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遠望17

第二次世界大戦で群馬県に空襲する飛行機のパイロットだったロバートは、撃墜され山の中で69年間暮らしてきた。そして記者会見で追及される。

 翌朝、前の日よりも早い朝食を終えてロバートと由季子、正一と三恵子の四人は敷地内の広い菜園や植栽に水やりをし、康一と今日子と美貴は夕べの来客が持ってきたプレゼントの整理をしていた。康一夫婦と、正一夫婦の知り合いや近所の人たちが次々に来て思わぬ宴会になったのだ。全員がロバートと由季子に初めて会うので、電話でおおよその話しを聞いていながらも興味津々に手みやげを持って挨拶にきていたが、今まで何十年も黙っていて水臭いと怒る人や、苦しかったでしょうねと涙を流す人とそれぞれの感情が交錯した宴会になった。それでも心を許している人たちが次々と集まってくると、応援団のような力強い後ろ盾を得たような安心感を越谷家全員が持つようになっていった。

 七時五十分に大型タクシーから三宅と姫野が降りると、越谷家の七人は庭に通じる芝生に置かれた長椅子でお茶を飲んでいた。
「え、なんだか朝から風流ですね。緋毛氈(ひもうせん)を敷いて野点ですか?あ、すいません。おはようございます」
 三宅は目の前の家族のありように、今日と言う日がどんな日だったのか一瞬戸惑った。
姫野も、記者発表を控えた越谷家の人々になんと言って緊張を和らげたら良いのか言葉をずっと考えていたのでこの光景には意表をつかれた。
「三宅さ〜ん、違うのよ。お爺ちゃん達がここに座って休憩していたからお母さんがお茶を持ってきたの。そしたらお父さんが【美貴、緋毛氈敷いてこい。絵になるぞ。三宅さん達来たらよろこぶぞ】って、お母さんが時々近所の人とやるからね、あるの」
「でも、飲んでいるのは普通の緑茶よ〜」
 三恵子が湯飲みを両手で持ち上げて見せたので由季子が手を叩いて笑った。
「僕と美貴はコーヒーだけどね〜」
 康一もコーヒーカップとソーサーを両手で持ち上げて見せたので今度はロバートが手を叩いて笑った。
「僕は初めてだけどお茶を飲むために足元の緑とお尻の下の赤い色をセッティングしてから飲むなんて、日本人のカラーコーディネィトのこだわりは面白いね〜。康一、もっと早く教えてくれたら僕たちも山でやったのに」
「お爺ちゃんたちの山のおうちは赤や黄色や紫や、色んな色の花がいっぱい咲いているから赤い布を敷かなくてもカラーコーディネィトは充分よ。山の冬は寒いから外では無理だしね」
 この家族の明るさに三宅は圧倒されていた。その素はやはりロバートから来ているのだろうと思うと一人一人の屈託のない笑顔に、長く凍結され緊張で繫がっていた家族の絆をこの数日の時間が溶けさせたのだと思った。
「え〜っと、なんと言いましたら良いのやら、僕もお点前頂戴いたしたいところですが、記者発表のお時間が近づいておりますので皆様、ご準備をお願い致します」
「わ〜、三宅さんナイスなお返しよ〜」
三恵子の声に笑いながらそれぞれ立ち上がり片付け始めた。
 
 車が走り出して五分ほどすると、
「三宅さん、この道、群馬放送への道じゃないですよね?どこに行くの?」
 美貴と同じく康一も三宅を見た。
「えっ!?言ってなかった?わぁ〜ごめんなさい。ホント?誰からも聞いてない?ごめ〜ん」
 三宅は助けを求めるように姫野を見た。
「美貴ちゃん、皆さん、ご報告が遅れてすみません。記者発表の会場は我が社ではなく、前橋市民文化会館の小ホールで行ないます。小ホールといっても六百人収容出来ます。昨日の段階で五百人を越える報道陣が参加予定ですので、それを予測してこちらに致しました。時間は九十分を予定しておりますがロバートさんと由季子さんのお年を考えて時間が延びないように、事前に皆さんの紹介を我が社のホームページからダウンロード出来るようにしていいます」
