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バベットの晩餐会 価値観

絵本に登場させる予定の海亀を試し描きしていたら、『バベットの晩餐会』を思い出した。確か映画の中で海亀のスープが振る舞われていた。

『バベットの晩餐会』1987年デンマーク映画。ガブリエルアクセル監督。

田舎の漁村の敬虔な姉妹の家政婦になったバベット。ある日宝くじで大金が当たり、お世話になった姉妹にお礼をしようと晩餐会を開くことになる。姉妹を取り巻く村の方々や知人が招待される。

バベットは実は都会の一流レストランの一流シェフ。大金をたいて高級食材を買い揃え、素晴らしい料理を振る舞うのだが…

バベットがシェフであることも高級食材が使われていることも、つゆ程も知らない姉妹に村の方々。見たことのない食材が運びこばれるのを見て、何を食べさせられるのかと、怯え、料理もおっかなびっくりに手をつける。食べ方さえ分からず味わえず…

それと対照的なのが、料理を味わう1人の紳士。この味は一流レストランのシェフの味と気付き、ペアリングの見事なワイン選びを喜ぶ。田舎に来て、こんなご馳走に巡り合うとは❗️と驚きながらも舌鼓を打つ風景。

中学生の時、大好きだったチェッカーズの藤井郁弥さんが、何かの記事でこの映画を紹介されていたのを覚えていたのがきっかけで鑑賞に至った。

随分昔のことだけど、この時思ったことは鮮明に覚えている。

人生は色々と体験しておかなくては、チャンスが来てもそれを楽しめないのだ。折角のお料理も、おっかなびっくりでは、味わうどころではない。知っていてする事と、知らないでことに当たる時の心の余裕、幅の違い。楽しみ方の違い。どうせなら、多くを知り体験することで、人生の時節を深く味わいたいと思った。

大人になって色んなことを体験した今、同映画を鑑賞し直したら、違う観点からの思いがあるかも知れない。 noteを書くためにレビューを読んでいたら、姉妹の恋愛を、そう言えば…とぼんやりと思い出した。割り下のようにジンワリと出汁を効かせている恋愛秘話。姉妹の人柄。主人公バベットの人生…

だけど、海亀スープで思い浮かぶのは、やはり体験から来る価値観の違い。人生の楽しみ方。

以前友達にいわれたことがある。「〇〇ちゃんの人生は絶対選ばない。」私も言い返した。「私も〇〇ちゃんの人生は絶対選ばない。だってみんながそれぞれ、その時に最善を選んでいるはずだから。」価値観の違いはそれぞれの人生を形作る。私の人生の選択が今の私を作っている。

映画を見た時の、思った心のままに、今があるのだとしたら、私は私なりの体験を色々と積み重ねてきたと思う。友達から心配されるような人生であろうと、馬鹿な選択であろうと、その時必死で選んだ答えと共にあると思う。

価値観の違い。映画ではみんな幸せな気分で終わる。

価値観は違っても、最後はみんなで集まれた(生まれ存在する)幸せ、分かち合えた幸せ、今ある幸せに感謝出来たら良いなと思う。




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