何に慣れるかで、今の自分が創られる
「私は料理が苦手だ」と言うと、大体の人からは「え、意外!」という言葉が返ってくる。今思えば、このやりとりは遡ること小学生の頃から始まっていたように記憶している。
これは自慢でもなんでもなく、むしろコンプレックスだったのだけれど、見た目から「なんでもできそう」と言われることが多かった分、出来ないと分かると途端に期待を裏切るような気持ちにさせてしまうのが申し訳なかった。し、それを挽回しようという気もさらさらないので、このやりとりはその後も長く私について回るのであった。(この現象に名前をつけたいし、同じ悩みを経験したことがる人はきっと5人中1人はいるはず……。)
「できなさそう」な見た目の人が言われる「え、意外!」は好印象な意味を含むのに対して、なんで勝手に見た目で判断されて(私の意図しないところで)なんだか損した気持ちにすらなってしまったのが学生時代の思い出だ。
さて。そんな生粋の「料理苦手人間」の私が、最近はある特定の料理であればハードルもなく、苦も無なく、息をするように(は、流石に言いすぎたけれど)できるレパートリーが増えた。
その理由は簡単で、”飲食店の仕事で作る機会が増えたから”だ。
最初は「えぇ~…困った」と苦手意識が100点満点だったのだけれど、もちろん仕事なのでそうも言ってられない。けれど、それが慣れていくとあら不思議。あの苦手意識はどこへやらで、数か月経つ頃にはすっかりその工程に抵抗も苦手意識もなくなっていたのだ。
それがなんと、仕事以外の自宅でも発揮されていることに気付いたのは、意外にもここ最近のことだった。
よく「習慣は人を創る」と言うけれど、それをこの分野でも体験するとは思ってもいなかった。あれほど苦手なことも(ほんの一部だけれど)慣れによって身体の一部になる。その事実は、きっとまだまだ他の事にも応用できそうだし、その「慣れ」の積み重ねで、人は自分の「なりたい」を叶えることができてしまうんじゃないかなと思う。
将来なりたいと望む自分は、どんなことに慣れているだろう?
その近道は、意外と今日からでも始められること、かもしれない。
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