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RPA活用奮闘記

こんにちは、BTI部のH.K.です!

Techチームから今回は、チームミッションの一つである「社内業務効率化」として取り組み始めたRPAについてご紹介したいと思います。

皆さん、ご存知の通り、RPAは“Robotic Process Automation”の略で、PC内で行っている一連の作業を自動化できる“ソフトウェアロボット”です。

昨今の“DX”という言葉が出てくる前から普及し始めており、ガートナージャパン社のレポートによると、「過度な期待のピーク期」を過ぎ、既に「幻滅期」に入っているという話もあり、話題性としては落ち着き、成功と失敗の二極化がはっきりしてきていると言えます。

そんな中、弊社でも遅ればせながら、RPAの取り組みを始めました。今回の主題としては、まだ道半ばではありますが、その取り組みの考え方や、結果その中で見えてきたことを書ければと思います。

1.取り組みの経緯と考え方

従来の作業効率化の対応としては、各部署個別に、ExcelVBAのマクロ作成できる人がいれば、Excel作業は簡略化する、といった対応に留まっており、マクロ作成できる人に負荷が偏り、異動や退職があると、誰もメンテナンスできなくなる、野良マクロが増えていく・・・結果、業務は変わっているのに無理して使い続ける、または元の作業に戻る、という課題がありました。
また、Excel以外のWebや業務システム作業については、相変わらず全て手作業の状況が残っていました。

そのような課題を克服し、社内業務の効率化を実現していくために、どうすべきか・・・と悩んでいたところに、タイミングよく、ある会社からRPA活用の提案を受けました。提案内容としては、「習うより慣れろ、まずはIT人材のいない部署でも関係なく、RPAを使ってみて、効果を実感しながら慣れることで、システム開発の経験がない人でもロボットが作れるようになりますっ!!」というものでした。

実際にそのように実現しているユーザー事例も聞き、第一印象としては、「これだっ!」と感じました。

その後、社内で議論した結果、業務を効率化する上で、自分の業務を、自分で効率化できるのが一番の理想であり、RPAにその実現を感じたことから、各部署の担当者に使ってもらえるよう、トライしてみよう!ということになりました。

とは言え、始める上で、その理想像をどこまで実現できるか?どのような課題があるのか?分からない部分も多いため、最初から多額の投資はできません。よって、「リーンにアジャイルに!」(社内ではこのような言葉で話していました…)
つまり、より無駄なく、失敗も許容しながら、必要に応じ軌道修正しつつ進めていけるように、且つ、全体に目が届くように少数のパイロット部署(一つはIT人材のいる部署。もう一方で、PC作業が多く、時間を確保し、新しいツールを受け入れ易そうで布教活動に参画できそうな中堅・若手社員を狙って…)を決めました。
ツールは、勿論、無料トライアル版で!笑

誰でも使えて、永続的な作業効率化を実現できないか?という考えで、先ほどの提案をいただいた会社にお手伝いいただきながら、スタートしました。

2.今までの取り組み結果と、見えてきた課題

取り組みについて、ツール選定については後で触れさせていただくとして、まず取り掛かったのは、ロボット化できそうなPC作業にどのようなものが、どれくらいあるかヒアリングするところからです。各々の作業に掛かっている時間や、ロボット作成の難易度、等を確認。パイロット部署については、ロボット作成にトライしてみようということで比較的に難易度の低いものを選定し、開始しました。そこで…。

「習うより、慣れろ!」でスタートした取り組みでしたが、いざやってみると、こうやって作るんだよ、とサポートしているときは進むものの、持ち帰ってトライしても中々思うように進みません。各部署で自走化することを目論んでいましたが、簡単にそこまでは到達できないようです…。
(そんな簡単な話な訳、無いよね…泣)

やはり、教育とサポートの重要性を感じ、当面の間は説明の仕方を工夫しながら、手厚くサポートしながら、少しずつ作っていくことにしました。

また、違う部署では別の問題にもぶち当たりました。担当者の時間が取れない…、適切な担当者が見当たらない…、現状の作業をそのままロボット化しようとすると難易度高…(これは、後日、別のツールを利用した後にロボット化した方が効果的と分かったのですが)。

スタートしてみて、いろいろな課題にぶち当たった結果、下記の整理に落ち着きました。

IT人材のいる部署・・・最初にツールの基本操作を習得すれば、後は自分で調べながら自走化が可能。(これは時間を確保できれば、イケそうっ!)