「初めて美貴ちゃんと山で会った時に来ていた人たちにも連絡を入れておいたので、三十人くらいは来るかも知れないね」
 五百人を越えると聞いて美貴は目を丸くして康一を見た。
「五十人も五百人も一緒さ。大勢来て一回で終わってくれたらそれにこしたことないよ」
「そうそう」
 由季子の隣でロバートもうなずいた。
 
 会場に着くと数十台の中継車が停まっていた。控え室に案内されると大筒が一人の男性と話しをしていて、美貴たちに紹介した。
「お待ちしておりました。彼は我が群馬放送のアナウンサーで竹内と言います。ニュース番組などで見たことが有るかもしれませんね。彼が本日の司会進行を担当します。彼は英語が堪能なので外国の記者の質問も通訳してくれます」
 紹介された竹内は立ち上がり、一人一人と握手をして四人をソファーに案内した。
「つい先ほどから会場ではスクリーンに映像が映し出されています。美貴さんが初めて山でカメラの前に立った時から、正一さんご夫婦のインタビュー。これはロバートさんと由季子さんの出会いや康一さんが小学校に上がると平日は正一さんたちの家から通い、週末は山へ帰るという暮らしをしてきたこと。そして山の家の外観、その家の中でのロバートさんたちのインタビュー、そして籠で降りるまでの映像を三十分に編集しました。全ての会話に英語のテロップが流れます。その動画のデータは資料映像として自由に使っていただけるよう我が社のホームページからダウンロード出来るようになっています。これは我が社から積極的に映像を提供することで今日の記者会見が終わった後に越谷家の皆様の元へ取材が殺到しないようにと大筒さんや三宅君たちが考えたものです」
 竹内のよどみない説明は分かりやすく、美貴はさすがアナウンサーだと感心した。
「一応僕も何かのときの為に竹内の補佐として皆さんの後ろに座る予定です。三宅、姫野。皆さんに何か説明することあるか?」
「いえ、何もありません。越谷家の皆さんはとても落ち着いておられます。スムーズに進むことと思います」
 先ほどの野点の光景を思い出して姫野もうなずいた。その時、会場に響くどよめきが控え室まで聞こえてきた。
「今のはどのシーンかなぁ?」
 大筒に聞かれ竹内は腕時計を見て、
「時間的に山の家が写り、ロバートさんが出てきた頃ですね。大きなどよめきもうなずけます。森の精霊が住んでいそうなあの家と、そしてやっと顔が見られたのですから。ということはそろそろ映像も終わりですね。皆さん、トイレに行かれるなら今、お願いします」
 由季子が「はい」と手を挙げて美貴が連れ添ってトイレに立った。
「それにしましても皆さん、ホントに自然体でいらっしゃいますね。気負いも、緊張もなく落ち着いておられて。二十歳の美貴さんまでも。司会進行役として、時間を出来るだけ越えないようにする為に記者たちの質問をさばいていくことはもちろんですが、皆さんのお答えが留まることが気がかりだったのですが余計な心配だったようです。心から敬服いたします」
「いえ、ただこれまで生きてきたことを話すだけですから。父には厳しい質問もあるでしょうけれど八十九歳に怖いものなど何もありませんよ。な、親父」
「怖いのは由季子さんと美貴ちゃんだけだよ」
 そう言ってロバートは三宅と姫野に向かってウィンクをした。
 扉をノックする音がして一人のスタッフが入ってきた。
「資料映像終わります。竹内さんスタンバイお願いします」
「では、行きましょう。先に私が注意点などを会場の記者さんたちに説明しましてから皆さんをお呼びしますので、袖でお待ち下さい」
 姫野が「美貴ちゃんたちを呼んできます」と、トイレに向かった。
