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アルコール飲料の実態調査-【外飲み】【家飲み】【コロナ禍の変化】とは?

今回は、一都三県在住のPOB会員(平均年齢48歳)に、「アルコール飲料に関する意識調査」を2022年5月27日~5月28日に実施しました。

コロナが蔓延してから、私たちの生活とアルコール飲料の関わりはどのようになっているのでしょうか。アンケート結果とレシート分析から実態を調査します。

【外食】と【自宅】でお酒を飲む頻度

まずは、現在の【外食】と【自宅】でお酒を飲む頻度について尋ねました。

月1回以上の飲用率は、外食・自宅ともに半数以上

月1回以上の飲用率は、【外食(51.7%)】、【自宅(86.4%)】となりました。アンケートを取得した現在(2022年5月末)、まん延防止等重点措置などの制限はありませんが、外食での飲用率は半数に留まりました。
回答者のコメントから、コロナ禍以降は外食が減って家でお酒を飲むことが増え、その生活様式が習慣化されている様子が伺えます。

「コロナが流行っているので家で飲むことの方が多い (20代女性)」
「今年になってからは、たまに外食したときに飲酒することが多い。ただ、コロナ禍以前よりは外で飲酒する頻度は減った。(30代女性)」
「最近は外へ飲みに行く頻度がじわじわ増えていますが、まだ友達と会う時も家飲みがメインです。(40代男性)」
「昨年外食は1年に3回ほどしましたが、今年はまだ一度しか外で食事をしていません。デリバリーの利用が増え、家で食事をすることに慣れてしまったため、外にお酒を飲みに行かなくなった。(50代女性)」
「やっと少しずつ外飲みの機会が増えて来たものの、まだまだ本格的に飲み歩く気分ではありません。逆に家飲みは既に習慣になっています。(60代男性)」

外食より、自宅でお酒を飲む頻度が高いことがわかりましたが、どんなお酒がよく飲まれているのでしょうか。更に調査を深堀りしていきます。

お酒を購入する際に最も重視するのは?

下図は、お酒を購入する際に最も重視することを尋ね、男女別に比較をしたものです。

男女ともに「味」を最も重視する

最も重視するのは、男女とも「味」となり、「価格」を上回りました。特に女性は「味」を重視する人が男性より10ポイントほど高く、更に「アルコール度数」、「糖質」、「カロリー」等の8項目がいずれも男性より回答を集めています。

自宅ではどんなお酒を飲用している?

続けて、自宅で飲用しているお酒の種類を尋ねました。

男女とも「ビール」が最も飲用されている

男女とも最も飲用するお酒は「ビール」となりました。
特に男性は「ビール(83.2%)」の飲用率が他のお酒に比べ高く、続く「チューハイ・サワー(57.9%)」を25%以上引き離しています。その他、「新ジャンル(第3のビール)(44.5%)」、「焼酎(27.1%)」、「ウイスキー(22.7%)」といった種類の飲用率が女性よりも10ポイント以上高いことがわかりました。
一方、女性は、「ビール(68.9%)」、「チューハイ・サワー(66.6%)」の2種類がほぼ同率で並び、その他「ワイン(33.9%)」、「カクテル(21.6%)」、「果実酒(17.9%)」が男性よりも10ポイント高いことが見て取れます。いずれの種類も飲用率が10%以上であることも特徴的です。

お酒を重視するポイントと飲用する種類から、男性はある程度決まったものを選び、女性は好みや趣向が多岐にわたる傾向があると言えるでしょう。コメントからもその様子が伺えます。

「ウイスキーはバーボン、焼酎は芋と好みのものを購入する(30代男性)」
「スーパードライが好きなので、アサヒのビール系を選ぶことが多い。(40代男性)」
「ビールが多いので、決まったビールを購入することが多い(40代男性)」
「ビール系とウイスキーが好き(60代男性)」
「あまりお酒感がないフルーツ系が好きだから、果汁の量が多いものを選ぶ。(20代女性)」
「色んな味を試してみたいのでチューハイを購入している。(30代女性)」
「その時の気分によって変える。普段は甘い缶チューハイ。時々気が向いたらビール。(40代女性)」
「甘い系のワインか梅酒のような果実物が好き。」(50代女性)

レシート分析:【スーパー・コンビニ】アルコール飲料構成比 推移

昨年は緊急事態宣言が複数回あり、自粛期間も長く続きました。そこで次は、スーパーやコンビニで購入されるお酒の量にどのような変化や影響があったのか、レシートデータから分析します。

