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【ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略】 -ほぼ1,000字感想文

○タイトル:ソフトウェア・ファースト あらゆるビジネスを一変させる最強戦略
○著者  :及川 卓也
○発行  :日経BP (2019/10/10)

■ざっくり要約

「ソフトウェア・ファースト」とは、IT活用を核として事業やプロダクト開発を進めていく考え方である。

前提として、「日本はIT・ネットの"20年戦争"に負けた」と筆者は主張する。その要因は高度経済成長期の成功体験が捨てきれず、ITへの理解も推進も後手になったから。「製造業信奉」によりITへの軽視、経営者の理解不足を誘発しているとのこと。

この状況に対して、「ソフトウェア・ファースト」を推進するための方針を、経営者視点・エンジニア視点・キャリア視点で具体的に示した一冊である。


■学びポイント

○マネタイズが後天的なものに

当初のソフトウェアはいわゆるパッケージ売り。この時代では、製造業の考え方が基礎にあり、日本企業も立ち向かえた。しかし、SaaS型が主流になった昨今、状況は一転。

製品の利用がマネタイズと一致しなくなったことにより、ユーザーとの関係性を注視しなければならなくなった。"売って終わり"ではビジネスが成り立たなくなった。


○DXの本質はITを「手の内化」すること

デジタルトランスフォーメーション[DX]の推進のためには、内製化することが必須。一方で日本企業は子会社に下請けする考え方から抜け出せていない。

自社を取り巻くシステムがどのように形作られているか。ここをブラックボックスにしている状態では、ソフトウェアのポテンシャルを引き出すことはできない。

つまり、DXの推進には組織の再構築を伴う大きな変革が必要になる。経営者が先陣を切って着手できるかが、企業の存続を左右するのである。


○π型のスキル構築でキャリア形成を

前提、スキル構築には2つの種類がある。自身の専門性を伸ばす "縦軸"と、専門外の知識を広げる"横軸"。既によく言われている「T型のスキル構築」とは、この両者を伸ばしていくこと。

しかし、テクノロジーの変化は早く、一つの専門性で市場価値をあげることは難しくなってきた。そのため複数の専門性をつけることで、その掛け合わせによる希少性の醸成が個人の生存戦略となる。

なお、縦軸の選び方は、戦略的自己選択による必然性とコネクティング・ザ・ドッツ視点による偶発性の両方の視点が必要。

※コネクティング・ザ・ドッツとは
スティーブ・ジョブス氏によるスタンフォード大学の卒業式典スピーチで言及された考え方。点の経験やスキルが、後から思いも寄らず繋がり、将来に活きるという。


↓出典元

※関係者の皆様へ
感銘を受けた作品だからこそ、より多くの方に読んでもらいたくnoteを記載させて頂きました。作成画像など、内容に問題がある場合は即刻掲載停止しますので、ご一報頂けますと幸いです。

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