映像が終わり会場の照明がつけられると竹内がステージに立ち、幾つかの注意点を説明した。始めに日本語で、次に英語で。ロバート夫妻が高齢な為会見時間は九十分とするので質問の重複は避けてほしい。この記者発表はインターネットでも生中継していて、これからの質疑応答はリアルタイムでその動画のページに日本語と英語が掲載されるので了承してほしい。手を上げた記者を指名するときは会場が広いので自分が持っているレーザーポインターでその記者の胸元を照射する。そして出来ればロバート家族のプライベートな空間には押し掛けないでほしいと話し、四人をステージに呼んだ。
 始めに康一が、次に美貴が。そして由季子とロバートが手を繋いでステージに表れると会場が割れるような大きな拍手が轟いた。この大歓迎を竹内は想像していなかったので思わず大筒を見ると彼も驚き、会場を見回しながら拍手をしていた。
 客席の最前列でノートパソコンを開きながら作業している三宅と姫野も後ろを振り返り、ほぼ全員がスタンディングオベーションをしている姿を見て感動した。
 この会場に大勢来ているアメリカ人記者たちは、アメリカに帰国しなかったロバートに非難の目を向けているものもいるだろう。しかし生きて人々の前に出てきたことにまずは尊敬し、歓迎していること伝えているのだろうと思うと三宅はその考え方に震えた。
 姫野は小さな声で「スゴイ」とつぶやいている。
 竹内が両腕をまっすぐ上に上げ、大きくゆっくり左右に降ろして拍手を終わらせた。
「皆さん、ロバートさんたちを歓迎していただいてありがとうございます。では四人を紹介します」
 そして一人づつ名前を呼びながら椅子に誘導した。
 大勢の記者が手を上げる中、竹内が最初に指名したのはアメリカ人の若い男性記者だった。竹内は彼の言葉を感情を入れず丁寧に通訳することに努めた。
「ロバートさん、ご帰還おめでとうございます。あなたが徹底した平和主義者だということは先ほどのインタビューで理解しました。あなたが戦争が終わっても山を降りなかったことには疑問がありますがそれは他の記者の質問に任せましょう。私が聞きたいのはあなたはアメリカに何を望んでいたのか?ということです」
 いきなりの核心を突いた質問に竹内は最初は日本人を指名するべきだったと悔いた。ゆるやかにはじまり、徐々に核心に近づいていこうと考えていたのだ。しかし、アメリカ人たちはそこが最も知りたいことだと理解し、始めから全開で行こうと切り替えた。
 ロバートはためらうことなくすぐに応えようとしたが、英語での質問に英語で応えようとしたため初めは言葉に詰まることもあった。だが焦ることなく落ち着いて一語一語考えながら話すことでだんだんと思い出し、伝えたいことはしっかり話せるようになっていった。竹内はロバートが話し終えるまでメモしながらじっくり待って通訳したので、英語を理解している人とそうでない人の間にリアクションの時差が出来たがそれで構わないと判断し、常にロバートの発言を最後まで待ってから通訳するように決めた。
「僕はアメリカに変わって欲しかった。アメリカが変わるには僕も変わらなければいけないと思ったんだ。でも、僕は弱い人間だったからみんなの前で変わることは出来なかった。だけど一人だけ山の中で変わっても誰にも伝わらなければ意味のないことだって気づいたんだ。だから六十九年もかかったけど僕は皆さんの前に出てきたんです。僕はアメリカを愛している。アメリカは世界中から愛される国だよ。そのことにどこの国も疑問を持たないような国になってほしかった。例えば野球を見るときは右手にホットドッグ左手にコーラを持つのがスタンダードであるように、世界中の人がアメリカの話しをするときは左手にコーラ、右手には公園で追いかけて捕まえてきた白い鳩を持ってから話すような国にね」
 会場が爆笑に包まれた。質問した記者も「ファンタスティック」と言って廻りを見渡しながら座った。
