読書:『ある女の子のための犬のお話』ダーチャ・マライーニ
書名:ある女の子のための犬のお話
著者:ダーチャ・マライーニ
訳者:望月紀子
出版社:未来社
発行日:2017/10
http://www.miraisha.co.jp/np/isbn/9784624610418
何度か迷いつつも、いや、これは読まないといかん、買わないといかん、とつぶやきつつ買った本。
タイトル通り、女の子に語り聞かせる形式の犬の短篇集ですが、甘ったるい話ではありません。犬の命。犬生(?)について。犬を飼うとはどういうことなのか。
短篇集というより、ほとんどエッセイのようにも読める。
年老いた犬を、一度だけ、医者の言われるがままに「安楽死」させてしまうのだけど、その後悔がものすごい。犬だって死ぬ準備をする期間が必要だ。人間が勝手に「安楽死」させていいものではない。そもそも安楽死なんていうのは、人間側のエゴにすぎないのではないのか?
ほぼ犬の話ですが、最後のほうでは別の生き物の話にもなる。
猟師とカワウソの話があるのだが、アーサー・ミラーの『存在感のある人』に入っていた「ビーバー」にめちゃくちゃダブりました。こういうシチュエーションって海外では一般的なものなのかな。
いい作品集でした。
犬好きはもちろん、動物好きな人は読んでみてほしいと思う本でした。
こういう、一見、小品のように薄く、上質な本は憧れますね。
どこかレベッカ・ブラウンの『体の贈り物』を思い起こさせられたりもしました。あちらは人間だし、もちろん全然違う本なのだけど。どこか生命に対する姿勢のようなものが。
あっ、そういえば、レベッカ・ブラウン、新刊出ましたね。もう翻訳されないのではないかと悲しんでいたのですが。というわけで、次はレベッカ・ブラウンを読みまっする。
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