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働く人を守るしくみ -社会保険(広義)の概要について-

こんにちは。
三ッ輪ホールディングス管理本部の新家(しんや)です。

■前回の内容(振り返り)
前回は、「総務/人事/労務の仕事って、どんな仕事?」というタイトルで、知っているようで意外と知らない?「総務/人事/労務」の仕事についてお伝えさせていただきました。

今回は、「総務/人事/労務」で扱う仕事の中でも重要な業務である「社会保険」についてお伝えさせていただきます。

そこで、一旦「社会保険ってどんなもの?」といった概要をまとめてみました。
故に今回は、就職活動中の学生の方や就業して歴が浅く「社会保険」はよく知らない方という方向けに話を進めます。

■はじめに、「福利厚生」について

企業の成長、継続的繁栄に欠かせないのは、その企業を支える正社員/嘱託社員/パート社員等の従業員(以降、従業員と表現します)の皆さんが、安心して仕事に集中できる環境を整えることだと思います。そしてそれを実現するためには「福利厚生」が大切だと言われています。

この「福利厚生」には、法律によって実施が定められた「法定福利厚生」と、各企業が従業員のために独自に実施している「法定外福利厚生」の2つがあります。

今回は、法律によって実施が定められた「法定福利厚生」の中でも、企業などで働く従業員やその家族が何らかの理由によって生活が困窮した際に、一定の給付によって救済されることを目的に作られた保険制度=「社会保険(広義)」について説明します。

■従業員の様々なリスクに備える「社会保険」というしくみ

「禍福は糾える縄のごとし」といったことわざ通り、長い人生には様々な出来事がつきものです。

例えば、就職が決まり企業に入社し、がんばって働いていると「昇進」や「昇格」といったうれしい出来事や、プライベートでも「結婚」や「出産」などのおめでたい出来事があると思います。

逆に、誰しもが人生の中で遭遇する可能性のある様々な不幸な出来事、例えば、「病気になる」「仕事中や通勤途中にケガをする」「意図せぬ退職で失業する」「年老いて働けない」など、起きて欲しくないことも一定の確率で起きてしまいます。

このような従業員に降りかかる「リスク」に備えるために、企業と従業員があらかじめお金(保険料)を出し合い、いざという時に必要なお金やサービスを支給するしくみが広い意味での「社会保険」というものです。

■ 「社会保険」は法律により加入が義務付けられている

「社会保険」は公的な保険制度ですので、一定の条件を満たす従業員は、原則、加入し保険料を負担する義務があります。「生命保険」や「個人年金」のように、個々に加入する・しないを選べるものではありません。

■「社会保険」保険料の負担について

「社会保険」の財源は保険料が中心となっていて、労災保険以外は被保険者である従業員本人のみならず、職場の事業主も負担するのが原則となっています。
健康保険や厚生年金、介護保険などは、従業員と会社が50%ずつ負担しています。(労災保険は全額会社負担しており、雇用保険は会社が多く負担しています。)

■「社会保険(広義)」には5つの種類がある


①『健康保険』
『健康保険』は、ケガや病気などで通院・入院したときや長期休業時の生活保障、出産費用、産休中の生活保障、死亡などを保障する医療保険です。
会社員の場合は、会社の健康保険(協会けんぽ・健康保険組合)に加入し、保険料は毎月の給与から一定割合を天引きして会社と個人で半分ずつ負担しています。

「風邪をひいて病院へ」「虫歯になって歯医者さんへ」「転んでケガして」等など、『健康保険』を使ったことのない方は、皆無といっても過言ではないと思います。
そのような場合以外にも、『健康保険』では様々は給付を受けることができます。

②『介護保険』
『介護保険』は、2000年に始まった最も新しい社会保険制度です。介護を必要とする方が、少ない費用負担で介護サービスを受けるための公的保険です。
介護保険制度の運営主体(保険者)は、全国の市町村と東京23区(以下市区町村)で保険料と税金で運営されています。

40歳の誕生日の前日から保険料の支払いが発生し、生涯にわたり健康保険料と一緒に毎月の給与からから天引きされる形で保険料を支払います。
(退職した後は市町村から特別徴収されます。)

もし介護保険サービスを利用する立場になっても、保険料を払い続けることが必要です。

③『厚生年金保険』
老後の生活保障や、亡くなったときの遺族の生活保障、ケガや病気で障害が残ったときの生活保障など、働けなくなった場合や無収入になった際の生活を守るために「公的年金」というものがあります。

