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haishopソーシャル映画祭「草間彌生∞INFINITY」を観て衝撃を受けた話

先日3月25日、横浜にある KITCHEN MANE さんにて開催された haishopソーシャル映画祭 。そこで【草間彌生∞INFINITY】が上映されました。

終始圧倒されたドキュメンタリー映画。今回はその感想と、この機会をつくってくださったThe Doorless Art Okinawa さん、そして haishopさんについて綴りたいと思います。




私と草間彌生さんとの出逢い


毒々しい色使い。気が遠くなるほどの点。

私が草間彌生さんの作品をはじめて見た時の感想は「なんか、怖い」だったから、正直、彼女の作品をもっと見たいとは思いませんでした。(正直すぎる感想…。)

そんな彼女の事を知りたいと思ったのは、去年、松本市美術館の展示に足を運んだ時のこと。松本に着いてからたまたま常設されていると知り、せっかくなら、くらいの軽い気持ち(今思うと失礼極まりない)で入館。

が、そこから一転。

展示を見終えた頃には「こんな狂気さえ感じる作品を創り出す草間さんは、一体どんな人生を歩んだ人なんだろう?」と、そこで触れた以上にもっと知りたくなっていました。


混沌とした人生を生ききる姿は「美しい」と美化するものではなく「生」に対する強さだった


仕事仲間である@ayakoさんと @ichika さんのご縁で繋がることができた、haishop さん主催の haishopソーシャル映画祭。

haishopソーシャル映画祭とは、映画を通して見えない景色を学び、多くの方の行動を変えるきっかけになることを願い開催されたもの。

株式会社InnovationDesign | Peatix

その企画理念に感銘を受けたと同時に、今回の共同主催であるThe Doorless Art Okinawa さんの活動も気になり、さらには草間さんのドキュメンタリー。これは絶対に行きたいと参加を即決。


映画は(以下ネタバレを含みます)70年以上にわたり独自の芸術を表現し続け、2016年にTIMES誌の「世界で最も影響力のある100人」に選出された彼女がまだ無名だった頃。その芸術への才能が目覚める幼少期から、単身でアメリカへ移住し、苦悩しながら行った創作活動についての知られざる過去が映された内容でした。


観ていて感じたことを正直に綴ると…

自分というアイデンティティが傷つけられる叫びのような、内側にあるものをアートにすることで消化しようとする生々しさがあり、生まれる作品に対する確固たる強い想いを感じずにはいられなかった理由が垣間見えた気がしました。

生きることに懸命に、一方で、二度の自殺未遂に奇しくも死にきれなかった人生。生死について向き合い続けた極限状態。混沌としたその最中、文字通り”命を懸けて”自分を表現し続けてきた彼女だからこそ、今なお目にする人が強烈な印象を受ける作品が創れたのだなと思います。

ゴッホや芥川龍之介。亡くなってからその才能や作品を称賛される人も少なくないなかアーティストという生業で、生きている間に二度(特にアメリカからの帰国後、40歳からの再起から)こんなにも世界に注目されるアーティストになることは、本当にすごいことで。

彼女の生い立ちを知り苦しくなる反面、最後に故郷に想いを馳せることができたことにも(美談にしたいわけではないけれど)それでも救われたような気持ちになったことも確かで。



アートに垣根はない


上映後、少人数で感想のシェア会が行われましたが、それぞれの視点から観る映画もまた面白く、味わい深い時間となりました。

特に印象的だったのは、呉屋マリヤさん(The Doorless Art Okinawa代表理事)の言葉。

みんな、なにかしら草間さんの作品を見て「何か(障がいが)ある(かもしれない)」と思っていたかもしれない。けれど、だからその作品が評価されているわけではなくて。
その作品が見る人に与えるエネルギーは、彼女の生き方がアートに映し出されているからなんですよね。

記憶にある言葉なので一言一句同じではないけれど、とても共感したことを覚えています。健常者も、障がいがあるかも関係ない。(もちろん”特性”として、得意な表現方法や視点というものはあるけれど)ボーダレスという言葉がある通り、まさに隔たり(扉)のないのがアート。


その後、haishopさんに限定出店されているドアレスアーティストの方の作品を実際に目にしましたが、それぞれ異なる魅力が引き立っていて、こんなにも自分の世界を表現できるって素敵だなと心から思いました。

最近、すごく思うんです。「こうしないといけない」とか、何かの、誰かの正解を求めて生きている人ほど、自由に描くことが難しいなぁって。

自分を知っている人ほど、表現するアートには「その人らしさ」が現れる。それにものすごく憧れるから、私ももっと自分のことを知りたいし、同時にこの社会のこと、出逢う人のことを知りたいと強く思います。



投稿が遅くなりましたが、横浜のhaishopさんでの展示販売は3/31(日)まで!その後についてはHPでご確認ください✨(その他にも、haishopさんではフェアトレードのアイテムや社会問題を解決するおみやげが並んでいます。ぜひ足を運んでみてくださいね。)



-The Doorless Art Okinawa-

沖縄県県内で「アート」を表現している障がい者アートを、私たちは「ドアレスアート」と呼称します。それは #アートに垣根はない からです。
この団体活動を通して、幅広い世界への自由なドアの無い世界へ羽ばたいてほしい。そう願い私たち団体はそのドアマンとして活動しています。(Instagram

-haishop-

haishopは、おみやげを通して、今地球上で起きている食料廃棄問題、 気候危機、ジェンダー問題、地方衰退など、様々な課題を知ってもらい、共感してもらい、” ライフスタイルを少しだけ変えてみよう” と思う人を増やすことで、地球を守りたいという想いで活動しています。(Instagram /Facebook

-KITCHEN MANE-


歴史が色濃く残る街 横浜・馬車道に位置するKITCHEN MANEでは、
四季折々の自然のめぐみを大切に、感謝の気持ちと共に、
暮らしの中で昔から受け継がれてきた日本の食文化である ”和食” のコースをご用意致します。(Instagram


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