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俳句俳誌「雲の峰」掲載句

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私が所属する俳句結社「雲の峰」の結社誌に掲載された俳句です。
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記事一覧

当確

当確

私の作った俳句です。
ご覧下さいませm(_ _)m

(結社誌雲の峰より)

当確 光本弥観

容態を問はれて春の風邪と云ふ
豆撒や樹齢不明の御神木
当確と冴ゆる事務所に届きけり
熱燗を酌む近鉄の伊勢路かな
蝋梅に値札付きたる道の駅
勝だるま置き場の背の山眠る
柔らかき太鼓と鈴と冬の雨
春兆す洗車終へたるエンブレム

【朝妻力主宰、選後所感】
当確と冴ゆる事務所に届きけり
一月末に茨木市議会選挙が

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フェイスガード

フェイスガード

月刊俳誌「雲の峰」三月号に掲載してもらった句です。

演説のフェイスガードに白き息(季語:白き息)
再開のマスクの子らが肘タッチ(季語:マスク)
彩りに金粉散らす屠蘇酒かな(季語:屠蘇酒)
門閉ざす天文館の淑気かな(季語:淑気)
ことさらに太陽受くる福寿草(季語:福寿草)
西空に寒月眺め始発待つ(季語:寒月)
大阪を見晴らす墓地や寒牡丹(季語:寒牡丹)

フェイスガードの写真がなかったので、選挙中

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紅葉の賀

紅葉の賀

粕汁を配る杜氏の笑顔かな
冬めきて茜を帯ぶる鳰の海
帰りくる漁船に冬の月丸し
熱燗や女将の孫と語らひて
母の手を払ひて蜻蛉追ふ子かな
匿名の封書受け取る秋の暮
寄り添ひて二十五年の紅葉の賀

俳句結社雲の峰の結社誌に掲載された俳句です。

以下の俳句を鑑賞していただきました。
俳句は、人に鑑賞していただいてはじめて、その俳句にいのちが吹き込まれるように感じます。有難いです。

【通勤の車中を秋の蚊

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虹色の粒子(俳誌雲の峰掲載句)

虹色の粒子(俳誌雲の峰掲載句)

令和2年7月号に掲載された私の句です。

【虹色の粒子】絵団扇を選ぶ振りしてあふぎけり然りげ無く顎鬚隠す扇かな海を背に噴水上ぐる須磨離宮沈思して畳の百足虫遣り過ごす虹色の粒子を散らす五月晴

【課題俳句:卯の花】

卯の花や参道長き杜に夕

清流の波(月刊俳誌 雲の峰6月号7月号)

清流の波(月刊俳誌 雲の峰6月号7月号)

私が所属している俳句結社「雲の峰」の俳誌に掲載された句です。
よろしければご覧くださいませ。
感想などお寄せいただけるとめちゃくちゃ嬉しいです。

雲の峰7月号掲載句
【清流の波】
背を伸ばし折目揃へて袷着る
岩肌の日向と影を蛇が縫ふ
草笛を吹きつつ爺が肩車
祖母の塩加減を探るはじき豆
清流の波に日はぬる麦の秋

課題俳句:若緑
佳作 屋敷出て四辻を覆ふ若緑

誌上句会
霞立つ広場素振りの音二つ

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俳句どっぷりの1日(月刊雲の峰令和2年5月号)

俳句どっぷりの1日(月刊雲の峰令和2年5月号)

今日は、俳句の投句〆切に追われる日でした。
月刊俳誌「雲の峰」6月号の投句 13句と168句から2句の選
俳句結社雲の峰「かきもり句会5月」への投句 4句
角川俳句4月号、令和俳壇への投句 5句
〆て、22句の投句でした〜汗

何かの〆切がある生活は、プレッシャーに感じすぎてしまうマイナスもありますが、適度な〆切は生活にハリが出来て充実した気分を味わえます!
でも今日の投句数は適度を超えていて

