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LAST MONTH Episode9

<今回の主人公について>
2023年入社。先進工学部、情報メディア工学科卒業。
入社後、システムエンジニアとして渋谷に配属。
よく徹る声と、大きな笑顔で、周りの空気を活気づけてくれる彼。
好きなことにはひたむきになるタイプで、聞くと丁寧に教えてくれるので、仕事でもお客様に分かりやすく説明をしてくれそうだなと想像しています。

忘れられないカレーの味とグータッチに込めた想い

2023年4月、私は社会人となった。これからは、希望や期待、そして不安等、様々な感情に溢れた日々を歩むことになるだろう。社会人という新たなステージを前に、大学生活最後の1か月、私が何を考え、何をしていたのか振り返りたいと思う。

2023年3月初旬。入社迄残すところ約1か月。「とうとう学生生活が終わるのか」と感じた出来事がいくつかあった。
まず、1つ目の出来事は「アルバイト先で行われた卒業式」である。

アルバイト先は自分自身が中学まで生徒として通っていた塾で、大学1年から4年まで講師として働いた。振り返ると、これまでの人生の約3分の1をこの塾と共にしてたことになる。そのアルバイト先が私に対して 卒業式を行ってくれるというのだ。その卒業式では後輩たちから沢山のメッセージと贈り物を貰ったり、同期や後輩、社員の方と写真を撮ったりするなど、盛大に催され、大いに楽しむことができた。

式が終わり、「そろそろ、飲み会の会場に向かおう!」という同期の声が聞こえたので、皆ぞろぞろとエントランスに向かい、私も靴を履き始めた。
その際、ふと、同期の一人が「ここを通るのも今日で最後か~。実感が湧かないね。」 と言った。

私は目前のエントランスを見て、そうかと気付いた。「ここを通るのも今日が最後になる」と。
その後は、同期や社員の方と朝まで飲んで、語りあった。
それはもう、本当に楽しい時間でしかなかった。
ただ帰り際、塾を出る際の同期の一言を思い出し、このメンバーでこうして過ごすことも当たり前では無くなってしまうのだなと切なくなった。

2つ目の出来事は、「学会発表」である。
学会発表は3月上旬にあった。ほとんどの大学生が1月末から春休みを迎える中、私は大学に足繁く通い、新しくデータを取ったり、発表資料の作り直しをするなど、多忙な日々を送っていた。学会発表当日、極度に緊張しながら出番を待っていたが、気力を振り絞って発表を行い、無事に終えることができた。学会発表の帰り、教授から「これまでよく頑張ってきた」と労いの言葉をいただいただけでなく、カレーをごちそうしてくれた。

その時のカレーの味は今でも覚えている。そして、これからも忘れない。

次の日から、私が大学に通うことは無くなった。早起きしなくても良い朝、だらだら過ごしても問題ない日々に、学生生活の終わりが近いことをひしひしと感じた。同時に「まだまだ遊びきれていない」という感情が沸き上がった。それからの私は、週5日で研究室にこもっていた分を巻き返すように遊んだ。

週1回のペースで、深夜にラウンドワンに行き、友達とボウリング。体力の続く限りボールを投げ続けた。いつの間にか店員さんに顔を覚えられるまでになった。
それから、旅もした。「せっかく旅をするなら面白いことをしよう」と決めていたので、私を含めメンバー全員の地元である埼玉で、「それぞれが1番おすすめする食事」を1日巡る旅を計画し、色々な場所を訪ねた。
長い間暮らしてきた埼玉ではあるが、まだまだ知らない場所があることを知った。

おすすめする食事で回った時の写真

静岡旅行の際は、ChatGPTが作り出した計画に合わせて行動をした。しかしながら、ChatGPTが教えてくれた移動時間が間違っていた為、ひとつも予定通りに事が運ばず慌ててメンバーとスケジュールを調整したり、行き先を変えたりするなど・・・まあ、それはそれで楽しい旅の思い出になった。
他にも、様々な友達と集まった。時には家でゆっくり飲みながら話をしたり、ダーツやゴーカートに出かけ勝負をしたりと、素晴らしい思い出を作ることができた。

友達とゴーカートに乗った際の写真

ついに大学の方の卒業式を迎えた。以前から仲良くしていた友達や、授業のオンライン化で長らく顔を合わせていなかった友達などとも会うことができた。

「最近元気にしていた?」という近況報告もしたが、「どんな会社に就職したの?」「実家から会社まで遠いけど一人暮らしはするの?」等、自然と今後の話になっていった。
大学生活の半分がコロナ禍だったこともあり、「もっと充実した生活にしたかった」「まだまだ大学生でいたい」という想いも沸き上がり、少し切なくなった。
式典後は、研究室で友達とダーツをしたり、写真を撮ったり、和気藹々とした時間を過ごした。そして友達と大学を出て、居酒屋へ。
大学生として参加する最後の飲み会。
楽しい時間も気付けばあっという間に終わってしまった。
解散するとき、友達と 「社会人がんばろうな!」 と言葉を交わし、グータッチをした。

後ろ髪を引かれる様な感じで優しくする人、期待溢れるように勢いつけてする人・・・。みんなの拳を受け終えた後、私は社会人になる自覚が改めて芽生えた感じがした。
「これから、社会人に向けて気持ち切り替えていきますか!」
そう思いながら、一人、終電に乗り込んだ。

そして今、私は入社式を終え、新入社員研修に参加している。当然覚えることばかりで不安がないわけではない。しかし、同期は頼りになる人、面白い人ばかりであり、役員の方々も親しみやすい雰囲気で接してくれ、「私はあたたかい環境にいる」と実感し、安心した。
この先、厳しいことも辛いこともあるかもしれないが、色々な人に支えられ、成長しながら社会人として立派に歩んでいこう、と心に決めた。


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