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食品から生活用品まであらゆるものの値上げが続く中、エネルギー資源、飼料高騰と鳥インフルエンザによる供給不足などもあり、これまで「物価の優等生」と言われてきた「たまご」にも変化が起こっています。

そこで今回は、POB会員2,967人(平均年齢49.0歳)に、「たまごに関するアンケート調査」を行いました。21年5月時点の調査結果とともに、消費者の購買・消費行動の変化に迫ります。

たまごの価格に変化を感じている?

まずは、どれぐらいの消費者がたまごの価格に変化を感じているかアンケートを行いました。

「以前よりも高くなったと感じる(91.9%)」

普段購入しているたまごに変化を感じているか尋ねたところ、91.9%の人が「以前よりも高くなったと感じる」と回答しました。更に21年5月のアンケート結果と比較すると34.9P上昇しています。

たまごを買う時に重視するポイントは?

値上がりが続いている中、消費者は何を重視してたまごを購入しているのでしょうか。

「安さ」や「数量」を重視する人が増加傾向

重視するポイントは「安さ(70.4%)」が最も高く、次に「味(53.2%)」、「賞味期限・消費期限(鮮度)(48.5%)」が続きました。
21年5月と比較して、「味」や「鮮度」、「大きさ(L・M・Sなど)」、「品質」などといった項目が比率を下げ、「安さ」や「数量」を重視する人が増加している傾向です。産地や鮮度などの品質にこだわりつつも、少しでも安いものを買い求めたいという様子がコメントからもうかがい知ることができます。

「値段が高騰しているから、安い時をめがけて購入する。(30代女性)」
「値段が一番やすいお店で購入するけれども、安くても小さかった場合は買わない。(40代女性)」
「近くに地元の養鶏場がやっている自販機で買う。以前はスーパー、ドラッグストアでも買っていたけど、最近は自販機と値段が変わらないか高いから買わなくなった。(40代女性)」
「スーパーでいつも購入しているが最近高くなってきて、購入先を考える必要があると思い始めている。(50代男性)」
「最近、値段が急に上がってきているので、安いところを探して購入するようにしています。(60代女性)」

たまごの購買・消費行動の変化

続いて、たまごの購買・消費行動の変化について更に深堀していきます。

購買・商品頻度はいずれも減少傾向

たまごの購入頻度は、週1パック以上の購入頻度が【値上げ前(67.5%)】から【値上げ後(50.8%)】と‐16.7 P減少しています。また、消費頻度も週に半分以上の消費率が【値上げ前(66.6%)】から【値上げ後(46.4%)】と同様に- 20.2 P減少していました。値上げ前は「ほぼ毎日(35.1%)」と高い頻度で食べられていましたが、値上げ後には頻度が「週に1-3日(34.1%)」になるなど、食卓に欠かせないたまごの立ち位置に変動が起こっていることが見て取れます。

「価格が上がったので、食べる頻度を減らし、買う頻度も減らした(40代女性)」
「卵焼きは3つ使っていたが1つ減らした(30代女性)」
「お弁当への使用頻度を減らした(30代女性)」
「ゆで卵を毎日食べていたが、今は頻度を減らした(40代男性)」
「たまごの高騰で、必ず週1パック以上購入していたが10日で1パック程に減らした。(50代女性)」

たまごの購入先も多様に

ドラッグストア等の業態が伸長

会員にたまごの購入先を尋ねると、最も多い購入先は「スーパー(93.9%)」となりますが、21年5月と比較すると、「ドラッグストア(+11.6P)」、「ディスカウントショップ(+4.8P)」、「コンビニ(+3.2)」などの食品スーパー以外の業態で購入する比率が伸長しています。

レシートデータ:価格推移

では、業態ごとでどれぐらい価格に違いがあるのでしょうか。会員が2022年に実際に投稿した「たまご」の購入レシートから、商品単価の推移を追います。

ドラッグストアが最も価格が安い

たまごの価格は、2020年末から発生した鳥インフルエンザの影響で値上げ傾向でしたが、2022年は更に記録的な年となりました。不安定な世界情勢から、たまごの値段もそれに応じ上昇していることがレシートデータからも見て取れます。平均価格はコンビニ(247.1円※22年12月時点)が最も高く、次にスーパー(202.9円)が続きます。ドラッグストア(191.5円)は、値上げ幅が一番上昇(+43.7円)しながらも、最も価格が安い業態となりました。

前出のアンケート結果にもあったように「安さ」を重視して購入する人が増加していることから、少しでも家計の圧迫を抑えるために購入先の選択肢が広がりつつあることがコメントからも伺い知ることができました。

「ドラッグストアの方が値段が安いのでよく買う(30代女性)」
「最近はコンビニでも値段が変わらないから、コンビニで買うことが増えている。(40代男性)」
「スーパーは最近値段が高騰しているため、スーパーより値段が安いドラッグストアで購入している(40代女性)」
「基本は値段が安い点が重要なのでスーパーやドラッグストアで最安値を狙って購入タイミングを決める。(40代男性)」
「曜日限定サービスがあるスーパー、時々セールするドラッグストア、クーポンなどで安く買えるドン・キホーテの、このいずれかで安いときを狙って買う(50代女性)」

今後のたまごの購買行動

9割以上は「買う」

価格が高騰する中、消費者の購買行動としては、「安いお店を探す」、「特売時を見つける」など購入頻度を減らしながらも、買い控えはせず9割以上の人が「買う」と回答しています。値上がりに苦しむ声があがりつつも、生産者を応援するコメントも散見されました。

「値段が高くなってお財布には痛いが、栄養もあり調理も手軽にできるので、今後も変わらず買うと思う。(30代女性)」
「高くなるのは悲しいけど、値上げは卵だけではないし、仕方ないかなとは思う。(40代女性)」
「買わないわけにはいかないのであきらめている(50代女性)」
「値段が上がって家計を圧迫しているが、必需品なので買う量を減らすことはできない。(60代男性)」
「値段が上がるのは仕方ないと思う。美味しく安全な卵を生産し提供している生産者様の助けになるならと思う(30代女性)」
「値上げしても仕方ないし、変わらず買い続けます。生産者を守るべき。(40代女性)」
「生産者はもっと大変なので、変わらず使い続けたいと思います。(60代男性)」

値上がりしたから「たまごを買わない」という人は非常に少なく、たまごがいかに食卓に欠かせない食材であるかがわかりました。

今後も、レシートと消費者アンケートで様々なトレンドを分析していきます。
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