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27歳の僕が家を手放した理由 #2


残り2週間で慌ただしく新たな家を探すか、高額請求を甘んじて受け入れて安心を得るか。
そんなことを考えていた時にふと誰かが言った「なんなら家やめちゃえば?」という一言。
ん?家をやめるってなんだ?家ってやめるとかやめないとかいうものなのか?やめるって持たないっていう意味か。とか考えつつ、なぜかこの考えに引き寄せられる私。

偶然の重なり

そこから家を持たないという選択が本当に可能なのか?色々調べる私。マンスリーマンションとかの契約になるのかなぁと思い、色々調べてみても思いのほか安くない…。それでいてマンスリーと言いつつ初期費用や最低契約期限の縛りなど意外に柔軟じゃない。
これだと思い描くものと違うなぁと思いながら、ふと友人の1人が家持たないんだったらこのサービスいいんじゃない?と「ADDress」という住まいのサブスクサービスのリンクを送ってくれました。サブスクの時代だからって世の中が住まいをサブスクにしてるとは思ってもなかったのでこんなものがあるのかとびっくり。

せっかく住まいを変えたとしても、ただただ知らない土地で同じ住環境で缶詰になるのは御免!
元々学生時代は海外をバックパッカーとして転々としたり、日本でもホテルを予約するよりもドミトリーのゲストハウスによく止まっていたこともあり、期待するのは光に満ちた不確実な未来!知らない土地でホテル住まいをしたいわけではなく、自分の知らない人や土地と関わることができる時間にしたいなぁと感じていました。

決断の時

ついに新居の契約期限の最終日。
会社の同期と飲みに行った時に当時の状況をいろいろ話しを聞いてもらいました。その時には自分の心はほぼ決まっていましたが、最後に背中を押され、その当日に不動産会社の担当の方に連絡。「申し訳ありません。諸事情で契約を辞退させていただきたいです。」とメールを送付。
これで僕の家無しは確定。

自分の執着〜断捨離〜

家を無くした際に、多くの人に聞かれるのが「家具や家電はどうしたの?」という問いです。結論から言うと、家具家電はほとんど捨てるか譲るかをして、キャリケースと数年前から愛用している「monolith」のBACKPACK-PRO-SOLID-という26L程度のバックパック一つに収まる程度に納めました。一部兄弟の暮らす家の空き部屋にいくつかの荷物を置かせてもらいました。(有難う姉貴感謝してるぜ)家を出るときに6畳一間の家にもこんなにもものが多いのか、、、と唖然としました。
仕事用のデスクやゲーミングチェア、テレビ、冷蔵庫、洗濯機、炊飯器などはちょうどシェアハウスから一人暮らしに切り替える友人がいたので、すべて譲りしました。まだまだ現役で使える子たちだったので捨てるのは気が引けるなか、誰かが使ってくれると思うと嬉しいものですね。
持っていた洋服は2/3ほど断捨離しました。学生時代から地味に洋服も好きで古着屋さんを回っていた時期もありましたが、今は時めくことが無いなかなか着ることが無い洋服たちとはおさらば。手元に残したのは僕のお気に入りの洋服ブランド「10yc」さんの機能性に優れたジャケットパンツの組み合わせが定番で着るものになりました。※10ycさんのビジョンが素晴らしい。

アパレル業界における、大量生産大量廃棄・低賃金・工場の人材、後継者不足などの問題に対して、「自分たちにも何かできるんじゃないか?」という想いから、2017年9月22日、「着る人も作る人も豊かに」という理念のもと、10YCを創業しました。

https://10yc.jp/pages/about

また僕が断捨離をするにあたって一番困ったのが主に社会人になってから購入した書籍たちでした。
ビジネス本から小説や、哲学、宗教、デザインなど割と幅広に読むことが多い本たちがざっと400冊~500冊ほど数えたらありました。「そんなに多くなったのねあなたたち、、」何度も繰り返し読まれた本や勝手から一回だけ開かれてからほぼ読まれていない本など思い出にふけりながら断捨離を進めるもなかなか進まないのです。
学生時代から少しずつ価値観が変わり、自分で一定の欲しいものを選べるようになってから、モノに対する渇望や執着は減ってきました。また思い出の品と呼ばれるような例えば学生時代の野球チームで表彰された盾やメダル、その他さまざまなモノたちも、今までの自分に感謝しつつ、過去ではなく未来を見ていきたいと思うので、少し懐かしみながらどんどん大型のビニール袋に入れていきました。
そんな中「本」は僕にとって歴史であり知識であり武器であり未来に近いものなんだなと感じました。本は僕を新しい土地に連れて行ってくれるパートナーで、様々な人の考えや、物事の道理を教えてくれました。本で自分の人生が変わったことも多く、きっとこの執着も手放せるようになった時、自分はまた新たな人間になっているんだろうなと思います。最終的に100~200冊くらいはサヨナラすることにしましたが、段ボール数個分の書籍は残ることになりました。

そんなこんなで断捨離は終了。
晴れて正真正銘の家無しへ!


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