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消えてしまいたい子は10分間の冒険に出た | 記憶の欠片

こんにちは、みつまめです。

先日アップしたセンシティブなテーマの記事、コメント頂いた皆さまありがとうございました。
頂いたコメントに勇気づけられたり、気付きがあったり、頼もしい優しさに涙したり。

コメントはしないまでも、「スキ」を押してくださった皆さま、読んでくださった皆さまもありがとうございます。
「回れ右してください」は本心でした。
それでも反応をいだけた事、嬉しかったです。


「この子」は物心ついた時から私の中にいます。
いつ頃から一緒にいたのかな?と考えていたら、「この子」の声に初めて従った時の記憶が、突然出てきました。
小学校2年生。8歳の頃。
年齢がはっきり分かるのは、特に1-2年生で仲の良かった子が一緒だったからです。

未来の私が振り返りや分析に使うだろうから、記録しておきます。
パーソナルな問わず語り未満の、記憶の欠片です。

消えてしまいたい子は10分間の冒険に出た

教室で飼育していた蚕が死んだ。
羽を横たえたそのからだには土がついて汚れていて、なんとなく嫌だなと思った。

仲の良しのMちゃんはお花が好きな子。
誘われて一緒に生き物係になった。
私もお花は好きだから、いいよって。

私は虫が大嫌い。芋虫も、蝶も蛾も苦手。
蝶や蛾は模様が気持ち悪いし、ひらひらとこっちに向かってくる様子が怖くて好きじゃなかった。
だから、蚕のお世話をする事になったときは本当に嫌だった。

でも生き物係になったからには、いくら嫌いでもお世話しなきゃいけない。
Mちゃんも虫は好きじゃないみたいだけど、「繭や成虫は白くて綺麗だから大丈夫」と言ってる。
気持ち悪いなぁ、見てるとゾワゾワする。
そう思いながら「そうだね、白くて綺麗だよね」と言って、話を合わせていた。

嫌だなぁ。生き物係になんてならなければよかった。
そんなことを思いながら、毎日Mちゃんと一緒にお世話していた。

その、蚕が死んだ。
朝学校に来て、お水を替えようと思ったら、土の上に白いからだを横たえていた。
そのからだが冷たいか、本当にもう動かないかは分からない。
気持ち悪くてさわれないから。

悲しい気持ちはなかった。
少しだけホッとしたような気持ちだった。
嫌だな、と思いながらお世話すると、喉に少しずつ小石が詰まっていくみたいに苦しかったから。
そんな私にお世話される蚕が可哀想だったから。

「埋めてあげたい。先生にお願いしてみようか」

そう言い出したのは、私だったような気がする。
Mちゃんは大人しくて真面目な子で、そんなこと言い出すタイプじゃない。
弔いには程遠い、良いことを思いついた時の楽しい気分だった。

お願いは無事に聞き入れられた。
2人で蚕のケースを抱えて、朝の会が始まる前に教室を抜け出した。

ケースを抱えて外に出た私は、もう蚕のことなんか頭になかった。
「朝の会を抜け出して外にいる」ということが楽しくて嬉しくて。
冒険に出たみたいに、興奮していた。
みんなは教室にいる時間。誰もいない校庭。
誰も追いかけてこない。


さぁどこまで行こうか?

「どこに埋めてあげる?授業が始まっちゃう。早く戻った方が良いよね」
とMちゃんは、少し困ったような顔。


Mちゃんは楽しくないのかな?
このまま戻らなかったらどうなるのかな?


「他の子たちが遊ぶ場所だと、掘り返しちゃうかも。あまり人が来ない場所がいいよ。プールの裏なら人が来ないんじゃない?」

「プールの裏は遠いよ、一時間目が始まっちゃうよ」

「それなら土手の秘密基地はどうかな?あそこなら◎◎くんと○○ちゃんしか来ないよ」

「秘密基地は上級生の子がいるの見たよ。掘り返されちゃうかも。ここの階段下なら誰も遊ばないよ。遅くなったら先生に叱られちゃうよ」

あまりにもMちゃんが不安そうだから、私も不安になってきた。
こんなに長い時間何してたの?って先生に聞かれてもうまく説明できない。
先生に叱られるのは嫌だな。

不安になった私は、Mちゃんと協力して、急いで蚕を埋めた。
私は最後まで、蚕には触れなかった。

次に生まれてくるなら、ちゃんと可愛がってくれる生き物係さんに育てて貰えると良いね。
好きになれなくてごめんね。
悲しい気持ちになれなくてごめんね。

空の飼育ケースを抱えて戻ったら、ちょうど朝の会が終わったところだった。
もう一時間目の半分くらいは終わってると思ってた。
たった10分くらいの事だったんだ。
先生にもなにも聞かれなかった。

なーんだ。

なんだか拍子抜けしてしまった。

昔から感情を抑圧していたらしい

通っていた小学校の様子が鮮明に浮かんで、自分で驚きました。
視点がかなり低いから後付した記憶ではなさそう。
土の感触、朝から午前中の狭間の白っぽい光、強い草の香りまで蘇ってきました。
時間感覚も子ども特有な感じがするので、多分本物の記憶みたいです。

Mちゃんとの会話は今の私が作って入れたものですが、映像や心の動きは浮かんできたままを記録しました。

自分で思い出しておいて何ですが、8歳にして自分の感情を抑圧している様子が見て取れるのが痛々しいです。
今の私の思考パターンがほぼ完成されてる。

昔から「子どもらしくない子」と母に言われていたけど、こんな風に感情を抑圧してしまう事を指していたんだろうか。
それとも、出てきたキーワードを今の私が繋いでいるから、今の私の思考パターンに見えるだけなんだろうか?

自分でもよくわかりません。
客観的な視点がほしい。

今回もオチなし。

*****
前記事。
センシティブな内容なので、影響受けやすい方は回れ右してください。

前回出てきた記憶の欠片。
今回と比較して視点が高い気がするから、前回の欠片は3-4年生くらいだったのかな。

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