IT人材のいない部署・・・あまり複雑にならないロボットなら作成可能。但し、システムツール特有の分岐ロジックや変数、データ型といった考え方の理解は、すぐには難しく、継続したサポートが前提。(教育研修の実施も考慮)
既存業務を良く知る人と、どっぷり浸かっていない若手や中途入社間もない社員をターゲット。

担当者を立てられそうにない部署・・・時間確保難や、人員構成上難しい場合あり。全社で部署に関係なくロボット化を進められる体制が必要。

また、もう一つの課題が、RPAを用いた効果が、イマイチ分からないということでした。
今後、どのような体制が必要で、どれくらいの投資が必要なのか?どれくらい効果が得られそうなのか??等。

ヒアリングから、ロボット化できそうな作業は沢山あり、自動化されることで作業が効率化されるのは分かります。ただ、そのロボットを作るために莫大な人件費や経費等の費用がかかったら、元も子もありません…。
そこで、ヒアリングした結果を、作業削減時間とロボット作成難易度の観点からグループ分けて優先度付けをして、削減時間に対してロボット作成して効果のある作業ボリュームを抽出しました。

結果、高い効果のあるもののみ、もしくは中程度の効果のあるものを加えても、また一定量を外部委託してロボット作成しても、一定の効果を見込めることが分かりました。(ふぅ~一安心…汗)

いろいろな課題に直面しながら、様々な整理を行い、RPA活用の取り組みを継続していくことになりました!

3.ツール選定について

ここで話を少し戻します。2.の取り組みと並行して行っていたツールの選定ですが、結論からいうと、“当社としては”、UiPathという製品を選択しました。
今回は、同時期に2つのツールを使いながら、主に「ユーザビリティ」「ロボット化する業務の得意領域」「処理方式」「処理安定性」などの評価軸で比較を行いました。RPAが世に出てから時間も経過しており、ツールの使い勝手や品質はそんなに変わらないだろう、と思っていましたが、実際に使ってみると違いますね…汗

また、我々のPC作業はWeb操作より、Excelや業務システム操作が圧倒的に多いこともあり、当初とっつきずらさを感じたUiPathでしたが、IT人材のいない部署担当者向けの簡易ツール(StudioX)がリリースされたことも、UiPath選定の大きな理由になりました。

ただ、あくまでも今回“当社としては”適していたのがUiPathだった、という結論であり、もちろん違う組織であれば、答えも変わるはず。資料上の情報から2~3個に絞り込み、実際に使ってみて選定することを、皆さんにもお勧めします!

4.失敗事例で良く聞くこと

一般的な失敗事例として、良く聞くことは下記の3つが多いのかな、と感じています。

①社内で使いはじめたものの、サポート体制がなく、各部署や担当者任せで使われなくなった。

②野良ロボットが増え、利用状況が把握できない。

③ロボット作成を外部に委託して、多数のロボットを費用をかけて作ったが、その後業務の変更に対するメンテナンスが追いつかず、新規ロボットの作成もできず、継続活用できていない。


やはり、最初は良いのですが、いかに継続して利用(運用)していくかが、どこでも大きな課題になっているようですね。
失敗の中に成功の種がある、と思いますので、皆さんも是非参考になさってください。

5.現在の取り組み

現在は、先の失敗事例も参考に、下記の取り組みを進めようとしています。

①確実に長期的な改善効果が見込める業務について、IT人材(外部含む)によるロボット化推進体制を構築し、ロボット作成・担当者サポート機能を整備する。

②規模が大きくなってきた段階で、管理・統制ツールを用いてロボット運用を管理する全社統一の体制を整備する。社内利用者を増やして根付かせていけるよう、主に若手社員をターゲットに教育していきながら比較的難易度の低いロボット作成から始め、一方で比較的難易度が高いが効果があるものをIT人材がロボット作成を進めていくことにより、相乗効果を実感し定着化を促していく。

今回は、弊社のRPAへの取り組みをご紹介しました。
ただ、RPAは、あくまでもPC作業の自動化が範疇で、ヒアリングの時に、その作業に関連する紙媒体があるケースも散見されました。先日紹介したEAIや、AI-OCR等のツールをうまく組み合わせることで、PC外の手作業や、サーバーサイドの処理も含めて業務フロー全体を効率化できると考えています。

今後も、このような弊社の取り組みをご紹介していきたいと思います。

三ッ輪ホールディングス株式会社 BTI部 H.K
外資系ITコンサルティングファームにて主に基幹系業務システム構築を、その後、事業会社のITセクションで全体の戦略から企画、構築、運用まで一貫して担当。
2019年に三ツ輪産業株式会社に入社。現在は、三ッ輪グループ全体のデジタル化や業務効率化、社外向け新規サービスの企画・構築を担当。
最近の週末は、近所の少年サッカーチームの戦略から構築、運用も一貫して担当。



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