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甘野充のお気に入り

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僕が気に入ったnoterさんの記事を集めます。
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#創作

同級生S君の夢《Dream Diary 32》

xxxx年/05/27(x)  大型の宇宙船の船内で、大勢の女性達が沢山のお菓子と一緒に無重力遊泳をしていた。プカプカ浮かぶスイーツの中を、フワフワと上下左右に進んだり、斜め方向にクルクル飛び回ったりして、彼女達は皆何かが始まるのを待っていた。私も無重力遊泳をしながら、小学校時代の同級生のS君を探していた。色とりどりのスイーツをかき分けて、私は数人の女性にS君を見掛けなかったか尋ねてみた。彼女らは皆エクスタシーに達した表情をしていたが、S君の名前を聞くと急に顔をしかめたり、

連載小説 hGH:1

 井本は月に一度ヒト成長ホルモン薬を買っていた。ある国のアンチエイジングの診療所から。それが、うちと委託契約のある企業の裏の情報網に引っかかった。ヒト成長ホルモンは、スポーツ界では禁止薬物に指定されていて、それは日本球界でも同じだった。井本は数年前から買っていた。ふつうに考えれば、使っている期間もそれに符号するはずだった。  hGHーヒト成長ホルモンは、尿でのドーピング検査には引っかからない。井本は昨年、無作為に選ばれるNPBのドーピング検査の被験者に指名されていた。尿のみの

歌詞『春霞』

弾き語りしてくれる方が急増! むしろ歌詞が足りません🧐 物書きのみなさま、 ぜひ歌詞を、詩を手に持ってご参加ください( `・∀・´)ノ 歌ってくれる方、曲をつけてくれる方も 随時募集しています🎵 ※私は企画班ではありません😆

SFファンタジー詩「流星ロボット」 第1話

プロローグ「あるロボットたちの話し」 夜空の星を眺めながら 一匹の犬が 遠吠えを上げていた 「ウォーーーン ウォーーーン クーンクーン」 その声は 廃墟の都市に 寂しそうに響いていた・・・ 犬は もう何千年も  この星を捨てて 去っていった 主を想って 遠い夜空を 見あげて鳴いていた・・・ そして 鳴き疲れると いつものように 特殊合金の瞼を閉じて 眠りについた・・・ ある夜の事 巨大な宇宙船が 夜空に現れた 犬は 主が迎えに来たものと思い 立ち上がる

溶けない心【詩】/雪解け【近況】

色の一部が沈殿した 窓の外は ブルートーンのビル群 君を失った寒色の世界 部屋の中は ダークネイビーが作る グラデーションの薄闇 脳の奥に沈殿した色を 僕は頭を揺らし 撹拌する スノードームのように 暖色におおわれ つかのまの弛緩 ……沈殿 頭を大きく振る 暖色はつかのま ……暗涙 ダークネイビーの薄闇と窓外のブルー 君を表現するための色が足りない さよならできない僕の心の色だけが この世にあふれている ©️2023 ume15 【近況】雪解け 以

【詩】「今も」

あの日のあなたを思い出す いつかのわたしを思い出す もう「過去の」記憶 でも「今も」続いている出来事 #詩 #詩歌 #自由詩 #創作 #短編 #風化 #スキしてみて #眠れない夜に

不思議な鏡

屋敷の裏にこっそりと置かれていた古い鏡。雨風にさらされ続けているのになぜか曇らない。 ケヤキ、クス、マテバシイなどの落葉樹に囲まれて温かい季節はすっかり隠れてしまうけど寒い季節は枝のすき間からよく見える。 どうして家の中でなくて、裏庭に置かれたのか誰も知らない。その鏡はおじいちゃんが子供の頃にはすでにそこにあったという。誰も家の中に入れようとはしないし、でも捨ててしまおうともしない。不思議な鏡。 だから子供たちは宝物を隠す時に鏡の裏とか、鏡の前の地面とか、鏡の周りに生えて

小説プロジェクト「曇り空に」第1話

第2話から最終話までリンクさせて頂いています。ぜひお読みください。✨  会社からの帰り道、僕は、ふと空を見上げた。曇り空がどこまでも続いている。思わず苦笑いした。 「君、営業の仕事 何年やってんの? 向いていないんじゃない? 片手すら契約取れないなんて! 心が弱い証拠だよ!」  年下の上司から罵声を浴びて、うつむいた。確かに、最近の僕の営業成績は思わしくない。「水を売る仕事」は僕には向いていないのかもしれない。  水道をひねれば、そこにある水を、わざわざ高額のウォーター

【詩】あの頃と今

なんでもそろっているような状態からは 何も生まれない 何も不自由していなかったあの頃 なんで生きているのだろうなんて思っていた 死にたかったわけじゃない ただ、生きるのに退屈していた 毎日ただ時間をやり過ごしていただけ 過ぎていく時間に身を委ねていた やりたいこともまだ見つからなくて ただそこにいただけの毎日 そして時は過ぎ… 無常なこの世の中で 私だけが不変のものを求めてる ないものを探して取り残されていく… ©2023 alice hanasaki 散文

棺桶の女性の夢《Dream Diary 03》

xxxx年4月26日(x)その1  未来的な形態のビル群がキラキラと光を反射し合っている。私はそんな都市のビルの一室にいた。広いスペースの中にまるで棺桶のようなジュラルミン製の直方体が置いてあり、その上蓋が音も無く開くと、中から女性がむっくりと起き上がってきた。メタリックなシルバーとグリーンのバトルスーツを身に着けた彼女は、直方体から出ると私の方に向き直り、ゆっくりとした足取りで近付いて来る。私の前で停止するかと思ったが、戸惑う私にお構いなく接近して身体を押し付けて来る。私

My Romance

誰にでも記憶の中には My Romanceと呼べるものがあるはずで 僕にも勿論  今でも大切な人がいる 素敵な音楽と共に 運命的な展開になる場合もあれば 思いがうまく伝わらない場合もあって  記憶に鮮やかに残るのは後者 あの時、出会ったことを 君は偶然だと思っていたけれど 僕は会うべくして会えたのだと 思っている その後 別れる運命が待っていたとしても 君に出会えてよかった

深淵【掌編小説】

最後の日、私の瞳は涙で溺れた。 たくさんの涙が込み上げていたのに、外側へは流れなかった。涙は流れる向きを変え、目の奥の方へと吸い込まれていった。 やがて涙は私の内側に海を作り、私の瞳はその中で溺れた。 もしかして、瞬きをしたら防ぐことができたのかもしれない。けれども、瞳にあなたとの楽しい思い出が次から次へと映し出され、私はそれを1秒たりとも逃さず見ていたかった。 行き場を失った涙は、深いブルーの海を私の中に構築するのを最初の日から決めていたみたいに、何の戸惑いもなく私の

【詩】夢の在りか

明るさは関係ない だって夢は目の前にあるでしょう ほら 手を伸ばしてごらん 触れられるでしょう 薄っすらでも その形がきっと分かるはず あとはもう掴むだけ #詩 #自由詩 #詩歌 #創作 #短編 #夢 #スキしてみて #眠れない夜に

Xmasコラージュ ソリ遊びと純白ニット

毎度おなじみ、丸く切り抜いたペーパーを下地に、コラージュ。 クラシカルな絵柄の切手シールが、なんともいえぬ雰囲気。 次の1枚は、トナカイさんの切手を使用。 ニットワンピ―スは、白もグレイもいいなあ… 最後に、超絶オシャレ女子を。 ベレー帽にピーコートですよ?模様つきタイツだし。負けた…(笑)