 竹内が次に指名したのはアメリカ人の女性記者だった。彼女は自分は敬虔なクリスチャンで典型的なアメリカ人だと説明してから質問した。
「ロバートさん、ご帰還おめでとうございます。戦争が良くないことは当然です。ですが世界には様々な問題が有ります。経済の格差や貿易の不均衡。文化の違いによるトラブルや宗教の違いによる紛争等。これらを解決する手段として残念ですが戦争も一つの手段です。それはあなたが山の中にいた六十九年前と何も変わっていないと思いますがどうお考えですか?」
 ロバートは美貴の顔を見てそして自分の頬を軽く叩いたが、静かな会場では思いのほかその音が響いた。
「僕は哲学者でも経済学者でもないんだけどなぁ。それは質問する相手が違うような気がするけど孫の美貴のように美しい方からの質問に応えないわけにはいかないな。僕はこう思うよ。自分たちが信じる神が唯一の神だと思い込まないでほしい。僕は六十九年間山にいて気づいたことがあるんだ。自然の中にこそ神がいるんだって。花にも、河原の石ころにも、毎年美味しい実をつけて恵みをくれる木にも神がいる。空を飛ぶ鳥にも神は宿っている。それは地球の反対側に住む人たちのところも同じさ。だって、そこにも太陽の光は明るく輝いて、月は幻想的に光っているんだもの。それに気づいたら全ての神様に失礼なことは出来ないよ。僕と由季子さんは康一が赤ちゃんだった時に山の精霊の声を聞いたことがあるんだ。山全体に響く声だったよ。その声のお陰で康一の命は助かったんだ。あなたのその美しい瞳にも魅惑的なくちびるにも神は宿っていると考える男性があなたのパートナーなら、あなたの人生は素晴らしいね」
「ロバートさんは奥様の瞳に神が宿っているとお考えですか?」
「瞳だけじゃないよ。僕は由季子さんの髪の毛一本一本に、そして愛らしいまつ毛にも神がいると思っているよ。大勢の神の融合体で由季子さんの生命はできていると思っているんだ」
 会場はまたも大きな拍手が轟いた。そこはいつのまにかロバート劇場となっているかのようで、おそらくここにいる全員の心をロバートは掴んだと竹内は思い、六十九年間家族以外に誰とも会うことのなかった人物がなぜこのようなことを成せるのか後日分析しようと考えていた。
 竹内は次もアメリカ人記者を指名したがそれはその記者のでっぷりとしたお腹が自己抑制の苦手な六十代を表し、意地悪そうな目つきをずっとロバートに向けていると感じていたからだ。
「ロバートさん初めまして。ここは日本なので、ご帰還おめでとうございますとは私はまだ言えません。あなたがアメリカに帰ることが出来るかどうかも分かりませんしね。アメリカは戦争ばかりしている国だからあなたは帰らなかったと先ほどの映像のインタビューで話していましたね。では、どうすればこの地球から戦争は無くなると考えていますか?」
 ストレートな質問に会場がざわつきはじめた。三宅と姫野も会場の空気が一瞬冷えたように感じ、竹内にロバートのサポートをしてほしいという顔を向けた。竹内はその気持ちは十分に伝わったがロバートの返しが楽しみでもあった。
「う〜〜ん、僕は山の中に六十九年間いたので、今の世界情勢や動向は皆さんのほうが詳しいと思うけどねぇ。でも聞かれたから僕の考えは話しますね。バカみたいだと思っても良いですよ。暴力でお互いに大切な命を奪い合って、憎しみの連鎖を繰り返して相手の領土を奪うというのはいつか止めないと大変なことになると思うんです。だから領土を奪い合うのではなく「飛び地」という形で相手の国に場所を借りることにしてそこでお互いの国民が文化を交流させながら発展させていくという方法もあると思います。戦争をするのではなく、例えばかつての西ベルリンのようにほんの少しの土地を借りるのです。