本との上手な別れ方
メルカリで出品デビューすることにした。商品は主に、私の宝物とも呼べる、本である。
今までメルカリで購入することはあっても、出品することはなかった。
以前の記事にも書いたが、現在、他人には見せられないほど大量の本に囲まれて生活している。それは私にとって幸せなことだが、書斎のスペースはもう殆どないに等しい状態である。
書斎だけではない。階段や子ども部屋まで本がいくつも堆く積んであるため、生活スペースを圧迫している。それでも、購入を辞められない。読むことが好きであると同時に、所有欲も尋常ではないのだ。
さて、この状況をどうしようか。
以前、五百冊程度の本を段ボールに詰めて、古書店に売りに出したことがある。が、大したお金にならなかった。また、ゴミ集積所に百冊も捨ててしまったこともある。その中には貴重な本がたくさんあった。著名人のサイン本もあった。今思うと本当に勿体ないことをした。
そのように大切な本と、上手く別れたことがなかった。
そもそも私は手間がかかることが好きではない。売ることや捨てることに時間をかけるくらいなら、その時間を読書に使う方がいい。それに一度所有した本は、できる限り手放したくない。バイアスだろうが何だろうが、愛着が湧いてくるのである。
だが、生活スペースで家族に迷惑をかけていることや、気になった書籍はすぐに購入してしまう依存的な金銭感覚、読み終わった、あるいは読まれずに循環されない本たち、これらにまじめに向き合うと、やはり何か手を打たなければならない。
そこで考えを改めて、地道に丁寧に、売りに出そうと決めた。
自分が読んだ本を、次に誰かが読んでくれる。それはバトンを渡すような感覚で気持ちがよさそうだ。また、入ったお金で新たな本と出会うこともできる。そう思えば、売りに出すことも本との良い付き合い方、別れ方なのかもしれない。
数千冊ある中、お別れする本を少しずつ厳選していく。とても大変な作業なので、まずは数十冊から出品を始めようかな。
三鶴書店、もう間もなく開店します。
バトンを繋いでくれる方をお待ちしています。
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