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北の蛍 割り箸ペンと墨で描く

墨の滲み具合が好き。

最近また、墨と割り箸で遊んでいる。それば小学校の図工の時間に教えてもらった描き方。割り箸を鉛筆のように削って、墨汁をつけて描く。鉛筆やクレヨンや、筆で描くのとはまた違った濃淡ができて、味わいがある線になる。

何も考えずにただ、こうしたらどうだろうだけで、感覚的に描いてみる。もういいかと思うところでやめる。意外に楽しい…縛りがないから。

出来上がった画面を見ていたら、”雪の風景”が浮かんできた。雪と言えば、その時浮かんだのが、『冬の蛍』だ。森進一さんが同名タイトルの主題歌を歌う。私もたまにカラオケで歌う\(//∇//)\

『北の蛍』1984年公開。五社英雄監督。高田泱治脚本。阿久悠スーパーバイザー。仲代達也主演。岩下志麻共演。北海道開拓時代の過酷な労働に従事した囚人たちとその上官、彼らを取り巻く女たちの愛憎劇。

明治初期の北海道開拓時代。近代化の為、資源確保とその輸送のための交通建設に多くの囚人たちが強制労働に駆り出されていた。極寒の地で、人権などなく、人間以下の酷い扱いを受けていた囚人たち。開拓はそんな囚人たちの屍の山を築きながら進められていた。悲しい歴史の上に現在があると印象づけられる吹雪の風景、その吹き付ける雪の中を行進する囚人たち。

その監獄所長役が仲代達也さん。仲代さんと言えば、憐れみ深い眼差しでじんわり深い人間味を醸し出す演技が思い浮かぶのだが、この監獄所長、豪放、身勝手、囚人の扱いが最低過ぎて恐れられている役。仲代さんの新鮮な役どころが記憶に残っている。岩下志麻さんは囚人となった恋しい男を追って来た女。恋しい男のため監獄所長に取り入ろうとするも、この最低男に惚れてしまう女役。憎い相手を恨みながら愛してしまう激しい女の情念を感じさせる五社監督お得意節。モノクロームの世界に印象的な赤が冴えている…映像美。

なんといっても、森進一さんが歌う『冬の蛍』が秀逸。阿久悠歌詞、三木たかし作曲。

歌と映画の風景が重なって…熱い。山も泣くし、雪も泣く、女も泣く。だけど、熱い気持ちが赤い蛍となって胸から飛び出して、肌の匂いを追って恋しい人の元に行く…って、激しい!!!

ところ変わって先日、車の中で高一の三男と、車内でかける音楽について激論があった。三男は少しレゲエ少しヒップホップな曲が好き。私はパンク世代、UPテンポでエッジが効いた曲が基本的に好き。あれでもないこれでもないと、2人で共通で聴ける曲を探して、落ち着いたのがワンオクだった。ワンオクと言えば、ボーカルのタカの御父上が森進一さん!タカも良い声だけど、御父上も流石でございます。あのハスキーヴォイス!


割り箸ペンに墨を付けて描いていると、その線の滲みから違う世界が、浮かんでくる。今日は、雪国白銀の世界。明日はどんな形が生まれてくるのやら…

最近は表紙の絵を描くこと、それに因んだ映画を思い出すこと、そしてnoteに記事を書くことが楽しい。好きなことを3つも同時にしているからだね!





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