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令和2年4月号

【空想の句】
瀬戸内の暗き海面に初明り
縫糸を一つ買ひ足す木の芽時
蕗の薹茹づ割烹着着て祖母をまね
鳩の乗るカフェの机に牡丹雪
空想の句を練り春の蚊を叩く

所感 浅川正副主宰
空想の句を練り春の蚊を叩く
俳句は客観写生で、実景を詠めといわれますが、俳句は文芸であり、文芸は虚構だというのが私の主張です。事実の羅列よりも、虚構の方が本質に迫りやすいと考えるからです。掲句、春の蚊の取合せが俳諧味を醸し

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令和2年3月号

(推薦)【春着】
庚子の麻垂整ふ筆始
着流しに伯母の形見のショール掛く
城郭に日の丸なびく初御空
杜の火を夜通し守る春着かな
近道にいつも居る猫春近し
日本画の透けゐる河豚の薄造り

所感 浅川正副主宰
杜の火を夜通し守る春着かな
氏神への初詣客をもてなすために境内で焚火をするのでしょうが、宮守も春着を着る事があるようです。

(課題俳句 兼題:近松忌)
特選 実と虚に揺らぐ川面や近松忌
こちらも

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令和2年2月号

【四ノ二の針】
副市長マスクずらして囁きぬ
遠山の青をそびらに紅葉散る
冬空に花火赫ふ即位の儀
冴ゆる夜を四ノ二の針の折るる音
ほのぼのと師と酌み交はす師走かな

(課題俳句 兼題:紙漉)
佳作 紙漉や句集の礼を認めぬ

誌上句会
鳩の上に鳩ちよんと乗る天高し

ことばの花束(ハッピーFMいたみ)
庚子の麻垂整ふ筆始

月刊「俳句界」3月号 俳句上達の結社選びより
鷹化して鳩となる日の出土品

令和2年1月号

(推薦)【受光伐】
冬に入る鍵穴に鍵すつと入る
政治家の世過ぎに冬の風少し
晩秋の雨粒受くる金盥
受光伐終へおもむろに山眠る
窓際のワインに映ゆる冬日かな
月を背に高度下げゆく機影かな

所感 浅川正副主宰
〈受光伐〉は林業用語で、下層の樹木などに光を当てるべく上層の樹木を整理する作業で、間伐とは少し目的が違っています。掲句では、明るくなった森が冬を迎える様子を気持ちよく表現しています。

鑑賞 

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令和元年12月号

【玉兎】
ばつたんこ棚田の畦に草揺らぐ
東京のビルの隙間の玉兎かな
秋麗あるじ見上ぐる盲導犬
秋雲の残照を背にモノレール
プリズムを窓際に置く秋の朝

(課題俳句 兼題:秋晴)
佳作 秋晴や仏間の額の塵叩く

令和元年11月号

(推薦)【議員】
手の平を返す議員に秋の蠅
絶好球見逃し仰ぐ秋の空
秋の土捏ねて丸むる泥団子
女郎花揺るる野原に獣道
記念日の卓に並ぶる秋の菜
指の跡つけまいと剥く桃の皮

所感 浅川正副主宰
手の平を返す議員に秋の蠅
「君子豹変す」とは、君子は過ちに気付けば直ちにそれを改めるという意味ですが、君子ともなき議員さんの中には、潮目や風向きに応じて恬として主張を変える人がいます。なおこの作者は君子であ

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令和元年10月号

【クロスプレー】
白秋や祖母の命の切るる音
祭後の玉砂利を踏む朝明かな
八月のクロスプレーの傷を舐む
盂蘭盆の祖母直伝の茶飯かな
天蚕を持ちて句友の現れぬ

(課題俳句 兼題:終戦記念日)
入選 終戦の日の倉敷にモネを見る

誌上句会
中古車のナビの履歴や夏の空

令和元年9月号

【ミシャグジ】
修行場の隅に金蠅弊えをり
躾糸解きて迎ふる晩夏かな
ミシャグジの石に纏はる鳳蝶
梅雨空を鋭くよぎる戦闘機
風薫る鴨川岸を阿波しじら

(課題俳句 兼題:吉野の蛙飛)
佳作 土砂降りの吉野の蛙飛の銅羅

誌上句会
万緑や豹柄ママのちやり疾走