そこで両国民がミーティングをしたり、商売をしたりするだけでいつの間にかアメリカは相手の国民の気持ちを取り込むことが出来ます。それがアメリカの魅力なんです。だってアメリカは、あれほど激しく長く抵抗して闘ったベトナムでさえ、今はアメリカの文化が大好きだと思っている人が大勢いるんでしょう?アメリカは暴力を必要としないほど魅力に溢れているんです。アメリカのスマイルと、明るいカルチャーで世界を征服することが出来るんだと僕は思います。君のその大きなお腹もアメリカの明るいカルチャーとコーラとホットドッグできているんじゃないかな?」
 次に竹内が指名したのは若い日本人の女性記者だった。
「由季子さんにお聞きします。六十九年間を一言で言うのは無理かと思いますが、日々どのように暮らしてこられたのでしょうか?」
 竹内が英語で訳しているあいだ由季子はロバートと目を見つめ合いながら笑っていた。
「私には簡単な質問をしてくれてありがとう」
 竹内の素早い通訳で会場が一斉に笑った。
「ロバートのような難しい質問が来たらどうしようかと思ってたわ。毎日の暮らしを話せばいいのね。私たちの一日はとても忙しいのよ。食べるものを自分たちで作っているとねやることが沢山あるの。毎日四時頃に起きてお茶を飲んでから外に出るの。作物に水やりをして草抜きをして気がついたらもうお昼になっているのよ。ご飯を食べて一時間ほどお昼寝をしてまた畑に行くの。時には蜂蜜を取ったり、お茶を煎ったり、お皿を焼くこともあるし、薪拾いにも行かなきゃね。鳥や虫の声を聴いたり、風や雲の動きを目の端で追っていると急に太陽さんが話しかけてきたりすることもあるのよ。明日は雨になるから今日中に胡椒の実を収穫しなさいとか洗濯物を干しなさいとかね。電気はあるけど洗濯機はないので手で洗っているの。二人分だから手洗いで充分なの。夕ご飯を食べてテレビのニュースを見て二人で色んなことを話すともう眠くなるのね。でも時々アメリカがどこかの国に空爆をしたというニュースが流れるとロバートは涙を流しながらなかなか寝付けずにいるから二人で眠くなるまで話しをするの。週末は弟の正一や美貴ちゃんが来てワインが飲めるから待ち遠しいわ。大体こんな日々よ」
「ありがとうございます。素敵な暮らしですね。お二人の若々しさの理由が分かりました」
 その後、康一にはハーフを隠して生きてきた辛さや奥さんに初めて打ち明けたときの反応などの質問があり、美貴には山の暮らしと街の暮らしのどちらが好きかなどの質問があった。
 最前列にいる三宅がホワイトボードに書いた指示を竹内に掲示したのは、アメリカ人記者がもしアメリカに行けたら何をしたいかと質問をし、ロバートがそれに答えている時だった。越谷家の後ろから三宅のボードを見た大筒は竹内に目で合図し、自分の椅子を持ってステージの横に移動した。
 その合図で竹内はロバートに近寄り大げさに深呼吸してみせてから「プレゼントがあります」と囁いた。
 「越谷家のみなさん、一度椅子の向きをスクリーンに向けて座り直して下さい。スクリーンを見て欲しいのです」
 その言葉に康一と大筒がロバートを、美貴と竹内は由季子に手を貸して椅子の向きを変えた。何が起こるんだと会場がざわついていると照明が落ちてスクリーンが光った。
「たった今、アメリカにいるウォレスさんとテレビ電話が繫がりました。スカイプです。ウォレスさんがいらっしゃるジョージア州アトランタは現在夜の九時を過ぎたあたりです。では画面をどうぞ」
 小型カメラがスクリーンの下に置かれると同時にウォレスが画面に映った。その瞬間ロバートが「オーマイガッ」と叫び声を上げた。

遠望18(5月7日)へ続く。1から読みたい方はこちら。


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