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RPA活用奮闘記 vol.2

こんにちは、BTI部のダイスケです。
 
三ッ輪ホールディングスグループでは、DX推進の一環としてBTI部が中心となりRPA※の活用を推進しています。
前回の記事では取り組みの経緯や結果、課題などについてご紹介しました。あれから約1年半が経過した今、最新の状況について改めてお話したいと思います。

※RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)はこれまで人間が行ってきた定型的なパソコン操作をソフトウエアのロボットにより自動化するものです。具体的には、ユーザー・インターフェース上の操作を認識する技術とワークフロー実行を組み合わせ、表計算ソフトやメールソフト、ERP(基幹業務システム)など複数のアプリケーションを使用する業務プロセスをオートメーション化します。(引用元:総務省ホームページ

1.    前回の記事からこれまで

前回からの一番大きな変化は、私が主担当者として本取り組みを推進するようになったことです。もともとRPA活用については前任者と一緒に取り組んでいたこともあり、特に問題なく、わくわくしながら改めてスタートを切りました。
 
「各部署で開発・運用・保守を自走できる組織」という大きな方針は変えず、自動化対象業務の多い部署から優先して開発と学習のサポートを始めました。
約1年半取り組んだ結果、当該部署ではロボットの開発から運用・保守までをある程度できるまでに!
現場担当者の協力もあり、躓きやすいポイントさえフォローできれば、大きなトラブルなく進められるようになりました。(とはいえ、開発から運用・保守を全て現場で行うにはもう少し時間がかかりそうです…)
 
また特定部署の開発・学習サポートと並行して、自身でも社内で発生したスポットの開発案件をいくつか対応しました。後述しますが、実績作りや個人のノウハウ蓄積の意味では一定の効果はあったと感じています。

2.苦労したことと対策

上記のような取り組みを進める中で、大きく三つの課題が発生しました。
 
①     事業環境の変化
担当を交代してすぐに、昨今のコロナウイルスやロシア・ウクライナ情勢によるエネルギー資源の高騰などの影響で、全社的に方針転換が必要になりました。具体的には販売価格への転嫁の最小化や価格以外の付加価値を生み出す方向に、社内リソースを全社的に注力。RPA導入の時間が取れない状態になっていました。
我々としては、全部署へのRPA導入からすでに導入済みの部署や人材のスキルアップに注力する方針に切り替えましたが、注力部署の体制変更による推進ストップなども重なり、何度も気持ちを切り替えながら取り組みを進めていきました。

②     RPA導入時のハードルが高い
RPAの導入にあたって、「開発をある程度自走できるようになること」が最初の壁だと感じます。(ちなみに弊社ではUiPathを導入しています。)
  
RPAで実現できること・開発方法のイメージをもってもらうことはできても、実際の開発フェーズに入るとすぐにわからないポイントが出てきてうまく進まない…というケースが散見されました。

プログラミングの経験がある方は、処理に必要なインプットとアウトプットがなんとなくイメージできるので、エラーを見れば解消できる傾向があります。しかし、そうでない方は当然エラーメッセージを見ても解消できずに止まってしまうことが多いです。
「わからないことだらけで時間だけがかかり、うまく進まない」という体験で苦手意識が出てしまわないように、導入初期の段階では「とにかく簡単に作ること」に軸足を置き、予測される障壁をできる限り排除しました。

具体的には、「使うアクティビティとプロパティ設定は最小限で作る」「難易度の高い問題はBTI部で解決」「現場担当者の作りやすいロジックを尊重」などの観点を中心にフォローを行いました。
正しい開発方法はたくさんあると思いますが、それに合わせると開発難易度が上がります。弊社では導入ハードルを下げるため、現時点では「とにかく簡単に作る」ということだけを重視しました。
  
  
③     問題発生時の解決ノウハウが少ない
当初は外部の方にフォローしていただきながら進めていたのですが、BTI部で問題解決できる体制を構築しないと導入スピードが遅れてしまう…という懸念がありました。
そこでRPA活用を推進する立場としてスキルアップするため、UiPath認定資格の「UiPath RPAアソシエイト資格試験」に合格することを目標に学習をスタート。このタイミングで、自身の作業の自動化や前述した社内の開発案件にも取り組んでいました。
  
結果的に、資格試験は無事合格!開発の中で自ら躓きを経験することで、より深い理解や運用・保守における課題の認識にもつながりました。今後の推進の土台となる知識やスキルを得ることができたと感じています。

3.今後の取り組み

まずはRPA導入に対する心理的ハードルを下げるため、この取り組みについて、社内認知の拡大に努めたいと思います。また、認知拡大とともに少しずつ横展開していきながら、自社にあった社内標準の開発ベストプラクティスも決めていきたいと思っています。

現時点では「簡単に作ること」を重視しているので、運用・保守の観点では使いづらいものもありますが、PDCAサイクルをまわしつつ、ロボットのクオリティも挙げられる仕組みを構築していきたいと思います。

4.総論

これまでの取り組みを経て、最も大切なことは「自社・部署・人に合わせた仕組み作り」だと感じました。
資格試験を通してUiPath社が推奨するベストプラクティスは学習しましたが、現場担当者の方にこのルールを守って開発してもらうのはかなり難易度が高いと感じます。

単なる業務改善効果だけでなく、スキルや働き方・「自分で作り上げて自動化を実現できた!」という成功体験を積むことも意識しながら、引き続き仕組み作りをしていきたいと思います。

三ッ輪ホールディングス株式会社 BTI部 ダイスケ
システムエンジニアを経験の後、2014年に三ッ輪産業株式会社に入社。2015年から電力小売全面自由化に向けたグループ会社のイーネットワークシステムズ立ち上げプロジェクトに参画。自由化後はシステム周りの開発運用保守、及び業務構築~運用まで従事。
現在は社内のDX推進を担う組織の一員として活動中。ビジネスシーンに応じたコストパフォーマンスの高いシステム構築を目指し、テクノロジー分野の情報収集・勉強中。

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