脱力するほど重くなる理由


弦楽器や打楽器や鍵盤楽器の演奏において、腕の筋肉で腕の質量を支えていたら、腕の重さは相殺されて、重さが楽器に伝わりません。

図でいうところの赤色と緑色の矢印がベクトル的にゼロになる。

腕の力が抜けた、いわゆる脱力した状態になれば上向き成分が減ります。
すると下向き成分が残り、腕の重さを活用した演奏ができるようになります。

この辺りは力学の知識がないとピンと来ないかもしれません。
残念ながら、高校レベルの力学の知識すら無い人は、身体の使い方を本質的に理解するのは難しいかと思います。
音楽家の中でも身体のことを学ぼうという意識の高い人は、運動学やバイオメカニクスなどのセミナーを受けに行ったりしていますが、力学の知識が無ければわかった気になって終わってしまっている可能性が高い。

そこで、物理にほとんど触れたことがない人だったり、物理に苦手意識を持っている人向けの物理学講義を毎月開催しています。
今月は1/24(日)19:30〜21:00。
年が明けてちょうどキリがいいのでゼロからスタートします。
Zoomでやっていますので、参加希望の方はご連絡ください。

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始めのうちは「重心とは何か?」について徹底的に叩き込む予定です。
演奏において「重心」というワードはよく出てきますが、重心についてきちんと勉強したことのある音楽家はほとんどいないでしょう。
レッスンで教える側の先生方も、おそらく重心とは何かをわからずに「重心」という言葉を使っているのではないでしょうか。

音楽家の方々は物理なんてほとんど勉強してこなかった人たちが多く、最初講義を聞いたときは皆さんポカーンとします。
でも半年くらい続けて聞いているとなんとなくわかってくるようです。
1年経てばそれなりに力学的に物事を捉えられるようになります。

演奏時に自分の身体がどうなっているのか、意識を向けるかと思いますが、「重心」を理解して意識を向けるのと理解せずに意識を向けるのとでは感覚が全く違ったものになります。
これは参加している人たちが共通して感じるものです。
ぜひその感覚を味わって、演奏に活かしてほしいと思います。

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日時:1/24(日)19:30〜21:00
形式:Zoom

ご連絡いただければ、共同主催者で事務的なことを取りまとめてくれている人にお繋ぎします。
受講料など詳しくはそちらでお聞きください。

お問い合わせは、メッセージ、メール、LINE、どれでもお気軽にどうぞ。

メール:
mitsukiseitai@gmail.com

LINE:
https://line.me/ti/p/BA5OSQWJIl

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ちなみに、90分ぶっ続けで物理の話をすると脳がついてこれずに白目むく人が出てくるので、別のコンテンツも盛り込みます。
健康・美容に役立つ栄養学の話とか。
これは別に、身体の使い方に全くの無関係というわけではありません。

演奏は筋肉が行っています。
筋肉を動かすにはエネルギーが必要です。
エネルギーを作る際に、ビタミン・ミネラルが重要な役割を担っています。
いくら身体の使い方を学んでも、栄養が整っていなければエネルギーを作り出せず、効率よく筋肉を動かせず、持久力の乏しい身体になります。

練習方法やトレーニングに着目して身体づくりに励む人が多いですが、身体は食べた物から作られています。
その辺の意識も変えていくことで、演奏に理想的な身体に近づくことができるでしょう。

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講師:藤本将人
京都大学 理学部卒業
京都大学 iPS細胞研究所勤務
認定体軸セラピスト

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