高齢化社会に向けた自己変容の歩み
人生100年時代と言われて久しいですね。
今日は40歳をこえてから実行してきた高齢化社会に向けた自己変容への取り組みについて共有したいと思います。
トランジション
トランジションとは、何かが終わり、ニュートラル状態を経て、何かをはじめる一連のプロセスのことをさします。大企業からスタートアップに移った私の経験も一つのトランジションであったと思います。何かが終わるということは、何かを手放すという意味でもあります。
私も社会人になり15年スキルとして学んだことをいくつか手放した上で、新しいキャリアの機会にチャレンジしています。トランジションプロセスにあるニュートラルな期間に無為な時間を過ごして心機一転新しい気持ちで臨んでいます。無為な期間は、ボランティアで知り合いのコワーキングスペースのペンキ塗りなどをやっていました。
中年の青春と言われる40歳前後の時期に大きな方向転換をする人は多いと思いますが、これからの時代大小のトランジションを40歳以降もアクティブに起こしていく必要性がありそうです。
若い人から学ぶ
いろいろシーンで活用されるようになってきているAIですが、Wired誌の創刊編集長期であったケヴィン・ケリー氏によればその技術はまだ入り口に立ったに過ぎず、初歩的なものでしかないそうです。
クリプト、メタバース、Web3というようにこういった分野の進化スピードは恐ろしく速く、テクノロジーの利用は若い人が中心になります。それに伴い今までになかった価値観、概念が生まれていくと思います。この激しい変化を無視することもできますが、時代に応じて活力ある生き方をしたければ若い人から謙虚に学ぶという姿勢が大事です。
私が知っているとある企業の経営幹部の方は、若者から学ぶことを生存戦略とすら呼んでいます。
アンラーニング
最近、よく聞くアンラーニングという言葉ですが高齢化社会において非常に重要なスキルになっていくと思います。
有能であり、優秀であった人ほど過去に成功した時のやり方に固執して、環境の変化に適応できなくなりがちです。
少し昔ですが、コンピテンシートラップを感じる話がありました。私が30歳前半の頃、研修の中で元自動車メーカーのカリスマ営業マンの話を講師の方から聞いたことがありました。
その営業マンは、ランチ時にラーメン屋で隣に座っていた人にも車を売っていたらしいのですが、その話を聞いていた当時の私は「脈絡なくタッチするだけで売れるって、高度経済成長期のノスタルジーってよいな。」という感想でした。おそらく講師の方が伝えたかったのは、その熱意であったり、積極性であったりというというところであったと思いますが、時代や環境の変化に伴うコンピテンシートラップを感じたエピソードでした。
このようなコンピテンシートラップに陥らないようにするために意図的なアンラーニングのプロセスが必要になります。自分の自信を気づいてきた経験、スキルを棄却することには抵抗が伴うと思いますが、自分の変化、環境の変化を客観視して冷静に個人アンラーニングを遂行する必要がこれからは増えると感じています。
健康との向き合い方
健康との向き合い方も大きく変えています。身体のことにこれまでになく真剣に向かい合うようになりました。
睡眠
若い時は夜遅くまでお酒を飲んだり、仕事をして翌朝仕事ということはざらにありました。
疲れを残した状態で仕事をすると、質の悪い結果になりがちで、質の悪い仕事をフォローするために余計な仕事が生みだされがちでした。いわゆる悪循環です。
明快なロジックがわかっていたにもかかわらず、放置していたこの習慣をまずは変えました。
まず、飲酒は飲むとしても金曜日のみとし、平日にお酒を飲まない。さらに早起き、早寝の習慣に変えました。具体的には遅くとも22時までには寝て、朝5時には起きるようにしています。
改めて睡眠の働きを整理すると以下のような働きぐあります。
特に「5.脳の老廃物をとる」については、肉体の休養が完了した後に実行されるため、睡眠時間が短いといわゆる睡眠負債として老廃物は蓄積されていきます。これは前述のアンラーニングとその後のリラーニングに影響を与えると思います。
正直に言うと、22時から24時までの時間がもったいない気がしたのですが、パートナーとぼんやりテレビを見ていることが多かったので、潔く寝ることにしました。
また、スポーツ選手に関しても練習時間を伸ばすより、睡眠時間を伸ばすだけでパフォーマンスが上昇したという結果もあります。自分のパフォーマンスを上げるために、まずよく寝るというのはリターンの大きな行動変容だと感じます。
動く
運動量に関しては、意志の力を信用せずに動く量が増える仕組みを考えました。Fitbitのリスト型スマートウォッチでバイタルデータを計測するようにして、歩きに行くタイミングを明確に決めました。例えば子どもの通学を見送った後、お風呂のボタンを押した後などです。歩く距離は確保できる時間に依存しますが、これにより1日平均7000歩だった歩数を1万3000歩ほどにすることができました。
幸いにも通勤時は、結構歩かないといけなかったので、簡単に目標達成することができました。
動くことは脳の働きにも影響しており、セットで取り込まなけばいけない課題です。
飲食の消費をキャンセルするために運動するというより、本当に健全な心身でいるために動くようになりました。マインドセットの大きな変化です。
今後は再野生化というキーワードで、パレオダイエットやトレイルランにもチャレンジしたいと考えているところです。「GO WILD」という本に感化されています。
運動や食生活を変えるには、意志の力をなるべく使わない戦略が必要です。「複利で伸びる1つの習慣」にはこういった活動を継続するためのヒントが数多く紹介されています。特に、何かをはじめるときの環境の配慮や、きっかけとなる行動の設計など、これまで意識できてなかったところもあったので、参考になりました。
なるべく努力をなくして、レバレッジを高くすることを意識することも大事です。
時間は限られてますので、エフォートレスな思考を意識しましょう。
地域活動との関わり方
今住んでいる地域は古い地域で、自治会の活動や当番も多く、正直面倒くさいと感じていました。
しかし、鎌倉資本主義で紹介されていた地域資本主義の考え方や、共感資本社会などの考え方を知るうちに地域の資産や活動には可能性があると感じるようになりました。
これまでは超消極的でしたが、もう少し積極的にこれらの地域資本を活用した活動をやってみたいなと思ってます。鎌倉資本主義で紹介されていたような地域に就労するという考え方は、これかの働き方としてありなんじゃないかなと考えています。
お金のこと
健康寿命はよいことですが、これまでよりもコストがかかることも、真実です。
漠然とした不安を払拭するために、今の資産についてのバランスシートと、キャッシュフローのシートを作ってこれからどれだけ資本形成が必要なのかを明確にしました。その結果、子どもの進学先が私立医学部や、アメリカ留学などのユースケースを除く場合では、十分やっていけそうという結論でした。むしろ心配なのは老後のキャッシュフローです。
よく2000万の老後資金が必要といわれますが、いろいろシュミレーションした時に全然足りなくて愕然としました。
今ならいろんなオプションが考えられるので、早めに対策したいと思います。
あくまで計画であり、健康を害することが最大のリスクになるので、やはり日々の健康意識を健康なうちに考え始めたのは正解だったと思います。
活きたお金の使い方について考える機会も増えました。いつ、どんな使い方をしたいのかについてもっと解像度を高めたいです。
「Die with zero」には、お金の価値ある使い方についてのヒントがたくさんあり、おすすめです。
勢いは無くなったけれども、思慮深さは強化されてきている感覚はあります。
老化してなお活力のある社会をつくるための活動に人生の後半は関わっていきたいです。
ではまた。
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