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「Sally」 歌詞と曲解説

Sally             
            作詞・作曲 光32

交わらない道の途中で 出会った二人は
進めない でも戻れない そんな世界を 

綱渡りで歩いて行く 後先も知らずに
刹那の記憶を 残すためだけに

また…会えるかな?
まだ…会えないね?

不確かな約束は 虚空に揺蕩う

キミの身体の名残りが 僕の記憶から消える前に
もう一度このドアを 一緒に開いてほしい

キミの声の残響が 僕の鼓膜から離れる前に
会いに行くから きっと会いに行くから

君はそこで待ってて

今 会えないことよりも
いつか 会えなくなる日のことが…

この歌が届くころ キミは何処にいるんだろう?

キミの身体の名残りが 
僕の記憶から消えた時には
約束のあの場所に もう一度 探しに行くから

キミの声の残響は 僕の鼓膜から離れはしない
忘れないでね ずっと忘れないから
君を見つけた あの日のことを


【曲解説】

恋愛には様々な形がある
クラスメイト、幼馴染み、同僚や先輩後輩
何処で誰と誰が出会うか計り知れない

そして身分差や違う世界の男女の仲
例えば王宮のお姫様と町男、
遊女とどこにでもいる平凡な男…など

恋の結末は
そのどれもが悲劇的になればなるほど
物語を読む人たちは心を奪われる。

だが当事者からすればこんなにも辛く悲しい
結末があるだろうか?と泣きたくなる。

「Sally」の歌詞を書きながら思ったこと

これまで自分が書いてきた歌詞は
悲しい結末を恐れるが故

ありきたりなハッピーエンドを
描いたものばかりだったのでは?と。

詳細な歌詞の解説については
内容を聴き手の想像に委ねたいこともあり

固定観念や世界観の押し付けはしたくないのでざっくりと書きたいと思う。

まずひとつ言えるのは
男ってのはいつもカッコつけたがって
理想や幻想の中で生きたいと願っている、

そして女性はいつでも現実を見つめているが
時々、男が描く夢の世界に付き合ってくれる

そんなものではないだろうか?と言う観点から
書いた歌詞であると言える。

まずAメロの部分では早速遠回しに
カッコつけた言葉を投げかける男。

要は叶わぬ恋のような関係と知りながら
運命の糸に導かれるように

出会うべくして出会った二人について
饒舌に語っている。

そんな夢見がちな理想論を現実に引き戻し
問い掛ける女性…

「また会えるかな?」「まだ会えないね」と。

そして男はサビで本音を吐露する…

サビの歌詞を読んだだけでは
所詮身体だけの関係なのでは?

そう思われる方も多いだろう。

もちろんそんな大人の関係性も含まれた上で
それだけではない何か、
それを見つけることがこの曲のテーマ。

客観的な目線で始まるAメロに続き
女性からの問い掛けで
現実に引き戻される男性を描いたBメロ

そしてサビで男性から本意の告白…と言う
ストーリー仕立ての歌詞に仕上げたつもりだ。


ではこの二人の関係性とは何ぞや?

遠距離恋愛や多忙でなかなか会えない二人、
そんなのかも知れない

私個人は不貞や不倫を良しとしないため
そのテーマで歌詞を書くことはないが

そんな捉え方を揶揄される可能性もある。

要は聴き手の境遇に重ねられるような
そんな世界を表現できれば、と言う想い。

「交わらない道の途中」
「このドアを一緒に開いてほしい」
「約束のあの場所」

比喩表現になってはいるがこの辺りの言葉から
想像を膨らませてみるのも面白いかも。

そしてこの曲で語る“男の本音”に
次曲の「『女』」で女性目線で答えてゆく、

いわゆるアンサーソングになっている。

この曲の後半で男性の想いがネガティブになり
そして「『女』」で女性も同様に…

運命的な出会いを果たしながら
いつしか同じ想いを描くようになるふたり。

そう、この関係性を続けることへの
不安と葛藤…

なぜ?
このふたりが結ばれることがないのか?
これがこの曲の最大のテーマである。

MVの中でも2曲の中で敢えてじ画像を使い
その関連性を示唆している箇所がある

つまりは2曲でひとつ、
“組曲”であると言う解釈も出来る。

愛や恋と言った言葉だけでは片付けられない
運命らしき糸のような何かに導かれるように
出会ったふたり

そしてその行く先は…?

明るい曲調と相反するネガティブな歌詞

男性はいつでも“始まり”を忘れず
女性はいつでも“終わり”を想定する…

そんな複雑に絡み合う男女の心理などを
汲み取りながら聴いてもらえると嬉しい。

最後にこの曲の紹介ツイートを掲載して
終わりとさせていただきたい。

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