えるかも!なんてX子さんに話し、ヘェー!良かったねぇーみたいな会話をしていそいそと鍵を取りに行った気がする…。 あぁ、そう言えばX子さん、オリビエの家のあるカンドル

          鍵をめぐる戦い_勃発編

          鍵をめぐる戦い

          学校のアクティビティの一つの遠足は、ニームのコロセウム、 メゾン・カレ(ローマ神殿)、植物園、 Pont du Gard(ローマ時代の水道橋)、途中アビニョン辺りのブドウ園で止まってお土産を買うと言う行程だった。 バスでは同じクラスの韓国人の女の子と隣り合って座った。彼女は日本に友達が居て、神戸に何度か遊びに行ったことがあると日本の話をフランス語で頑張って話してくれた(エライ!) 同じバスに日本から来た、他のクラスの女の子達が2、3人いて、少し仲良くなって日焼け止めなんか

          鍵をめぐる戦い

          南仏の夏季講座

          学校は街の中心部コメディー広場とモンペリエ駅の中間のエリア、アパルトマンから歩いて5分の近距離にあった。   住居用建物?の2階と3階部分を使用している、私設のランゲージスクール。 地◯の歩き方-留学編でのレビューが良く、日本語の話せるスタッフが居て、学費が良心的なのも有難かった。 日本から夏季講座を申し込んだ際、中級と初級どちらに申し込むか迷ったが、ついて行けなくなるのも嫌なので、当初は中級よりの初級に入れて貰った。  が、思ったよりも基礎クラス過ぎて、何よりも会話慣

          南仏の夏季講座

          Closed Sunday

          到着当初は本当に最低限の物しか無かった。 キッチンはガス台が無かったし、シンクも整って無かったので、しばらくの間はお皿やコップを水道が開通してる浴室で、バスタブに腰掛けながらシャワーで洗っていた(汗) 電化製品としてはエスプレッソマシンと一般サイズ?の冷蔵庫があるだけだった… 少しずつ少しずつ、テーブルや椅子が増え、ガス台が付き、人の住処らしくなったのだが… モンペリエでの初めての朝、コンクリートを流し固めたよなワイルドな浴槽で手早くシャワーを浴び、キッチン真上のメゾ

          Closed Sunday