第2回目で2業態とも上昇傾向

上図は、各業態の購入金額総額とアルコール飲料の購入金額から算出した「アルコール飲料構成比」の推移を表したものです(購入場所:スーパー・コンビニ、エリア:一都三県)。コンビニの方が購入点数が少ないため、スーパーよりも構成比が高いことが特徴です。

2021年に複数回あった緊急事態宣言の期間に注目してみます。第2回目(2021/1/8~2021/3/21)の期間では、スーパー、コンビニともにアルコール構成比が上昇、その後も微増しますが全体的に下降傾向となります。ステイホームにも慣れ、発令される間も短いことから、緊急事態宣言が出ても2回目ほど生活変容がなくなったためと言えるでしょう。

コンビニは、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置期間の前後で構成比が大きく上下する傾向があります。アンケート回答者がお酒をよく購入する業態は、スーパー約7割、コンビニ約5割ですが、お酒を購入する頻度に着目すると、コンビニで購入すると回答した人の方が頻度が高いことがわかりました。スーパーより気軽に立ち寄れるという点の他、コメントからクーポン発行といったプロモーション等の影響もコンビニをよく利用する要因のひとつであると推察されます。

「コンビニアプリでクーポンが配信されたタイミングで購入する(20代男性)」
「計画的に購入するときにはスーパーマーケットで、急に飲みたくなった場合にはコンビニで購入することが多い。(20代女性)」
「普段の食料品の買い物と一緒に買うことが多いのでスーパーか、急遽お酒を買うことになった場合は近くのコンビニで買うことがある(30代女性)」
「スーパーでは食材のついでに買ったり、コンビニではクーポンなどを利用する目的で行きます。(30代女性)」
「重いので家の近くで購入する。出かけた帰りに気軽に買って飲める(40代女性)」
「キャンペーンや特典付きの多いコンビニで購入します。(50代女性)」
「その時々で立ち寄ったお店やコンビニで珍しい商品を買ったりする(50代男性)」

コメントピックアップ:昨年からどんな変化がある?


2021年の緊急事態宣言中と2022年を比べ、飲酒についてどんな変化があったかコメントをピックアップしました。

■酒量が増えた・減った
「飲みに行く機会が減ったため、飲む回数もかなり減っている。(30代女性)」
「外飲みは少なくなったまま。家飲みも少量(60代男性)」
「家で飲める時間が増えた為、昨年よりは、普段から飲む量が増えた気がする。(40代女性)」
「家に居る時間が増えたのでつい飲んでしまう(50代男性)」

■外食でお酒を飲む機会が増えている
「今年になってからはたまに外食したときに飲酒することが多い。(30代女性)」
「緊急事態宣言があったときに比べて飲みに行くことが増えてきた。(40代女性)」
「去年に比べて家族で外食する機会が増えて、外で飲む機会が増えた(50代男性)」
「外食がしやすくなってお店で飲む事が多くなってきた。(60代女性)」

■お酒の楽しみ方が広がった
「オンライン飲み会等をする時に飲んでいる雰囲気だけで良いから味わいたいのでノンアルコールカクテル・サワーを飲むようになった(20代女性)」
「コロナ禍になり家庭での食事が増えたので食事に合うお酒を飲むようになった(30代男性)」
「新製品は試すようにしている。あとは料理に合わせて選んでいる(40代女性)」
「日常買うには高いウイスキーがチラシで安くなっていたら、奮発して買って飲み比べする。(60代男性)」

■健康を意識しだした
「減量のためにお酒を減らしたいのでとりあえず糖質オフのものからはじめていきたい。(20代女性)」
「健康にも気をつけたいので、なるべくノンアルコールのものを飲んでいる(30代男性)」
「健康や体型を気にして、お酒の飲む頻度が減った(40代男性)」
「健康を意識しお酒を飲む頻度は減った。(50代女性)」

今回のアンケートでは、8割以上の方は自宅で日常的にお酒を飲んでいることがわかりました。飲酒はコミュニケーションのひとつや、適度な量であればストレス解消法の1つとして有効ですが、飲み過ぎには注意が必要です。自宅で過ごすことが多くなっている今だからこそ、飲酒をただ習慣化するのではなく、適切な付き合い方を見極めて楽しみましょう。

今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。データに関してご質問等ある方は、お気軽にお問合せください。

https://www.sbfield.co.jp/contact/contact-corporation/

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