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読書感想「犬も食わない」

みんなさ、いろいろなものを愛とか好きとか口当たりのいい言葉でおおって、見ないふりしてるだけじゃないかな?(本文230頁より)

男女の恋愛をキャラクターそれぞれの視点で描くというのは、割とありがちな書き方かもしれません。

それでも、それぞれのキャラクターを別々の男女の作家が書くのは珍しいと思いました。

一方は直木賞候補作家、一方はミュージシャン。

ありえそうでありえない。この組み合わせが描くドラマは、ありがちで誰もが抱える感情の連鎖のように思えました。

だめな男とめんどくさい女の恋愛がテーマの今作は、読後に映画を観終わった時に似た余韻がありました。

共依存がもたらす結末がこの物語の二人にとって幸せかそうでないかは、読者の想像に委ねられています。

ただ、馬鹿らしくて相手にできなくなるほど、その相手が妙に愛らしく思えてしまう。

だからこそ、「犬も食わない」この二人の関係なら、きっとこの先も全部上手くいく。漠然とそんな風に思いました。


久々にクリープハイプを聴いてみようと思います。

それでは、またいつか。

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