「公的年金」には「国民年金」(基礎年金)と「厚生年金」(公務員は共済年金)があります
自営業者など国民年金のみに加入している方は、毎月定額の保険料を自分で納めますが、会社員で厚生年金に加入している方は、毎月定率の保険料を会社と折半で負担し、毎月の給料から天引きされます。

会社等に努めていると「国民年金」プラス「厚生年金」に加入するため(いわゆる2階建てのしくみ)、原則65歳から老齢基礎年金に上乗せして老齢厚生年金を受給することができます。

多くの方は、給与明細で「厚生年金保険料」が毎月「天引きされているなぁ」くらいの意識しかないと思いますが、年金は老後の安定した生活の基盤となるもとして、とても重要な制度です。

④『労災保険』
『労災保険』は、仕事中や通勤途中の事故によって負傷/疾病/高度障害/死亡等の被害を負った従業員(労働者本人)やその遺族の生活を守るための公的保険制度です。

『労災保険』の対象となるのはあくまでも仕事上および通勤途中に起因するものだけです。『健康保険』との違いは、「療養費用の自己負担がない」「休業時の手当が健康保険の傷病手当金よりも手厚い保障」という点です。

また、『労災保険』は他の「社会保険」と異なり、従業員の保険料負担がなく、企業側が保険料の全額を負担します。従業員を1人でも雇用している事業所は、業種や規模などを問わず労災保険への加入が義務付けられています。

⑤『雇用保険』
『雇用保険』は、従業員(労働者)が失業して収入がなくなった場合に、次の仕事に就くまでの生活資金を受給したり(失業保険)、ハローワークで職業相談や職業紹介、セミナー受講など職探しの支援を受けたりするための公的保険です。

失業した労働者を金銭的に保護し、再就職を支援し福祉の増進を図るための雇用保険制度は、日本政府が管掌する強制保険制度といえます。そのため従業員(労働者)を雇用する企業(事業所)は、業種や事業所の規模を問わず、すべて『雇用保険』の適用を受けるのです。

『雇用保険』の被保険者は、原則、労働時間が週20時間以上で、雇用の見込みが31日以上ある方が対象です。

■例えば…

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仕事が一段落したので、週末に気の合う仲間と大好きな釣りに出かけました。釣りに夢中になっていると、岩場でつい足を滑らせてしまい大ケガに…

さぁ大変、治療費や入院費など医療費の自己負担も高額となってしまうし、当分会社にも通えず休職することに。
まだ若く独身なので保険なんて何も入っていないし、急な出費で貯金も使い果たし、明日からの生活はどうなってしまうのだろう。
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不幸にもこんなことが起きてしまっても、あなたは「社会保険」に守られています。

治療や入院による出費は、一定の金額(自己負担限度額)を超えた部分が「高額医療費」として健康保険から支給されます。
ケガや病気による休職について、仕事中や通勤途中でなければ原則として会社は給料を払ってくれませんが、入院が長期におよぶ場合には、『健康保険』から「傷病手当金」(ざっくり給与の2/3にあたる金額)を受けることができます。

その他、意図せぬ退職時の失業中には、『雇用保険』により失業手当が支給されたり、特定疾病を患って介護サービスが必要になったときには『介護保険』による様々な介護サービスを受けたり、会社を定年退職し老後を豊かに暮らすためには『厚生年金保険』からの年金受給を受けることができます。

今回は一般企業における「社会保険」の概要について、大まかに書き連ねてみました。「社会保険」ってどんなもの?というテーマで書いてきましたが、ぼんやりとでも理解いただけたでしょうか?

「社会保険」は、いざという時のために、あなたとあなたのご家族をサポートしてくれる心強い保険制度です。

三ッ輪ホールディングス株式会社 
取締役/管理本部 本部長/総務人事統括部 部長 シンヤ
メインフレームやオフコン、いわゆるレガシーシステムのSEとして数社での勤務を経て、1993年に三ッ輪産業株式会社に入社。入社時は、情報システム部門にて業務系システム(販売管理システム/LPガス配送・検針システム等)の改修・運用改善等を担当。入社3年目に人事企画部門に異動。その後、社外社内報・宅配水事業の立ち上げ・卸売部門の営業施策策定や事業計画策定等に携わった後、現在は管理本部にて本部長として総務人事・経理を管掌。今年、還暦を迎えた料理と車が好きなおじさんです。


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