脱力演奏研究所 藤本将人

「軸」と「脱力」をキーワードに音楽家のサポートをしています。

脱力演奏研究所 藤本将人

「軸」と「脱力」をキーワードに音楽家のサポートをしています。

最近の記事

力を抜こうと思っても力を抜けない理由

2つのテニスボールを積み重ねてみましょう。 上のボールが転げ落ちないように、「ちょうどいいところ」を探す必要があります。 そのためには2つのボールの重心線をぴったり一致させればいい。 そうすれば手で支えたりしなくても、積み重なった状態でぴたっと静止します。 言うは易し行うは難しでやってみると結構難しかったりしますが、面白いもので一度できると次からは簡単にできちゃったりします。 2本の重心線が少しでもずれるとたちまち転げ落ちます。 「ちょうどいいところ」を探している段階では

    • 脱力するほど重くなる理由

      弦楽器や打楽器や鍵盤楽器の演奏において、腕の筋肉で腕の質量を支えていたら、腕の重さは相殺されて、重さが楽器に伝わりません。 図でいうところの赤色と緑色の矢印がベクトル的にゼロになる。 腕の力が抜けた、いわゆる脱力した状態になれば上向き成分が減ります。 すると下向き成分が残り、腕の重さを活用した演奏ができるようになります。 この辺りは力学の知識がないとピンと来ないかもしれません。 残念ながら、高校レベルの力学の知識すら無い人は、身体の使い方を本質的に理解するのは難しいかと

      • 音楽家の身体感覚って凄いですよね

        藤本道場(仮)導入編、オンラインでやりました。 今回の受講生は昔からゆる体操を続けているそうで、さすがしっかり身体が整っているおかげか、すぐに筋反射の感覚つかめましたね。 小一時間で終了。 筋反射を使ってるのはセラピストが多いと思うけど、セラピストよりも音楽家が使うことでとんでもない効果を生み出せると藤本は思っています。 音楽家の身体感覚は常人とはかけ離れていることが多く、これをきっかけに新たな世界に開眼する人も結構います。 特殊な感覚として音に色が着いて見える共感覚

        • 遠隔で身体を診るセミナーをオンラインでやりました

          藤本道場(仮)導入編をZoomでやりました‼️ 京都、栃木、千葉から、ヴォイストレーナー、ドラマー、通訳・ナレーターの方々が受講してくれました。 初めての試みでしたけど、結構できるもんですね! 皆さんが優秀なのか、藤本が優秀なのか🙄 なんにせよ、しっかり筋反射の感覚をつかんでもらえたようです。 感覚がつかめたら、あとは手を触れてようが触れてなかろうが、対面だろうが遠隔だろうが関係ないので、受講生同士でZoomの画面の向こうにいる人に身体意識を入れてみました。 前屈の角度などわ

        力を抜こうと思っても力を抜けない理由

          ピアニスト ケース1

          月イチで通ってくれているピアニストさん。はじめは、弾いていたら首と肩が痛くなって、休みながらじゃないと練習できないとの訴えでした。今ではそこまで痛みが出ることもなくなり、練習に集中できるようになったそうです。 皆さん上達を目指してポジティブ要素を伸ばそうと考えがちですけど、ネガティブ要素を排除することも大事です。〇〇のせいで音が悪くなっている、といったときの〇〇が身体のコリであればコリを取り除けば音が良くなります。〇〇のせいで練習時間が取れない、といったときの〇〇が痛みであ

          ピアニスト ケース1

          声楽家 ケース1

          声楽家さんの症例報告。 かばんをリュックに替えたら、肩は楽になったけど腰が痛くなったと。 まずはそれを取りましょうってことでTLで診ました。 (以下全てTLで診てます) 頚椎3番っぽかったので、頚椎3番を側屈・回旋してもらったら、痛みがなくなって腰が軽くなりました。 ───────────────── 次に、ワークを一通り復習しましょうってことでまずはクロスポイント。 膝裏が弱そうだったのでそれを伝えると、案の定、膝裏はあまりやっていなかった。 リアストレッチで裏転子。 裏転

          体軸ワークでパンチを重くしませんか?

          12/8(日)の音楽家のための«軸と脱力»ワークショップは南千住のキックボクシングのジムで開催します。 「音楽家のための〜」というタイトルですが、格闘技の方の参加もOKですよ。 体軸理論を音楽家に応用してる藤本みたいなやつの方が珍しく、アスリートに指導している体軸セラピストの方が断然多いです。 身体意識の中には腕の重みを増大させるアーダーというものがあり、ピアノやドラムの音を重厚にできます。 そのアーダーを入れてパンチをすればどうなるか。 ズシッと身体の芯まで衝撃が届くよ

          体軸ワークでパンチを重くしませんか?

