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読書:『7分間SF』草上仁

書名:7分間SF
著者:草上仁
出版社:ハヤカワ文庫JA
発行日:2020/3
https://www.hayakawa-online.co.jp/shopdetail/000000014482/

 草上仁さんの短篇は要するにショートショートなんですよね。長めではあるけれど。ユニークなアイデアでピシッと決まるオチ。SFとしてのアイデアも俊敏です。フレドリック・ブラウンのようだとかデビュー当時は言われていたような……

 話が進むにつれだんだん主人公がドツボにハマっていく……というドタバタパターンが多く、そのハマっていくさまが読んでいて楽しい。
 皮肉な終わり方をすることもあるけれど、ハートフルな、ほんの少し心あたたまるようなオチが来ることも多く、そのあたりがとても好きな作家です。
 そしてこの短篇集も外れなし。みんな面白かった!

 ただ、このタイトルはどうなのでしょうね……微妙。おそらく本人がつけたものではないと思うけれど。これの前に出た『5分間SF』というタイトルも。別に短さを売りにした作品でもなく、ほかにもよくある標準的な長さですし、なんでこんな売れなさそうなタイトルにしてしまったのか、どうもしっくり来ないんですよね。
 それと、各話の最初に挿入されている、内容をざっくり紹介した短文。人によるとは思いますが、ぼくは、ちょっとしたネタバレを軽くされているようで興覚めで残念でした。だってこうしたタイプの作品って、先入観ゼロの真っ白な状態で読むのが面白いと思うので……

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