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防災に関するアンケート調査≪2024年≫-高まる意識・食料備蓄は約6割が取り組むも持ち出し袋常備は4割

毎年9月1日は「防災の日」です。先日発表された南海トラフ地震臨時情報で地震への備えが呼びかけられたことによって、より一層防災への意識が高まった方も多いのではないでしょうか。そこで今回は、全国のPOB会員3,003人(平均年齢50.8歳)に、「防災に関するアンケート調査」を2024年8月13日~8月14日に実施しました。


防災に対する意識

まずは、POB会員に防災に対してどれぐらい意識をしているのか尋ねました。

昨年に比べて意識が+2.9Pt高まっている

防災に対する意識の変化を尋ねると、ここ数年で「高まった・少し高まった」と回答した人は44.7%、昨年にくらべ2.9Pt高まり、意識レベルも微増していました。

「防災」を意識するタイミング

続いて、「防災」を意識するタイミングについて尋ねました。

9月、3月、8月の順に意識が高まる

1923年に発生した関東大震災をきっかけに定められた「防災の日」がある「9月(19.9%)」、大きな震災のあった「3月(11.4%)」「1月(7.6%)」、また、先日「南海トラフ地震臨時情報」が発表された影響もあり「8月(8.2%)」と回答する人が高い傾向でした。九州・沖縄地方に近づくにつれ、水害が起こりやすい時期に意識される傾向も見られます。

意識する時期があると答えた人を地域別にみると、「東海地方(60.9%)」「北海道・東北地方(60.3%)」「関東地方(58.0%)」の順に多い結果となりました。

災害への備え

どれぐらいの人が災害に対して備えを行っているのか調査しました。

持ちだし袋を用意している人が増加傾向

その結果、指定避難所を把握している人は7割、非常用の持ちだし袋を用意している人は4割となりました。また、自宅に非常食を用意している人は56.2%で、その内7割の人がおおよそ3~4日分以上の食料を準備していると回答しました。

「気づいたタイミングで持ち出し袋を見直したりする(30代女性)」
「9月は防災をよく耳にする時期なので、持ち出し袋の中身をチェックしている。(50代女性)」
「食料、懐中電灯、ゴム手袋、など防災用品はこまめに消費期限をチェックして備えている(60代男性)」

自宅に備蓄している非常食ランキング

実際に、どのような非常食を備えているのか調査しました。

「飲料水(72.7%)」が最も多い

自宅に非常食を用意していると回答した人を対象に調査を行ったところ、「飲料水(72.7%)」が最も多く、次に「カップ麺(64.0%)」「レトルト食品(カレー・シチューなど)(60.4%)」が続き、「缶詰(魚)(54.3%)」も半数以上の人が備蓄していると回答しました。

「非常用として水、食料は備蓄してある(50代女性)」
「最近地震が多いので、防災グッズ保存食を準備した(40代女性)」
「なるべくいつでも食料などを備えたり、賞味期限チェックをする様にはしてる(50代女性)」

 非常食への意識

ローリングストックを22.6%が実践している

「ローリングストック」とは、備蓄食品の消費と買い足しを繰り返すことで、常に一定量の食品が家庭で備蓄されている状態を保つ方法です。ローリングストックを22.6%が実践していると回答しました。災害への意識が高まったこともあり、半数を超える56.8%が「ローリングストック」の意味を理解していると回答し、昨年より+8.2Pt増加しています。

合わせて非常食をどのように選んでいるか尋ねたところ、「長期間保存できる(賞味期限の長さ)(77.4%)」が最も重視され、次に「食べやすさ(調理のしやすさ)(51.8%)」が続きました。

「あれが減ってるな、これがあったらいいな等常に考えている(50代女性)」
「賞味期限切れにならないようにしています(60歳代女性)」
「それぞれの賞味期限により入れ替えの時期が異なるので気を付けている(30代男性)」
「食料の賞味期限が毎月ありローリングストックで買い足ししている(50代女性)」

一方で、実行になかなか移せないという声も聞かれました。

「しないといけないとは思っているのですが、なかなか実行できていない。(40代女性)」
「常々意識しないといけないと思いつつ、ついつい忘れがちになってしまうので(50代女性)」
「考えないといけないとは思うけど忙しさでなかなか実行できていない(50代女性)」 

レシート分析:ドライシャンプー

夏季・震災の意識が高まる時期で出現数が高まる

ドライシャンプーは、水や湯を使わず、洗い流す必要のないシャンプーです。猛暑の影響もあってか人気が高いヘアケア商品ですが、大規模な災害が相次いだことで災害備蓄品としてメディアやSNSに取り上げられ広く知られるようになりました。

上記は、ドラックストア利用で投稿されたレシートデータから、1000枚当たりの「ドライシャンプー」の出現数を分析したものです。

汗が気なる時期になると「ドライシャンプー」の出現数が上昇している様子がみてとれます。
前出のアンケート調査で震災への意識が高まると回答された「1月」「3月」も増加しています。また、2024年8月は昨年の同時期と比べると、1000枚当たりの出現数が+0.26個増加しています。

コメントからも、「ドライシャンプー」は身だしなみだけではなく、災害の備蓄アイテムとしても関心が高まっていると考えられます。

「災害時などお風呂に入らないときのために備えておきたい(30代女性)」
「災害時に水は貴重なのでドライシャンプーは役立つと思う(60代女性)」
「災害時にボランティア活動を行った際、入浴できないのでドライシャンプーを使っていた。(50代男性)」

「防災の日」のほかに「防災品点検の日」があります。「防災品点検の日」は 3月1日・6月1日・9月1日・12月1日の年4回です。これを機に、自宅の備蓄品等を見直す機会にしていただくのはいかがでしょうか。

今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。データに関してご質問等ある方は、お気軽にお問合せください。

POBデータサービスにご興味がある方は、以下からご確認ください。



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