          音楽家が身体の使い方を学ぶオンラインサロン構想

          音楽家が身体の使い方を学ぶオンラインサロンというかスクールというかそんなのがやりたいと思ってます。 最低でも週1回Zoomなどで集まってワークしたり喋ったりしたい。 週1回だと予定合わない人もいるので、週3回くらいそんな時間を作りたい。 音楽家の方々に身体の使い方を教えていて結構言われるのが「身体のことを共有できる人が周りにいない」ということ。 特に藤本のお伝えしていることは独特らしく、人に説明しにくいとよく言われます。 いくら自分の身体が楽になって音が良くなっても、独りで

          音楽家が身体の使い方を学ぶオンラインサロン構想

          コリは音の響きを妨げている。じゃあコリを取り除けばいいじゃない。

          演奏していると、身体にちょっとしたコリがあるだけで音がうまく響かないということがあります。 自覚できるコリなら整体を受けるなりして対処できるかもしれません。 しかし身体というものは鈍感なもので、首・肩・腰といったメジャーな部位以外のコリにはなかなか気付きません。 もしちょっとしたコリにも気付けたら、全身コリだらけなことに気付いてしまい、肩こりの不快さを全身で感じてしまうことになるでしょう。 先程も述べたように、コリは音の響きを妨げます。 無自覚なコリがあることで、無意識に身

          コリは音の響きを妨げている。じゃあコリを取り除けばいいじゃない。

          股関節はどこにある?

          股関節ってどこにあるかわかりますか?ほとんどの人は結構曖昧だと思います。 股関節は上前腸骨棘と恥骨を結んだ線の真ん中(よりちょっと下)くらいにあります。 また大腿骨頭は、大転子から大腿骨頚が内側に伸びてそこに付いています。 ここで着目してほしいのが、股関節は大腿骨軸(水色破線)の延長線上にはないんですよね。 なので、股関節の屈曲・伸展も内旋・外旋も大腿骨軸に沿って行われていません。 ところが、解剖図ではだいたいの股関節の位置をわかっているつもりでも、感覚的には股関節は大

          股関節はどこにある?

          脱力して「立つ」ことができなければ、脱力して演奏することもできない

          「私、脱力して立ててます」という人は少ないと思います。 演奏は「立つ」「座る」という姿勢保持のための筋活動をしながら行うものです。 ただ単に立っているだけでも脱力できていないのに、そんな身体で演奏しても脱力できないのは当たり前。 普段から脱力できていないのに、演奏時だけ脱力しようと試行錯誤している人が多いですが、それはどだい無理な話なんです。 演奏する時だけ何かスイッチが入って脱力モードになるということはないんです。 ───────────────── 日常生活も脱力

          脱力して「立つ」ことができなければ、脱力して演奏することもできない

          身体感覚を養うことが上達への近道

          先日のトロンボーン奏者さん、最初は感覚が鈍くて、個人セッションのビフォーアフターであまり変化を感じられなかったけど、最近は感覚がシャープになってきて、演奏中に「身体のここが硬い」というのが具体的にわかってきたようです。 逆に気になって演奏しにくいこともあるかもしれないけど、これって誰もが通る道で、身体が緩んできた証拠なんですね。 何もしなくても硬い身体では、硬い/柔らかいの変化を感じられません。 ニュートラルな状態が柔らかいから、硬さを感じられる。 硬さを感じるから、これ

          身体感覚を養うことが上達への近道

          耳の不調の原因は?

          ピアノの先生をしている方から耳の不調をどうにかしてほしいと施術を依頼されました。 耳の違和感というか閉塞感というかそんな感じが、この時期になると毎年起こるそうです。 原因は何だったのか、結果から言うと腎臓の疲労でした。 夏から秋にかけて涼しくなる時には汗をかく量が減ります。 でも身体はまだ夏気分が抜けきっていないので、汗をかいていたのと同じ量の水分を出さなきゃとがんばります。 どうやって水分を出すかというと、おしっこです。 急に涼しくなってやたらとおしっこが近くなった

          よろしくお願いします

          はじめまして。音楽家が肩こりで悩むことのない世の中にしたい。 音楽家専門フィジカルトレーナーの藤本将人と申します。 脱力して楽に演奏するためにはどうすればいいか、肩が凝るのはなんとかならないものか、そんな悩みに対するヒントを書いていきたいと思います。